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気のせいか、ひさしぶりのこのクニの首都に元気を感じなかった


はじめに

 3年前の昨今の状況の起こる前の東京について。そのとき感じた印象をすなおに記す。あくまでも先入観のある主観にすぎず、悪気はないので東京の方々、気を悪くしないでお読みいただきたい。

十数年ぶりに仕事で上京。依頼先から「旅費は出すが日帰りでお願いします、宿泊はなしで。」とのこと。しごとをふくめて17時間半の行程だが、しかたなく受けた。

10時過ぎに到着。「あれっ、地下鉄も地上も十数年まえよりかなり古くないか?」が第一印象。もちろん目のとどかないところでさまがわりしたのだろうが。ところが帰りまでおなじ印象がつづく。たとえばそれほどたっていないはずの羽田空港ターミナル。清潔ではあるがすでに時間が経っている感じ。

むしろ朝でて夜に舞いもどったわたしの住む街のほうに活気を感じたぐらい。あくまでも主観だが…。十数年のあいだに何が印象を変える要因となったのだろう。

首都のようす

 ひんぱんに出張で東京にむかっていた十数年前はそんなふうに感じなかった。地方からこのクニの首都にたびたび出向くと、いくたびに新しいものに目が向く。もちろん古い施設はそのままだが、ここが変わったんだなと気づく。都会のほうが更新もはやい。思い込みかもしれないがそう感じていた。

ひとときもとどまらずに変化しつづけている。そのなかにたたずんでいるとエネルギーをすいとられていくようできもちわるくなり、ヒトのいない公園をさがしもとめたり、毎回のように疲れ果て宿泊先のベッドに倒れこんだりしていた。都会は10日以上過ごせない体質のようで、なかなか慣れることはなかった。

その進展のスピードはわたしが住む地方とはちがう。それだけにやはり目新しいものに視線がいってしまう。自分の位置づけができないままで不安になってしまう。

都会と地方のさまざまな格差がひろがりはすれども縮まりはしないだろうと思えたし、あたりまえ、しかたないとそのころはとらえていた。

足踏みしている?

 ところがどうだろう。3年前の出張での印象はちがっていた。空港から私鉄を利用したせいだろうか。地下鉄に乗りかえるとその設備はすでに古く、更新はかなり前からされていないかのよう。時が止まったみたい。

スマホをみつめたまま静かに腰かけている乗客たちが、そのすすけた車両や街に溶け込んで人形のよう。もちろんマナーが行きとどいて大声で話すヒトなどいないからだろうけれども。

スマホをみつめていないのはその車両でみわたすとわたしだけ。しかたないのでかわりに車窓から外をながめた。品川あたりの込みいった線路ははがされ、さら地に高層ビルが林立していたが東京ではべつに目あたらしい風景ではない、むしろふつう。ぎっしり建てこんだ高いビルの束に息苦しささえ感じる。まだ新しいはずなのにそう感じない。

さらに進むといつも見てきた都心のながめ。駅のホーム上の看板は時代をかんじさせる。十数年前のままとまり、そのまま古くなったみたい。

地方に分散?

 いくつかの中核市にはどこもいきおいを感じる。いずれも規模はそれほどでなくても新しい産業が生まれつつあるのはそれらの都市かもしれない。地方のデメリットを長年にわたりさまざま経験した分、その課題を糧にして解決を図ろうと努力した結果なのかもしれない。ためていたエネルギーをいまになって放出している印象。

なにも東京が努力を怠ったわけではないし、そのあいだも目立たないところでインフラを維持しつづけているのだろう。むしろ成熟し落ち着いた「古都」になりつつあるのかもしれない。

わたしはもっとためいきのでるほど地方の街の住人だが、中核市での生活ではサービスはそつなく、なんでも手にはいると聞く。都心の過密のデメリットをそれほど感じないで生きられる。東京のかわりに人々をすいよせつつあるのかもしれない。いやすでにそうなっているかも。

場合によっては旧知のネットワークを活用しやすい、コミュニティーがコンパクトでまとまってうごきやすいなど、中核市の働きやすさにつながっているのかもしれない。

おわりに

 東京にはまだまだ元気であってほしい。わたしもこのクニの一員。クニを代表する街だし、なんといっても首都なんだから。

十数年のあいだ働いていたにもかかわらず、しごと内容のせいか東京を訪れなかった。というかさまざまな手法で東京に行かなくてもしごとが完結していた。そんな時代がいつのまにか到来し、「東京の必然性」を無意識のうちにもとめなくなったようだ。

地方に住むひとりのつぶやきにすぎないし、本質をしらない主観だけで記したにすぎない。地方と都会。ほんとうはもちつもたれつの関係なんだろうな、きっと。ぐっとがまんしながら都会の方々は地方をささえてくださっている。

ここに書いた内容に気分を害された方がいらしたらごめんなさい。

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