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政治家秘書のお仕事〜世間のイメージと実態のギャップ〜

「お仕事は?」
と聞かれて
「政治家の秘書をやっています」
と答えると十中八九
「大変でしょう〜」
とどこか哀れみを含んだ口調で返されます。

私は秘書の前は自営業でしたし、その前は会社員もやっていました。そのため、一般の人たちから見た秘書のイメージも理解しているつもりです。

今回は、一般的なイメージと実際に秘書をやってみた実態に即したギャップについて書いていこうと思います。

世間がイメージする秘書のお仕事

私自身、この業界入る前に持っていた秘書のイメージとは次のようなものでした。

・秘書はパワハラされてる?

「このハゲーーーー!」
「ちーがーうーだーろー!!」

と代議士が秘書に叫んだ事件は何年前だったでしょうか。これも秘書のイメージとしてある種定着してしまった大きな出来事ではないかと思います。この件があったからなのか、その前からなのか、秘書は仕える政治家にパワハラされているイメージがありますよね。
常に叱責されていて、無理難題を吹っかけられるという。かわいそう、大変そうなイメージでした。

・秘書は先生の身代わりに逮捕される?

小沢一郎議員の政治団体陸山会の会計問題で、元秘書であり当時は代議士であった石川知裕氏が逮捕されました。石川氏はその後も知事選や参議選に出馬しましたが、陸山会で逮捕されたという世間のイメージはだいぶ強かったようです。
最近では安倍元首相の桜を見る会の支払いに関しても秘書がやった、と言われていましたし、昭和には何人もの秘書が逮捕や自殺に追い込まれていました。平成以降は減ったのかもしれませんが、秘書とは命懸けの仕事なのだと子どもながらに感じた覚えがあります。

・24時間365日働く?

先生から電話があれば早朝だろうが夜中だろうが受けてすぐに対応。当然休みなんてものはなく、常に臨戦体制で働くのが秘書。めちゃくちゃ有能で仕事ができまくるインテリ戦士。そして頭がいいけどちょっと嫌なやつ。
政治家の秘書ってドラマや映画でそんな描かれ方していますよね?ドラマが先か実態が先かはわかりませんが、世間の秘書像の集大成のような気がします。

・仕事はどぶさらいでもなんでもやる?

秘書は代議士に言われた仕事はなんでもこなさなくてはいけない。答えは「はいかYES」しかない。『ドブ板選挙』なんて言葉がありますが、ドブ掃除まで秘書の仕事に含まれることもるんじゃないかと思ってしまいます。

秘書のお仕事の実態

続いて、前述したイメージに対して、実際働いてみた実態について書いていきます。

・秘書は基本的にはパワハラされていない

これは先生による、としか言えません。西◯大臣や茂◯かんj・・(これ以上は言ったらわかっちゃう)のような方はこだわりが強く、パワハラまがいのこともあるとは聞きます。また、女性代議士のところも対応が難しいとも聞きますね。「このハゲ」事件の代議士も女性でしたよね。

パワハラが起こりやすい関係性としては大物代議士(現役の大臣級または党幹部級)の事務所で働く若手秘書。この場合、仕事のプレッシャーが大きいこともありますが、秘書間でもパワハラは起こります。

一方、第一線を退いた元大物代議士、おじいちゃん代議士は次を育てようという意識があるせいか比較的優しめで勉強になります。また若手で1期目の代議士にはベテラン秘書がつくことも多く、この場合はパワハラしようがありませんね。立場が逆転しているように見えることもあります。

・秘書は先生の身代わりに逮捕されることもある

この件、完全に私の私見でしかありませんが、身代わりではない可能性が高いなと感じています。昭和の時代はわかりませんよ。でも今の時代においては「秘書が勝手にやった」という定番の台詞は額面通りに受け取って問題ないかと。

旧統一教会の祝電を送った送らないの話もありましたが、代議士がわざわざ指示を出しているケースはほとんどないでしょう。事務所の会計についてもそうで、一応代議士の確認を取ることもありますが、名前が売れている忙しい先生ほど事務所任せというケースが多い。

よって、責任ある秘書の判断で実行され、後々それが問題になるケースがあり場合によっては「逮捕」までいきつくのではないかと思います。

秘書になったからわかる、「私は一切知りません」という政治家の言葉は本当だったという真実。

・24時間365日働くわけない

繋がっているTwitterの秘書アカなどでは「夜中に電話」や「土日も出勤」「◯連勤」というワードが見て取れます。
これも仕える代議士によるとしか言えません。西◯大臣なんかはこれに近い状態でしょうし、今話題の長男総理秘書官などもそうでしょう。政府中枢にいる事務所はそりゃ忙しいです。

ただし、他の秘書も同じように忙しいかと言われるとこれも事務所によりけりで。国会事務所に勤務している秘書の多くは国会が閉じている土日祝日は休みのことが多く、一般の公務員と似た勤務体系

地元秘書はというと、代議士が帰ってくる土日中心の仕事になり、平日に休むパターン。ただ、平日休みは事務所によっては取りにくく、年間休日100日取れれば良い方。年間休日50日以下という秘書も中にはいます。

・嫌な仕事は当然断るが、これ秘書の仕事?というものもある

さすがの代議士もあまりに変な仕事を依頼することはありませんし、嫌な仕事やこれやる意味ある?というものに関しては断るまたは諌めます。それは代議士との信頼関係の程度によって言える範囲も変わってきます。

私自身が経験したこれ秘書の仕事か?と思うものに関しては、
代議士のワイシャツ(使用済み)をクリーニングに出す
出したクリーニングを引き取る
家の前の除雪
代議士の子どもの習い事の送迎
代議士のお買い物(趣味)への送迎

など、です。

まぁ、こういうものもできる範囲で対応するのも秘書のお仕事です。

まとめ

秘書のイメージと実態、ギャップはありましたでしょうか?それとも想定の範囲内?私自身、外から見ているだけでなく実際にやってみたからこそわかることもたくさんありました。

そんな秘書の実態をこれからも淡々と書いていきたいと考えていますので是非是非フォロー、いいねよろしくお願いします。

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