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1年のあいだにいくたびかにんじんを育てられる おぼえがき


はじめに

 2年前までじぶんで食べる分のにんじんを年間をつうじてつくっていた。種子はにんじんとしてたくさん売るぶんは市販種子をつかい、じぶんでたべるぶんは庭先で自家採種のものを。つくるのにいくつかのコツとだんどりがある。

忘れやすい頭になりつつあるので、一連の作業のコツをメモがわりにのこしておく。

畑をたがやす、畝づくり、元肥

 ごくありふれた五寸にんじんを例に。畑はそれほどふかくたがやしていない。くわがななめにはいるぐらい。苦土石灰か草木灰をうすくまいてからまぜる。

完熟堆肥があるなら1㎡あたりひとにぎりほどをよくまぜておく。畝は低いものでいい。70~80cm幅ならば2条植えにできる。そのあいだに肥料。

元肥は種子をまく条の直下ではなく周囲においたほうが根にいたみがでにくい。種子をまくみぞから10cmほどはなしたみぞに元肥肥料をいれてよくまぜる。根菜なのでカリウムの多めの肥料とする。くれぐれも根に直接肥料があたらないように。


種まき

 数日後、土がおちついたら種まき。雨後の土に水分が多いタイミングがのぞましい。かわいているならばじょうろなどでじゅうぶんに水をまいてから。

種子をすじまきする。やりやすいのはまっすぐのほそい棒をかるくならした土によこむきにおしつけて、1cm弱の深さの溝をつくり、そこへ種子をすじまきする。70~80cm幅ならば2条植えにできる。にんじんは発芽しにくい。なれるまでは若干多めに蒔くほうがそろいやすい。多く芽がでたとして順次まびけばいい。

栽培になれてきてよい種子が入手でき発芽に慣れているならば、まびき作業をほとんどせずにすむ方法。それは3cm 間隔での点まき。これならば多少の苗どうしの競争をさせつつ、まびきの頻度がすくなくてすむ。

種子をまいたあとは籾殻・腐葉土・不綿布などでおおい、土中の種子をかわかさない。にんじんはこれがもっともたいせつ。発芽に成功しさえすれば、のちはまびきと追肥ぐらい。収穫までの山場をこえたといってもよいぐらい。

まびき、追肥、中耕

 まびきは本葉がでるころからはじめ、最低でも5cmほど、できれば7, 8cmあけると根が大きくなりやすい。苗が小さいうちは乾燥によわいので根元を敷きわらでおおうといい。まびいた苗はかおりがよくおいしい。

追肥は粒状の標準的なものならば、本葉が数枚でたころから2, 3週間おき。除草とともに周囲を中耕。根元を腐葉土や敷きわらでおおうと葉の雨による土のはねかえりでいたみにくいし、根がよく生育する。液肥ならば週1回。

根に直接肥料があたるとそこからいたみやすいので、追肥のときには注意する。畑ならば水やりは必要ない。プランターや庭など極端に乾燥しやすいときには敷わらや腐葉土で根元をしっかりおおい、ちいさいうちは適宜水やりする。ちいさな苗を乾燥させない生育により旺盛によい根にそだつ。

収穫のタイミング

 立っていた外側の葉がひろがってくる。同時に根元の直径が3~4cmをこえはじめると収穫できる。

太いものから順次ぬいていく収穫法がのぞましい。冬場ならばけっこうながい期間、土中にそのままおいておける。

それ以外のシーズンははやめに収穫していくほうがきれいでみずみずしい。

病害虫など

 堆肥分などのすくない畑で、温度が高い時期や乾燥がつづくとネコブセンチュウなどが発生しやすくなり、根にまるいつぶつぶが生じ見ぐるしくなりやすい。ながく畑におくのはのぞましくない。根こぶは食べても支障ないがとりのぞいたり洗浄したりにてまがかかる。

センチュウがいったん生じると、駆除は容易でないのでなるべく出現させないように堆肥をしっかりいれたい。薬剤もあるがつかいたくないときには、アフリカンマリーゴールドを育てて刻んで土にまぜておくとしばらく効果がみられる。

あとはアゲハの幼虫に葉を食べられることがある。とくに生育がさかんなやわらかい葉はあっというまに食べられてしまう。蝶が飛びまわる時期は葉をよく観察してはやめにつかまえ対処する。

年に3回つくれる

 冬に、わらか不綿布などでマルチして発芽に成功すると、土が露出する西日本ならば1~2月でも蒔ける。さらに7月、11月頃の3回蒔ける。11月は必要に応じてビニルトンネルで。慣れてくると時無タイプのとう立ちしにくい品種ならば盆の乾燥時期をのぞいて蒔ける。それでもとう立ちする時期がある。

条件がそろい管理をしっかりやるとはじめてでもりっぱな根がそだつ。そしてあじのバランスとかおりのよいものが収穫できる。

自家用で食べるぶんにはセンチュウのでていない畑ならば、種子をつくれる。収穫後にとうだちして花が咲いた苗をせわして種子ができたら、穂をとり風とおしのいい場所でじゅうぶん乾燥させ、種子を採取。

花後しばらくたった時期ならばすぐに蒔いてもよいし、1年以内であれば冷蔵庫の野菜室などに密封して適宜蒔くことができる。多少発芽率が落ちるので注意。にんじんは市販の種子でも発芽率はひくめ。種子に特殊なコーティングをほどこして発芽しやすくするくふうがされている市販品がある。

新品種などとして登録されているものは法律にもとづいて自家採種などの繁殖や配布などを禁じられているので注意が必要。もちろん販売できない。あくまでも自家用。


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