見出し画像

【採用】具体的にどう採用するのがいいのか?を考えてみました

前回、採用活動についての記事を書きました。

昨日、いったん結論づけた「採用のベースとなる考え方」は、以下の通りです。

【採用のベースとなる考え方】
・自社の優秀な社員と一般社員をあらゆる切り口から分析し、「優秀」の要素を定義する
・「変わりにくい要素」を持っている人を採用する
・「変わる能力」は、採用後に育成する

概要はこれでいいのかなと思ってはいるものの、これだけでは全体像しかわかっておらず、実際の採用活動にあまり活かすことができません。

現在、すこしだけ採用活動に関わるような機会があり、実務で活かせるレベルまで解像度をあげたかったので、「採用学 (著者:服部泰宏)」を買って読んでみました。

「どう採用するか?」ですが、おおきく3つの手法があります。

・一緒に働いてもらってから選ぶ
・試験で選ぶ
・構造化面接で選ぶ


一緒に働いてもらってから選ぶ

採用というのは、つまるところ「自社で活躍する人を選ぶこと」です。将来活躍してくれる人かどうかを見極め、推測して選びます。

じゃあどうやって選ぶかなんですけど、手法はいろいろあって、一般的には SPI (テスト) を受けてもらったり、面接をしたりしてるわけです。

この「各手法」がどのくらい予測力、つまり「あ、思った通り (思った以上) の人材だった!」となっているかは研究成果が出ているそうで、それが以下の表です。

スクリーンショット 2021-01-24 20.37.04

引用:服部 泰宏. 採用学(新潮選書)

この表を見る限り、「実際に働いてもらって、求める成果を挙げられるかどうかをみてみる」というのが採用手法としては優れているといえます。

インターンシップとかがそれにあたるかもしれませんが、インターンシップだと期間が短いので判断は難しそう。2 ~ 3 ヶ月くらい見れると良さそうではあるものの、あまり現実的ではないかもしれません。

ということで、一緒に働いてもらいつつ、求める人材かどうか選べる環境ならこの手法を取る、難しそうなら別の手法を取る、というのがいいと思います。


試験と"構造化された"面接で見る

「一緒に働いてもらいつつみる」ができない場合どうするかですが、次に予測力が高いのが「試験」や「構造化面接」の2つ。

これは両方やるのがよさそうですね。

「論理力」や「読解力」の高い人材を必要としているなら、試験で測る。

「いまのうちには、これくらいの論理力を持った人が欲しいから、試験の点数が〇○点以上の人だけ面接をしよう」という感じですかね。

ほとんどの会社ですでに実施していると思います。自社の育成環境を頭に入れつつ、求める「論理力」「読解力」などの必要最低限のラインだけ注意すれば、導入はそれほど難しくなさそうです。

問題は「面接」。

「構造化された面接」であれば採用後の業績予測力は高いものの、「構造化されていない面接」は、採用後に「あれ?思ってたのと違ったな、、」みたいなことが起きやすくなっています。

入社後の「思ったのと違う、、、」を減らすためには、面接を構造化する必要があるわけですね。


面接でする質問は決めておく

「え、じゃあ構造化面接っていったいなんなの?」ですが、著者の服部さんは「採用学」のなかでこうおっしゃっています。

面接に先立って非面接者の何を評価するかということを明確化し、それを面接評価シートのような形に落とし込むことで、面接に入り込む評価者のバイアスを排除し、より正確で客観的な予測を目指したもの

引用:服部 泰宏. 採用学(新潮選書) (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1737-1739). Kindle 版.

いいかえると、「だれが何回やっても同じ採用結果になる」くらいまで、「評価するべき項目」「評価するための質問」「質問に対する答えの評価方法」を明確にすることかな、と。

ある意味「面接を試験化する」みたいなものです。

出てくる問題もそれに対する回答もまったく同じなので、試験監督が誰であろうが、受ける人の点数に差はでません。

一方で、”構造化されていない面接”というのは、ひとによって質問や評価の付け方が変わってしまうので、面接官Aが担当していたら受かっていたのに、面接官Bが担当したために落ちてしまった、ということが出てきます

というわけで、前回の記事でお伝えした、優秀な社員と一般的な社員とを比較することで見える、”優秀” の要素を洗い出し、それを「評価項目」とする。

たとえば、コールセンターとかでいうなら「粘り強さ」などの要素でしょうか。

要素を決めたら「粘り強さ」を測るための質問を決めておきます。「これまで最も継続したものはなにか?継続できた理由はなにか?」みたいな感じですかね。

あとは回答に対する「評価方法」を決める。

たとえば、以下の項目のうち2つが含まれていたら「中」、3つとも含まれていたら「高」と評価する。

・人への感謝が含まれている
・具体的な工夫を述べている
・継続期間が3年以上である

といった感じでしょうか。

ここまで具体的に決めておくことができれば、「だれが何回やっても同じ採用結果になる」はずなので、構造化された面接であると言えそうです。


というわけで、まとめます

全体像は昨日お伝えした通り、以下のままです。

【採用のベースとなる考え方】
・自社の優秀な社員と一般社員をあらゆる切り口から分析し、「優秀」の要素を定義する
・「変わりにくい要素」を持っている人を採用する
・「変わる能力」は、採用後に育成する

具体的な採用手法は、以下の3つを中心にします。

・一緒に働いてもらってから選ぶ
・試験で選ぶ
・構造化面接で選ぶ

一緒に働いてもらいつつ選ぶことができるなら、それを最優先に、できないなら「試験」と「面接」を優先的に選ぶ。ただし、面接においては「だれが何回やっても同じ採用結果になる」というレベルにまで構造化しておく。

構造化にあたって明確化しておくべきポイントは以下の3つです。

・評価するべき項目
  ∟ 定義した「優秀」の要素
・評価するための質問
・質問に対する答えの評価方法

実際に採用をしてみながら調整が必要そうですが、今のところこのように理解しました。

面接も構造化するまでが難しそうですが、いったん構造化できちゃえば、それにそって選抜することができるので、工数をかける価値はありそう。

今回は以上です!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?