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ギフトスケジューラー、BeeNii(ビーニー)の開発背景(哲学や意義)

BeeNiiの開発背景(哲学や意義)です。

何となくニーズありそうだからというわけではなくて、基本的にお客様の声をうけて(拾って)構想し、開発しています。

2022年の当初に、社内の有志メンバーで新しいプロダクト/サービスをつくってみようと、週に一度メンバーで集まってミーティングを重ねていました。新しいサービス/プロダクトが生まれればもちろんいいのですが、半分は、サービスやプロダクトの開発の考え方を社内で共有していくのも目的でした。

そこで、「社員の誕生日に届けるのはどうだろうかと」いう発想のもと、ギフトのオプションサービスの一環で「誕生日便」なるものをリリースしたわけです。(もともと当社は地域産品のカタログギフトを開発しております)jこれは、新しい届け方の提案として、受け取る人が最も嬉しいと思う瞬間に届けるのはどうでしょうかという提案でした。

通常、企業がギフトを利用する際には、一括で企業に届けて、そこで配るが一般的で、運用面でも、一括で届ける方が容易です。もちろんそれでもいいわけですが、もしかしたらお渡しするタイミングをパーソナライズドしたら、もっと喜んでもらえるのではないのか、同じギフトでも意味が増すのではないかと。

とはいえ、運用面で考えると、非常に大変でもあります。極端な話、52人の従業員の誕生日が毎週にわたっていれば、1つずつ52回発送処理をする必要があります。途中で何らかの事情で退職した場合は、キャンセルも発生します(同様に新しく加入する仲間がいたら1つ増える)。

誕生日便のギフト

そんな大変さも予想できたわけですが、もともとギフト1つから受注して発送していたわけで、何とかなるだろうとスタートしました。

この誕生日便、蓋を開けてみると、なんと全く問い合わせがありません。。。もちろん認知自体が少ないのも大きな理由なわけですが、とにかく反響はありません。あらぁ、、、と思いつつ数ヶ月が経つと、ちょこちょこ検索して問い合わせを下さる企業さんが現れました。話を聞くと、かなりいろんなところを検索した結果辿りついてくれたとのこと。

正直な話、うちのカタログギフトではなく、誕生日に配送してくれるサービスに強く興味を持ってくれての問い合わせでした。探している理由としては、従業員のエンゲージを高めたいというわかりやすいニーズです。こんな問い合わせがちょこちょこ出てきまして。「もしかしたら、こういう運用にニーズあるのかも、、、」と思い始めたわけです。

こんなニーズを経営者の友人に話してみると、以下のような話が出てきました。

「誕生日に一言声をかけたいけど、全員に声をかけないといけなくなりそうでやれない。きっと忘れてしまう人がいる」
「規模が小さかった頃は、誰かの誕生日にみんなでご飯食べに行ってたけど、それも難しくなってきた」
「入社1周年などで声をかけたいが、気づいた時にはタイミングを逸している。」
などなど。結構な割合で、従業員の誕生日や入社○周年を気にしている経営者は多かったです。

まぁ、自分の近くにいる経営者に話を聞いたところでそれが全てではないですが、なんか筋は悪くなさそうだなと。

話を聞いていると、人材不足時代に社員のエンゲージを高めたいと捉えることもできるんですが、そればかりではなくて、人と人の付き合いだったものが、経営者と社員の関係だけになっていくある種の寂しさも感じたりもしました。会社の規模が大きくなったり、拠点が増えていくと、どうしても全員とゆっくりと会話はできなくなっていきます。仕事だけの関係ではなくて、アナログの関係を首の皮一枚でも繋いでおきたいという思いがあるのではと。

BeeNiiは確かに便利&効率的にするサービスではあるのですが、その意義は、人と人の関係を便利&効率的な関係だけにはしまいとする”あがき”なのではないかと。これは自分自身が経営者であり、抱えていたけど、なかなか言葉にできない解消できない葛藤や悩みを和らげてくれるサービスなのかもしれない。

自分の中でサービスを展開する意義がむくむくと育ってきました。とはいえ、だからといって無邪気にサービスを開発するわけにもいきません。このサービスの収益性や、うちならではの強み(差別化要因)など事業としての経済合理性も当たり前ですが考える必要があります。(そこは別の記事に譲るとします)

当社は「待てる社会」を目指しています。企業と従業員、企業と顧客の関係性が機能的なものだけになることに抗うのは、「待てる社会」に近づきそうです。はからずもコロナ禍のリモートワークを通じて、何となく社員が集まることも見直されている時代です。企業と従業員、企業と顧客の関係が機能的になりすぎない価値も共有できそうです。

事業やサービスは経済合理性と合わせて哲学や意義も大事にしています。まだまだうまく言葉にできていませんが、このような哲学や意義を見出せました。ちょっと真剣に考えてみようと思ったわけです。

BeeNiiのランディングページです。従業員の誕生日にギフトを贈るにフォーカスしています。


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