天の川がこんなに美しいとは 20年ちかくほんとうの星空を知らなかった
はじめに 政令都市の街なかに住む天文少年だった。サラリーマンの家に生まれ、社宅アパートの3階ベランダが観測地点。
工場地帯は目と鼻の先。歩いても行けるほど。煌々と夜どおしコンビナートの明かりがともっている。これらの反射により夜空は明るく2等星を見るのがやっと。シャッターを押しっぱなしにしてフィルムに撮影してもバックは暗くなくあかるくぼんやりしている。
そんな世界で見上げつづけた夜空。本当の夜の漆黒の暗さを知ったのはさらに10年近くあとのことだった。
工場地帯の空 こども