「らしさ」に気づく、理念づくりの実践
しくじり人事では、業界や法人の垣根を越えて、日々の人事業務の中で得た知見を共有しあうことで、自社の人事業務に活かす機会とすべく、実際に人事という立場から業務を行なっている3名の方に『「らしさ」に気づく、理念に基づく評価制度作り』というテーマでプレゼンをしていただきました。
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今回は医療法人桜豊会大阪総合歯科の前野様のプレゼンを紹介します。
〈プレゼンターのプロフィール〉
前野博毅
医療法人桜豊会大坂総合歯科
副院長
現在の仕事
法人の第2創業期を迎え、人事施策の実装に取り組んでいる。
創業10年目の歯科ということで、
組織のライフサイクルでいう第二創業期に差し掛かっています。
今回どのように理念づくりを実践しているか紹介していただきました。
経営理念の見直し
経営理念に関する本を読んでいると、
良い経営理念
・社員の意欲を引き出す
・チームワーク/一体感を引き出す
・戦略的な判断を下す基準/文脈となる
・中心人物から依存した状態を脱却する基盤
悪い経営理念
×当たり前(道徳・お題目型)
×崇高だが捉えどころがない
×数字
というのが挙げられています。
まずはそういった本に目を通して幹部の方にプレゼンを行いました。
経営理念概論〜MVV〜
MVV(M : mission、V : vision、V:value)とは、ドラッガー著の「ネクスト・ソサエティ」(2003)に登場する言葉で、
ネクストソサエティにおける
企業とそのほかの組織の最大の課題は、
社会的な正当性の確率である。
すなわち、
価値(バリュー)、使命(ミッション)、 ビジョンの確率である。
というのがルーツになっていますが、実際に定義というのがここでは示されていません。著者によってはその部分が定義されているケースも多いので、多くの本を読みながら自分達に合うような定義を決めていくのが良いと考えます。
そして自分達が設定した仮の定義はこちらです。
MVV型以外にも企業によって形が違うこともわかりました。
企業の社会的責任(CSR)とCSV
CSRとは、1870年代に巨大企業が出現し始めるにつれ、企業活動は次第に社会に大きく影響を及ぼすようになった頃から議論され始めた、企業の社会的責任のことです。
最初の頃はCSRに対して批判的な意見もありましたが、
2000年代に入ってからはESG投資など積極的に用いられ始めました。
CSV(Creating Shared Value)とは、
社会課題に取り組み、社会を求める新たな価値を創出することで、経済的利益も創出されるというMichael Porter(2011)の考え方です。
社会的責任と利益を同時に求めることで、新たな市場の獲得を行えるという考え方です。
パーパス 目的/存在意義
理念を創る上で“共感”を得ることが非常に重要になります。
そこで経営者自身の夢と社会的な夢の重なる地点がパーパスと呼ばれる経営理念に適する部分だと考えます。
センスメイキング理論
センスメイキング理論とは心理学由来の経営理論で、
“組織メンバー、周囲のステークホルダーが物事の意味について納得(腹落ち)し、それを集約させる(足並みを揃える)プロセス”を探求する理論体系です。
そこでは、
【正確性よりも納得性の方が大切】
という考えがなされています。
実際の事例で
雪山の中でハンガリー軍が遭難した際に
とある兵士が地図を出して「これを見ながら下山しよう!」と言ったそうです。
その兵士を頼りに軍は下山することができたのですが、
あとからその地図を確認すると全く関係ない地域の地図だったのです。
「とりあえず地図をもとに下山すれば助かるかもしれない!」
という他の兵士が納得したことで下山する決心ができた模様。
これも一つのセンスメイキングですね。
時間軸で捉え直す
時間軸で捉えると、
経営理念に関連するキーワードの発見や物語を作ることにも繋がります。
現在法人では、
THE VISIONという本を聖書に設定し、経営理念の見直しを行なっています。
(本の詳しい情報はこちら)
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