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外国留学生の採用強化は、エンゲージメント面から考えないといけないのでは?

某メーカー採用担当のあざちみです!

今日は外国留学生採用のモヤモヤについてお話したいと思います。外国留学生の採用を強化する方針が社内で出されましたが、進めて行くうえでさまざまな障害が発生しそうです。

■外国留学生の採用意欲は高まっている

以下のグラフは、ディスコ社によって2019年12月に実施された調査結果です。外国留学生の採用に関して、2019年度の実績と2020年度の意向をヒアリングしたものです。

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ご覧の通り、少なくとも昨年度に対して2020年度の外国留学生採用意向は高まっており、この傾向はこれから基本的に継続して増加していく見込みのようです。

これから人材不足がますます課題になる少子高齢化社会日本において、優秀な外国留学生の確保は重要な検討項目となりつつあります。

弊社でも、今年度から外国留学生の採用を強化する方針が出されました。今までは特に何も手を打たず、毎年数人が入社していましたが(率にすると3%前後)、これからは手を打つようにとのこと。

■何を目的に外国留学生の採用を強化するのか

ただ、突然強化せよと言われても、そもそも何を目的に外国留学生の採用を促進するのか、明確な指示はありませんでした。

そこで、社内にたくさん存在する部門それぞれに一斉アンケートを実施しました。①外国留学生の採用強化に興味はあるか、②あるなら何が目的か、③どのようなスペックを求めるか、についてヒアリングしました。

すると、以下のような結果が出ました。

1位:国籍に関係なく優秀な人材を確保したいから

2位:海外において&海外とのコミュニケーションを円滑したいから

3位:新たなアイディアを持ち込みたいから

比較的予想通りでしたが、1位の「国籍に関係なく優秀な人材を確保したいから」が圧倒的で、つまるところ、外国留学生が絶対に欲しいという訳ではなく、日本人と同じ土俵で評価し、良い人がいたら採用するというスタンスがほとんどでした。

以下はマイナビ社によるリサーチ結果です。

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ご覧の通り、全体的なトレンドとしても、優秀な学生を確保したいという項目が圧倒的に多く、弊社で挙がっていた意見が同様に続きます。なるほど、他社でも似た考えなんだなと認識出来ました。

■矛盾する「求める言語能力」

一方で、求める日本語能力はというと、社内調査で出てきたのは相当レベルの高いものでした。

そこまで専門用語を使えなくても良いが、会話のほぼ100%が日本語で、日本語の教育を基本的に必要としないレベルという回答が一番多かったのです。

これって、矛盾してませんか?

って、単純に思っちゃいました。だって、外国留学生を採用したい目的が「優秀な人材が欲しいから」というものなのに、日本語能力をかなり気にしているからです。

結局のところ、外国留学生を受け入れたあとに日本語の教育を施す仕組みも時間的余裕も無いからなんですよね。いわゆる現場の受け入れ態勢が整っていないということに他なりません。

外国留学生の採用を強化せよと号令をかけられたところで、それは採用担当の範疇では片づけられない壮大なテーマなのです。

入社後のキャリア形成をどうするのか、教育をどうするのか、待遇は他の日本人社員と一緒で良いのか、そもそも総合職として採用して良いのか等々、人事制度を諸々整えた上で迎え入れないと長くは働いてもらえないのではないかというリスクが残ります。

まずはエンゲージメント強化を考えないと、この外国留学生の採用強化は失敗に終わりそうな気がしています。


・・・ということで、どのようにして進めて行こうかなーと悩んでいる次第です。技術系の新卒採用も一方で主として担当しているため、時間的リソースをこちらになかなかかけられずにいるのも悩ましいところです。

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