24. いつか見た夢の話。

いい加減タイトルと全く関係ない話をし続けるのも滑ってる気がしてきたから、タイトルに書いたとおりのお話をするよ。

コロナで10日間自宅隔離になって、1日15時間くらい睡眠の毎日を送って、異常に夢を見た。というか、むしろ最近全然夢見てないなって気づいた。夢ってレム睡眠、つまりそんなに眠りが深くない時に見るらしいんだよね。最近天と地がひっくり返るような毎日で、眠りの密度が高すぎたから、多分夢見る余裕が全然なかったみたい。

んで、ひたすら寝続けた結果、眠りが浅くなって夢を秋の三陸沖サンマ漁くらい見てるわけなんだけど。

昔から、あんまり突拍子もないようなぶっ飛んだ夢は見ない。もちろん、起こってる出来事は余裕で脈絡もクソもないんだけど、変に現実的な部分が結構あるっていうか。普通に生きてたら絶対そんなこと起きないんだけど、人生における2択で全部おかしな方向を選んだらギリ辿り着くんじゃないかくらいのラインの出来事が、結構起こる。

そうだな、強盗が家に押しかけてきて、なぜかそれを中学の友達が教えてくれて、で、ベッドが高速移動して、その下に隠れてた父親が刺殺されるっていう。いや、こんなことどの2択でミスっても起こらんか。この前は幼稚園の教頭先生が僕の母親の死を狂ったように喜んでて、それを祖母が飛び蹴りしてた。うん、やっぱこんなの現実的じゃなかったわ。学校でリアル鬼ごっこする夢もよく見たな。これ、全国夢あるあるだと思うんだけど、中学校にいたはずが、階段を降りたらいきなり高校になってたり、全然知らない、ドラマでしか見たことないような学校になってたりするんだよね。小学校の保健室に高校の先生いたりするから面白い。まあ、結局鬼に追いつかれて殺される所で目が覚めるんだけど。


そうそう、見た夢を忘れないうちにメモしておく人とか結構いるみたいね。考えたこともなかった。去年の誕生日前夜、とっても幸せな夢を見て、人生で初めて「これはどこかに書き残しておかなくちゃ」って思って咄嗟に寝起きでスマホにメモした。本当は、その夢の続きが見たくて、もっと寝てたかったけど。まあ、一回起きちゃったのにまたその夢の続きが見れた試しなんかないからね。このnoteを書くにあたって、その存在を思い出して。半年ぶりに見てみたよ。もちろん、ありとあらゆる世界が崩壊してた。1人でも面白い友達が大量発生してたり、超絶田舎のローカル駅にガチガチのホームドアがあったり。それは普通に面白いんだけど、なんだろう、「素晴らしい夢」として記憶してた夢が、言うほど素晴らしくなかったっていうか。いや、めっちゃ良いこと起こってるんだけど、なんか夢を見た時に感じたあの煌めきみたいなのをあんまり感じなかったんだよね。人間が本能的に忘れてしまうものは、そのまま忘れてしまうのが正しいのかもしれない。



















どうして、夢を見るんだろう。







夢は、後悔の裏返し。








あんまり掘り下げるのも癪に触るし、変な匂わせ方するのも創作みたいだからやめとくけど、とっても大好きな人がいてね。でも、その人の顔を、360度、全ての角度から見れたことは、一度もないんだ。さっき言ってた幸せな夢、その人が出てくるんだけど、今振り返ってみると、その人の姿は、どこか不明瞭で、顔もまともに見せてくれないし、声もちゃんと聴かせてくれなかった。


夢は、寧ろ僕に、ありのままの、苦しい現実を見せてるのかもしれない。


本当に見せて欲しいものを、夢は見せてくれない。


でも、夢だったら叶いそうな気がしちゃって。


だから、どうしようもなく平凡な現実が、虚しくなって。


瞬間移動しても、タイムスリップしても、自分は狂おしいほど自分のままで。


叶わなかった夢を、夢が叶えてくれるなんて。


その幸せと、結局叶わないっていう絶望。


小さい頃、飛行機で海外に行く、あの高揚感が、忘れられなかった。


だから、空港の夢を、よく観た。


でも、飛行機に乗れたことは、一回もない。


狂おしいほど奇想天外であり、それでも狂おしいほど現実的な、そんな世界が、むしろ良いのかもしれない。


身の丈に合った世界。


昔、テレビか何かで、夢ってのはどこか別の次元の世界の物語だって聞いたことがある。


あっちの世界の人たちは、僕らの夢を見るのかな。





今日はちょっと早く寝よう。




良い夢を、見るために。

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