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「100点取ったら、お小遣いをあげる」は、間違っている
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「100点取ったら、お小遣いをあげる」は、間違っている
報酬や罰といったインセンティブは、人の行動に強い影響を与える。
中でもお金によるインセンティブは影響が強い。私たちは、お金がもらえるなら、少々嫌な仕事も受け入れ、罰金を払うくらいなら、ルールを守るからだ。
ただ、インセンティブは、使い方によっては、物事の目的を大きく歪ませてしまう。
例えば、親は、勉強しない子供に対して、やる気を出させようと、インセンティブを設定する、
・テストで80点以上取れば、お小遣いを上げる
・次も赤点を取れば、携帯電話没収する
インセンティブによって、子供は、以前より勉強するかもしれない。しかし、行動自体は勉強をしていても、勉強する目的は、親が本来望むものとは、異なる。
学校における勉強は、インセンティブのためではなく、社会に出るための基礎学力をつけることが目的だ。しかし、一旦インセンティブを与えられてしまうと、本来の目的は、消え、お小遣いや罰への回避という目的に向かって実施することになる。
もちろんインセンティブで動機付けすることの全てが、悪ではない。
それがきっかけで物事が良い結果に運ぶこともある。仮に、この子どもが、お金目当てで勉強したとしても、その結果、勉強の楽しさに気が付けば、それは「きっかけ」として有効だったと言えるからだ。
しかし、勉強する目的がお金目当て以外何ものでもないとすれば、子供は、お小遣いが出ないテストを勉強できるだろうか?
正しい行いは、正しい目的とセットでなければ、行動しても本来の意味として機能しない。
お金目当ての結婚、就職活動の試験のためのボランティア活動など、インセンティブを設定し、一度でも打算的な目的に成り下がってしまうと、本来の行動の意味へ戻ることは難しいのだ。
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