見出し画像

読書記録|竹田恒泰『中学歴史 令和2年度文部科学省検定不合格教科書』

読了日:2021年6月10日

 ここ数年、武田恒泰氏が歴史の教科書を世に送り出そうとトライしていて、文科省から不合格の烙印を押されたものを書籍化したもの。

 この面白いところは、文科省から「どこがダメだったのか」がはっきりとわかる、ダメ出しされた箇所の赤ペン入り!(笑)
 とはいえ、そのダメ出し箇所は例えば「太平洋戦争」を「大東亜戦争」と書いているところだったり、「中国」を「支那」と書いているところだったり、どうしてこれがバッテンになるの?と思うところばかり。
 中国自身が「CHINA(シナ)」と言ってるのになぜ?
 文科省の言い分は、「日本人の一般的な認識として、理解しやすい(通説である)こと」。これから外れるとバッテンになるようだ。
 歴史の内容についても、同様の評価基準があるらしい。
 全く間違ったことは書かれれいないのに(むしろ現在出回っている教科書の方が、歴史を歪曲してるようにも思える)、不合格というのは不思議なもんだ。

 この不合格教科書の魅力は他にもあって、漫画が挿入されていたり、戦艦大和などの迫力満点の鉛筆画があったり(これが本当に美しく素晴らしい!鉛筆の限界を超えてる!笑)、中学の歴史の教科書がこんな教科書だったなら、私の歴史も変わっていただろうなと思う。
  大人になり、改めて縄文文化から現代の我が国の歴史を復習するのに、この本は大いに役立ってくれる。

 様々な本を読んできて思うのは、歴史の教科書は常に事実が書かれてるとは限らないということ。
 自分が生まれた国に興味や誇りを持てない人が増えてるように感じる昨今、果たして、小学校〜高校までに至る歴史の教科書とはどうあるべきか。大人たちがそれを熟慮する時に来ているのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?