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営業力強化を仕組み化すると事業提携や資金調達にも応用できる(1)

こんにちは。FinTechベンチャー(株)お金のデザイン並びに(株)400Fで代表をしております中村です。

先日以下のようなツイートをしました。今主宰していること営業サークルでは「営業の市場価値を上げる」ということを一つの目標にしています。では営業力を養うことは、自分のキャリアとして営業以外の役職についたときに役立つのかどうか。営業だけをやっていて本当に大丈夫なのだろうか、と思う方もいらっしゃるのではないかと思います。

そこで、今回のnoteでは自分の経験も踏まえた上で営業力強化を仕組み化することで他分野へも汎用性が高いということについて解説をしたいと思います。こちらのnoteは2回に分けて書いていく予定であり、第一回目の今回は「営業力強化の仕組み化とは何か?」ということについてまとめていきます。

1. 自分の営業キャリア

僕は現在お金のデザイン並びに400Fという会社で代表をしています。転職という形でお金のデザインに入社したのですが、FinTech企業であり顧客に直接対面営業をして金融商品を販売するということは一切やっておりません。

そういった中でTHEOというロボアドバイザーの事業提携を20社以上と行ってきております。提携先は、証券会社、地域金融機関、そしてNTTドコモなど様々な日本を代表する事業/規模の会社です。また、同時にベンチャーに入って資金調達なども担当してきておりこれまで(株)お金のデザインは100億円以上調達をしてきています。なお、資金調達はエクイティファイナンスだけではなく、デットファイナンスもやってきました。

お金のデザインに入る前まではもちろん事業提携の担当や資金調達などは一切やったことがありません。しかし、入社後に様々な案件を成立させることができました。そのため、僕は営業力強化を仕組み化してきたことで日本を代表する企業との事業提携を完遂し、さらには日本のベンチャーの中でも上位に入る規模の調達を実現してきました。つまり営業力強化をすることで他の役割を任された時にも十分に力を発揮できるものと確信しています。

2. 営業力は他の職業に転用できるのか?

では、営業力強化は他の職業にも転用できるのでしょうか?僕の回答はYes & Noです。これは自分がどのような営業モデルを実施しているのかに大きく左右されると思います。

例えば僕の前職の中でも商品をとにかくプッシュ営業で売ったり、既存の預かり資産での売買をやっているだけの営業モデルは外の世界では全く通用しないと思います。

一方で、上記のツイッターにも書いた営業力=開拓力=案件創出力を実践できている人は、営業職を経験しながらも他の職種でも十二分に活躍できると思います。

つまり、再現性や汎用性のある営業力強化を行えば、違った役割を与えられたとしても活躍することは間違いなくできると僕は考えています。

3. 営業力を構成するものは?

僕は汎用的な形で営業力を養うためには以下のような力を身に付ける必要があると思います。

自社/自己理解力
お客様理解力
論理的思考力
コミュニケーション能力
行動計画力×継続力
GRIT

自社/自己理解力:自社の商品やサービスについてどのようなものがあるのかを網羅的に把握しておくのと同時に、お客様に提案する内容については深掘りして完全理解しておく必要がある。また、営業としては自分がどのような人間なのかを、ストレングスファインダーなどで把握しておくことをお勧めします。営業とお客様の関係にも相性があるので、本当にお付き合いが深くなるお客様は自分との相性が悪い人がなることはありません。

お客様理解力:こちらはどのような営業においてもお客様の理解が第一であって、それなしに単純に商品推奨をするだけの営業するのはロボットが機械的に営業しているのと何にも変わりません。金融業界において把握すべき情報はこちらをご覧ください。もし大きな案件を獲得したいのなら、下記の情報を事前に知っておくことは最低条件だと思います。

論理的思考力:お客様の情報を徹底的に知って、自社/自分のことを理解してもビジネスは何も生まれません。それらの情報をベースにどのようなビジネスができるのか考える論理的思考力が重要です。営業はお客様とビジネスを成立させるには論理力だけでは不十分なことが多いですが、お客様に提案する内容については論理的思考が最も大事です。ここを疎かにすると大きな提案ができなくなります。

コミュニケーション能力:お客様との接し方、話をする際の間の取り方など、営業はコミュニケーションを通してお客様に便益を伝えてビジネス成立に向けて意思決定をしてもらわないといけません。コミュニケーション能力は属人的なものとして扱われがちですがこちらもビジネス書としての名著を学ぶことで深く理解できると思います。僕がまずお勧めするのは「ハーバード流交渉術」と「影響力の武器」です。両方とも古典的な書物ですが、人間の本質をついている本であり、営業をする方は必読だと思います。コミュニケーション能力を高めたい方は是非熟読してください。

行動計画力×継続力:僕は人間は弱い生き物だと思っています。気合で行動量をあげるというのは一瞬の盛り上がりではできるかもしれませんが継続しません。そのため、自分がどのように行動すべきなのかをしっかり計画を立てることが重要だと思います。デイリー、ウィークリー、マンスリーでの行動計画をしっかり立ててそれに従って行動する。また、行動量は重要なので計画の中に量ををしっかり盛り込む。それは例えば通常3件のアポイントしかないのであれば、ついで営業で近隣の重要先に営業するということをスケジュールに明記して1日に数件でも多く行動量を増やすというような計画になります。そして何よりもその厳しい行動計画を継続し続ける継続力が大事です。

GRIT:上記のことをしっかりと実行していればまずまずの結果は出ると思います。しかし、営業とは人対人で行うものであり、論理的に結果が出たり、思い通りの結果が出ることがなかなかないものでもあります。そういった時にやはり大事なのは"やり抜く力"だと思います。これはガッツでやれ!という問題ではなく、最後までやり抜くために考え続けて行動を起こすということだと思います。自分がやっていることがうまくいかなくても、その原因を冷静に考えて、再度行動計画などを立て直しそして自分の計画を信じてやり抜くことが大事です。僕は野村證券の営業時代には大学で有名なスポーツ選手や大学時代からベンチャーをやっていた同期や後輩などがいました。それでも僕がそのような猛者の中で成果を出せたのは、とにかくやり抜くために考え行動し続けたからだと思います。(ちなみに僕は大学は体育会系でもないですし、ベンチャーを立ち上げたり/インターンもしていない普通の大学生でした)

4. 営業力を構成する力の依存関係を理解する

さて、上記のような営業力を構成する要素を解説したり、持論を述べているブログなどは沢山あると思います。しかしそういった中で、その営業力の依存関係を解説しているのはそれほどないのではないでしょうか?

そもそも上記の営業力を構成する力を同時に全部習得するのは無理です。そのため、依存関係を理解して一つずつ習得しながら次のステップに進むことが重要です。

僕は営業力を構成する力は以下の順番で習得していくべきだと考えています。こちらは非常にシンプルですが、覚えておくべき重要な営業力強化のループであると考えます。

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まずは何よりも自己・自社理解をしなければ営業の第一歩が始まりません。上司に言われたものを単に売るだけというのは何の役にも立たず、自分はどういう人間で、自社にはどういうプロダクトがあるのかを理解する必要があります。

次に何といってもお客様の理解です。これをせずに営業をするのは、お客様に対しても失礼であると考えています。そのため、自己・自社の理解が終わったら次にお客様の理解をします。

そして自己・自社とお客様の理解が終わったら論理的思考を活用してビジネスを考えます。その次に考えたビジネスをお客様に伝えるコミュニケーションが必要になります。

一回のコミュニケーションでいきなりビジネスが成立することはほとんどありません。そのため、最初から行動計画や継続して営業するための仕組みを考える必要があります。最後にこの計画をやり抜く力

この順番でやらずによく営業組織でありがちな対人コミュニケーション能力だけ強化されたり、行動量だけを増やすようなことをやってもお客様には何のバリューも提供できずいずれ行き詰ります。営業における最大の目的は、人にしかできないやり方でお客様に便益を伝えて、インターネットやマスマーケティングだけでは成立させることができないビジネスを達成すること以外ありません。つまり、インターネットやマーケティングだけでは発揮できな付加価値を提供できなければそれはもはや人間がやる意味はないのです。

なお、上記順番でやっていくことで営業力は養われていくと考えています。しかし、何といっても営業力強化は一回やれば終わりではありません。論理的思考力で行き詰まったら、お客様理解もしくは自己・自社理解に戻り再度あらゆる情報を集める。つまり、力をつけるために反復的な訓練が必要になります。

また、必要とされる営業力は経験年数においても上がっていきます。新入社員と10年目プレイヤーでは求められる水準が違い、それによって備えておくべき営業力も異なってきます。そのため、年数が経過すればするほど再度営業力強化のループを回していく必要があります

5. 営業力強化に関する(1)のまとめ

以上のように、営業力強化には強化に向けた依存関係を理解し、それぞれの構成項目の力を付けていくことが必須となります。また、営業力強化の仕組みは一過性のものではなく継続的に行っていく必要があります。

そしてこのような営業力強化の仕組み化を行うことは、再現性のあるやり方として部下や後輩に伝達できることと、次回以降で解説する他分野への汎用性が高いものとなります。

次回の無料noteでは、営業力強化によってどのように事業提携や資金調達などの他分野に応用できるのかを実体験も含めて解説いたします。

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