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初めて知った「抱っこ紐外し」の衝撃と蔓延する不寛容

抱っこ紐外しって・・・何?

今日、Twitterで「抱っこ紐外し」に関する記事を見つけました。

抱っこ紐を、見ず知らずの人が外してしまうということが起きているようです。

私は子供はいないので、あまり情報として目に触れることがなかったのかもしれませんが、初めて聞く内容でした。

それにしても衝撃です。

泣きわめく赤ちゃんにイライラしたのでしょうか、紐を外して赤ちゃんが落ちてしまえば大惨事です。

記事を見てみると、単発の事件ではなくて、以前からも抱っこ紐外しは発生しており、対策を紹介するような記事もあるほどでした。

それをする人の心理って?

心理学専門家の方の、抱っこ紐外しをする人の心理状況についての分析は以下の通りです。

犯罪の直接的な引き金としては、目の前に起こるイラっとするような怒りの感情に起因しますが、背景には孤独感や虚しさ、不遇感を募らせています。

意外なことはなく、想像通りの理由ですが、それにしてもこれは嫌がらせではなく犯罪レベルです。

小さなお子さんを持つ親の肩身が狭い現状は知っていましたが、ここまでくると恐怖を感じます。

日本に蔓延する不寛容

以前から、混雑する電車にベビーカーと一緒に乗り入れたお母さんが舌打ちされたり、迷惑そうな視線を受けたりすることはニュースになっていました。

余裕の無さからくる不寛容が社会に蔓延していると感じます。

高い常識レベルを持つのは素晴らしいことですが、

自分がちゃんとしているのだから、他人もあまねくこうあるべきという概念が強すぎる結果、ギスギスとした過ごしにくい社会になってしまっています。

公共の場所でもお互いに気持ちよく過ごせるための、ルールであり常識であるはずですが、逆に締め付けあって息苦しくなっています。

中国で見たおばさんの対応と私の反省

このように書いている私自身、不寛容社会の構成員の一人になっていた可能性は否定できません。

よく、この類のニュースを見聞するたびに中国での出来事を思い出します。

私は以前、仕事で中国に7年半ほど赴任していましたが、赤ちゃんを連れているお母さんと、周りの反応は日本とは対照的でした。

中国の都市は、基本的にどこに行っても混んでいます。

バスや電車、飛行機の中で、小さい子を連れている親御さんを見ることはよくあります。

ある日、混雑したバスに乗っていると、小さい子供を連れたお母さんが友人と思われる人と一緒に乗車してきました。

小さい子供は混んでいる中で、大きな声で何か言っています。

お母さんは、気にする様子もなくお友達と笑いながら話しています。(その声量も小さくはありません)

子供は、混んでいる車内を行ったり来たりしはじめました。

お母さんは相変わらず気に留める様子はありません。

正直、私はイライラしていました。

なんで親は何も言わないのか?というこの点においてイライラしていたのです。

しかし、他の乗客はあまり気にする様子もありません。

一人のおばさんが、お母さんの所に近づいていくのが見えました。

注意するのかと思って見ていたら、ニコニコ笑いながら、話し始めました。

中国語なので、詳しくはわかりませんでしたが、子供のことを楽しそうに話しているようでした。

すると、近くにいたおじさんも話に加わり、和気あいあいとした会話になっていました。

この時私は、今の自分の感覚こそ日本人の特徴そのまんまだと自覚したのでした。

そして自分自身も、息苦しい社会の構成員だったことを反省しました。

今度やってみようかと思っていること

混雑した車内に申し訳なさそうに入ってきて、子供が泣いたり騒いだりするたびに「すみません、すみません」というお母さん。

そうしないと、周りをもっとイライラさせることになるので、肩身が狭くなるのも頷けます。

お互いがピリピリしている状況です。

こんな時、誰かが一言でも言葉をかけてあげたら、その場の雰囲気は少し変わるのかなとも思います。

他人事として見ると、迷惑に思えるようなことでも、話してみると、完全な他人事ではなくなるから不思議です。

そんな輪が広がれば、ピリピリした空気も少しは緩和するかもしれません。

中国で見たおばさんの行動を真似してみると意外と効果があることに気づきました。

別の時に、ちょっとうるさいな、と思った際、思い切って、

「何歳ですか?」

とニコッと笑って聞いてみました。

話して外国人だとわかったのでしょう。「どこの国の人?」と逆に聞かれて、会話しているうちに、イライラするような感情は消えていました。

周りの雰囲気も、おそらく和やかなものだったと思います。

日本では(特に都心)、知らない人と話すことは危険だと言われて育ったため、話す方も話しかけられる方も、いきなり車内で会話するという土台ができていないことがほとんどです。

お子さん何歳ですか?と聞いたら、「個人情報」を聞かれたと思われ、嫌な気分にさせてしまうかもしれません。

確かに犯罪や厄介なことに巻き込まれる可能性もあるため、知らない人に対しての警戒感は持っておくべきでしょう。

海外では外国人であることを生かして、「陽気で好奇心のある外国人」という設定でズケズケと話しに入っていけましたが、日本では話しかけるのも勇気がいりそうです。

こんな迷いもありますが、話をスタートさせることで、その場の空気も少し変わることを実感できるかもしれません。

そうなればみんなにとって良いはずです。

今度そのような状況になったら、話しかけてみようと思います。

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

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