瑛太がやってくれた日記
あなたがしてくれなくても、最終回を観た。
我が家では通称「瑛太のやつ」。
「瑛太のやつ観よう~」とテレビの前にスタンバイ。
最終回は夫婦そろって、
「瑛太、瑛太、いけ、そこだ、差せ、差せーーーッ!!」
と、競馬場のおっさんの感覚で観てしまった。笑。
いやーーーーまさか、まさかの。
まさかの結末だった。
私、ヒールを応援するような気持ちで瑛太を応援していたから、
「え、え、幸せになるのん!? 幸せになってええのん!?」
と戸惑ってしまったが、本当に良かった、瑛太。
瑛太!!
良かったな!!!!
この一週間、
1ピース足らなかったらジグソーパズルごと買い換える男と、
1ピース足らなかったら自分で1ピース作って埋めようとする男なら、
…どう考えても後者の方がええやん!!
とキリキリしていたので、
あー良かった。
岩ちゃんは、オリオン座やら砂時計やら、鰯やらなんやら、とにかくうんちくは語ってくれるんだけど、それは本とかyoutubeでも得られる知識を横流ししているだけであって、岩ちゃん自身の気持ちが見えてこないから。
それよりは、
三島さんをバイクで送りがてらレインボーブリッジ見せてあげたり、夫婦の危機を感じてジグソーパズルせこせこ作ってみたり、妻だけ抱けないことを告白するのに鼻水たらしちゃったりする瑛太の方が、人間味を感じたし好きになれた。
たぶん、この結末を納得感のあるものにするため、あえてそういう人物造形にされていたので、岩ちゃんが可哀想ではあったけどね。
でも最後までわからずハラハラして観ていた~。
岩ちゃんから来る「参考書、渡します」みたいなLINEの奥の奥に、マジで性欲の強さを感じた!!
ぜったい参考書渡すだけで終らないじゃん!!
どう考えてもむっつりです。
でも、2ヶ月ぶりに会った岩ちゃんとは普通に話せるのに、瑛太を一目見ただけで泣いちゃう奈緒ちゃんが良かったよね。
私も泣いてしまった。
瑛太、別れたとたん男の色気満載で奈緒にせまるんですが、これあかん。
なんでこう、女の懐に入るのがうまい感じなんですかね。やばいでしょ。確実にクズの系譜であることはわかるが、あらがえない。
あかん。
みなみが、
「せっかく離婚したのに付き合わないなんて、こっちが別れ損!!」
みたいなことで憤慨していたけど、気持ちはわかるんだけど、きっと岩ちゃんが奈緒とどうこうならなくても別れていたからね。
だから憤慨のトーンのまんま、居酒屋で再度、みなみと奈緒が話すシーンは、あんまりよくわからなかったなあ。
みなみは憤慨する筋合いはないのにずっと憤慨していたし、奈緒は「かっこいい」しか言わねーし。
人が真面目に本気の気持ちで話している時に、「かっこいい」て言うの、ちょっと嫌じゃないかなあ。
自分だけ状況を俯瞰してますよのムーブやめい。本気でぶつかってきた相手には本気で返しなさいよと思ってしまった、そういうとこやぞ。
SEXのことを哲学的に語ろうとして、なんかふんわりしたことばっかり言ってたけど、個人的には、放送禁止用語炸裂してもいいから、朝まで徹底討論してほしかったね。(ピーピー言ってて何言ってるかわかんないだろうが)
で、カフェで4人が集合するシーンですよ。
あまりの急展開に
「え、夢なの……?」
と、夫が戸惑いを見せていた。
夢だな。ドリームチームだ。ついに役者がそろった。
夫「夢なんじゃないの? ここは夢の中にあるカフェなんじゃないの?」
私「たぶんそうだよ。ここは夢の中で、本当の4人は交通事故かなんかにあってもうこの世にはいないんだよ…」
夫婦そろって厨二病の既往歴があるため、くだらない展開がすぐに思いつく思いつく。笑。
そのくらい唐突なシーンであった。
岩ちゃん、スッ…と100円を取り出す。
「表ですか、裏ですか。」
知らんがなの顔をした瑛太「知らんがな。」
岩ちゃん、勝手に100円をくるくるして
「表ですね」
ドヤ顔の後に、奈緒への思いを告白しまくる。
みなみいるのにやめたれや…。
岩ちゃん、「次はあなたが告白するんだ」と、瑛太に水を向けるが、
瑛太「俺はいい」
奈緒「私も…。雨降ってるし帰りましょう」
みなみ「帰ろ帰ろ」
おい!!
誰か岩ちゃんに乗ったれや!!
なんだったんだ。100円は。
この物語の一番の被害者じゃない? 岩ちゃん。笑。
奈緒は、このまま自分では何も選ばず、自分の気持ちは出さず、リスクはとらずに終わるのかと思っていたから、最後のシーンは自分で選び取って良かったね。これがなかったら、奈緒の役どころを嫌いになってしまうところだった。
納得のオチではあったけど、
みんなもっと、先週の時点で話し合っていれば・・・
親御さんとかも悲しんだと思うしさ・・・
瑛太も当ドラマを演じてのインタビューを受けていて「もっと話し合え」と言っていたようなんだけど、
そ~っスよね瑛太さん、自分もそう思うッス。(舎弟)
漫画版はたぶん違うオチなのかな。
漫画の陽ちゃんは本当に応援できなかったので、魅力的な陽ちゃん像を作ったことも、最初から違うオチを見据えてのことなのだろうね。
文句も言ったけど、だいぶ面白かった。何か言いたくなる面白さ。
夫は「本当に問題が解決したのかなぁ」とモヤモヤした様子。
「ラストのシーン、オープニングのシーンと同じじゃない? これって二人の過去を見せられているということ? 何も変わっていないということ?」
との感想を持ったそうだ。
なるほど。
何か、二人だけの理想の世界があって、他人からその真価をはかることはできないけど、二人だけにはわかる。
みたいな、メリバ的な観方もできるのかね。それはそれで面白い。
私はあんまり記憶がないんだけど、たぶん、何かは変わっているんじゃないのかなあ。
表面上、やっていることが前と変わらないとしても、この11話分の気づきというのは蓄積されていると思う。そうであってほしい。
衝突したから、他人に逃げても意味がないと気づいたし、自分たちのズルさに気がついたし。話を重ねるごとに、陽ちゃんもベッドの中でも向き合おうとしてくれていたしなあ。みちも途中から「子供子供」という頭になっていたけれど、大前提として相手は陽ちゃんじゃなきゃダメなんだと立ち返ったように思う。
「子供が生まれる=問題が解決」なら、そういう未来は今のところ二人には見えてこないけれど、そもそも「解決」ってなに?って話だもんね。
セックスレスはコミュニケーションレスなのだと思うから、それは少しでも、解決に向かっているんじゃないかと思う。
「ラスト」がどうだったということはそんなに大きな問題ではなくて、私たちが受け取るべきことは、この11話すべての中にあったのではないか。
11話分の出来事が、二人の間に、四人の間に確かにあって、その軌跡は、
「少ししか進んでいない」のかもしれないし、
「大いに前進した」のかもしれない。
私は、「大いに前進した」と感じていたい。
仁礼(にれ)
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