見出し画像

手づくりテキストの出番とは 学習サポートでさまざまな教材をつかってきて


はじめに

 学習サポートの現場でさまざまほしいものがある。とくに教材・テキスト。あとちょっと、もうすこしたりない市販品が多い。たいてい少人数を相手につかう。それぞれの進捗にあうものがいい。

そこで登場する手づくり教材。著作権にわずらわされず、市販テキストを補完するやくわりをになわせるには。

教える現場

 ほんとうにさまざまなこどもたちに遭遇する。ハンデをもったり、病気のさなかだったり、あるいは学習の森に迷い込んで出られなくなったり。こうして保護者の方ととほうにくれておとずれる。

たいてい塾用や学校用のテキストですら適合しないのがふつう。そうなるとたくさんこちらで買いそろえたものをとりだし、こっちのページからあっちのテキストへと移動しつつおしえることも。市販品はいずれもものたらないし、あと一歩の確認をしたくてもその願いはかなわない。

そこで時間をかけて手づくりする。これはとほうもなくたいへんな作業。学習サポートをはじめた当初は、ある生徒さんのために半年かけて英語や理科のてづくりプリントを作成したことも。手づくりプリントを5分程度いっしょにやったあと、市販品のいちばんやさしいところへ。こうしてじわりと理解をすすめられた。

サポートの方法

 慣れてくるとこうしたこまやかなサポートがだいじなんだなとわかる。こどもたちへの当面サポートすべき部分にかんして手づくり教材を用意する。するとたまると財産になり、支援のひきだしの数と内容を充実できる。

定期試験対策など、市販問題集をひととおりおえた生徒でも、手づくりのポイントをまとめた基本にあたる。全体の外観とポイントをつかめ。あたまのなかで整理整頓する作業(①)にはいる。このプロセスは定期テスト前こそしあげ段階でつかえると気づいてもらえる。これは予想外の成果。

手づくりのよさと限界

 手づくりにはそれなりのよさがあるが、さらに入試となるとそれにプラスしたものが要求される。問題の難易度を5段階にわけると、3段階目以上になると手づくりはだんだんと容易でなくなる。おそらく最大手の出版社でも相当な人数で担当し手間と時間をそこへ費やすと聞く。

5段階のうち5段階目以上、すなわち最難関の問題を解ける実力をやしないたいと相談の生徒。3,4段階目を10分ほど確認したのち、5段階目のごくうすい市販テキスト(解答解説がくわしい)を家庭自習用に、くりかえし解こうと渡した。

最難関でも一歩手前のたいせつさ

 この生徒のようすをみると4,5段階目の要素が弱いとみた。5段階目以降に求められる応用力とはとはどんなものか。それは各単元をまとめて整理できていて適宜ひきだしつつそれらの要素をくみあわせてつかうチカラ。

5段階目を超える実力とは、ここで差がよりもその前段階にこそあるとわたしは思う。つまり前章①の最終確認段階とその一歩手前のあたまのなかでの構築、つまりまとめあげて引き出す作業がじゅうぶんでないとみてとれた。

ここではその確認をべつの類題で。そして新傾向の問題をこの生徒ひとりのために1日3,4時間かけて手づくり。これも半分以上解けるまでにした。苦心の産物だった。それでもなかなかつくる作業はおもしろかった。

ただしひとりでそんなにいつもはつくれない。こうした場面では使用頻度はそう多くないが、わたしたち業者むけテキストがある。市販されていない。の4段階以上限定でしかも多段階をふみつつ、コンパクトにまとめたテキストの好例がある。

おわりに

 さて市販品にもどろう。テキストを書店などでくらべる際のわかりやすい指標とは。

解答・解説集をていねいにつくられたものはたいてい良品。とくに解答は答案のままの記載がのぞましい。解説にその行間で説明。たとえば数学ならば途中式をもれなく記載したもの。生徒が迷うのはそんなところ。式がはぶかれていると導出にとたんに時間をつかってしまう。

こどもたちもじぶんたちでつかいやすい。こうした良品は学校用に多いがなかにはかろうじて市販され入手できるものもある。学校でつかった中古品でよければネットで入手できる。

市販、手づくりのテキストをこちらが個々の生徒の進捗ぐあいをみて、適当な時期にあてがう。するとすこしだけまちがう。これが肝心で多すぎてもよくない。

半分以上まちがうと、解く本人はやる気が必要以上にそがれるし自信にならない。7~8割ほどできる問題ならばつぎの段階にもそろそろというぐらい。まちがいがすくなく、それならば再度、3回目ぐらいでできるように。効率もいい。

こうしてもうすこしくりかえし確認したい要望をかなえてきた。スムーズなサポートが果たせる。

テーマに関連するわたしの記事


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?