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筋肉短歌評 〜人文くん編〜

近所の観光名所 写真:人間文化課程

筋肉短歌会とは

改めまして、人間文化過程です。
週に一度、筋肉短歌会という短歌会をTwitterスペースで開催しております。

短歌の楽しさを大喜利的な面白さに置換して、楽しんでいる会なのですが、今回はその中でも特に「雅な短歌」を3つ選ばせていただきました。現代短歌の傑作とも言える作品もあったりするので、ぜひ最後までご覧になってください。

そもそも筋肉短歌会は楽しむための集まりなので、評をするのも大変おこがましいわけですが、「褒めるならよくね?」という考え方です。なのでこの先に「評」はありません。タイトルに釣られましたね。あるのは「褒め」だけです。やっぴー!

【第2回 詠題:コンビニ】

ただ景色を詠んでいる風なのに、全ての情景が見えてくるとても良い短歌ですね。
コンビニという無機質な空間の歌なのに、挨拶を一言かわすことで、とても暖かい気分になれることが見事に表現されています。コンビニのレジは境界線が明確に敷かれていて、一種の結界のように感じますが、それを超えて、結句で「互いに届く」と締めるのが素晴らしいです。構成や言葉選び、並べる順番の全てに無駄がなく、とても洗練されています。きっとお会計が終わった後には、小さく「どうも〜」とか言ってコンビニを出るんでしょう。詠んだ人はそのうち現代短歌界の中で重要な一人になるんじゃないかと思います。今のうちにサインとかください。


【第8回 詠題:祝日】

祝日のことをみんなが好きなのは、きっと仕事が休みだからでしょう。カレンダーが赤いと誰かがまた幸せになることができます。歌中の「ぼくら」にとって特別な一日が、世界中のみんなにとって幸せな日になっていく感じがとても良いです。ひょっとすると「ぼくら」にとって、この祝日は仕事が休みじゃなくても良いかもしれません。こんなに素敵な表現ができるなら、記念日に仕事があったって、小さな幸せをいくつも見つけ出して、「ぼくら」で幸せを分かち合えると思います。必竟、この短歌に出てくる「ぼくら」は、幸福な一対として世の中に存在しているのだと自覚しつつ、この短歌を鑑賞しました。「いつか作ろう」のいつかが、どのくらい長い年月になるかはわからないし、嘘や虚言と捉えられるかもしれません。しかしそれは嘘や虚言ではなくて、自分とパートナー向けた「誓い」と「祈り」なんだと思います。僕も毎日、勤労感謝の日にして欲しいです。国連の人お願いします。


【第7回 詠題:浪人】

時間の経過は平等に残酷で、どうしようもないことが多々あります。人の幸せは大学に行っても、専門に行っても、浪人してもそれぞれの形で存在しているはずなのに、浪人の価値観では大学こそが絶対になってしまう。答えのない人生に、試行錯誤さえすれば大学入試のような明確な答えが出てくるという、浪人を浪人たらしめる考え方が「風は止みたり」の7音に表れています。誰かの心の中にある情景が、三十一文字の世界で表現されることに意味があって欲しいですし、コンプレックスや劣等感の裏返しが、文学や短歌に昇華されることで、短歌の中のハッシーよりも、この短歌の中心人物や作者が救われて欲しいものです。
最後に、

『日能研のガキどけ 座る各駅停車
 急行じゃなくてもみんな同じ駅にたどり着く』

っていうPUNPEE「1999 B&C Unofficial Remix」の歌詞をおいておきます。


おわり

今日のところはこれくらいで終わりにしておきます。
勝手に評をさせていただきました御三方に改めて感謝申し上げます。

筋肉短歌会は皆さんから投稿していただく短歌で成り立っていますので、これからもたくさんの筋肉短歌を投稿していただけますと幸いです。

毎週1人80首ずつ送ってください。送ってくれないとあれです。靴の中に小石が入ります。あと、久しぶりに使った魚焼きグリルから匂いが取れなくなったりします。送ると幸せになれます。送りましょう。

筋肉短歌会のTwitterも是非フォローしていただいて、みなさんご参加いただけますと大変嬉しいです!最後まで読んでいただいてありがとうございます!いっぱい拡散してね!





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