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【シナリオ】この恋

 登場人物
  今井小五郎 さえない武士
 
  おりょう 小五郎に愛をよせてる、茶屋で働く

  助治 小五郎の相棒

 
  雨の降る、ある日。
  小五郎、茶屋に寄る。
小五郎「おりょう、お茶を出してくれないか」
おりょう「はい!」
  おりょう、小五郎にお茶とだんごを出す。
小五郎「雨はやまぬものか」
おりょう「先ほどまで、晴れてたのに」
小五郎「失礼かもしれんが、おりょうは恋をしたことがあるかね?」
おりょう「ふふふ」
小五郎「何がおかしい」
おりょう「気になる人はいますよ」
小五郎「どなたじゃ」
おりょう「すぐそばにいるじゃありませんか」
小五郎「ワシのことか?」
  おりょう、コクリとうなずく。
小五郎「ワシは、身分が低い。武士とて、さえない武士だ。そのような人をなぜ好きになれるのかね?」
おりょう「いつも、この茶屋に来てくれる。小五郎さんを一目見たときから好きで」
小五郎「よろしい。今日は、茶屋をしめたまえ。ワシの家に来い」
おりょう「はい、分かりました」
  小五郎はおりょうとともに、うちへ帰る。
小五郎「狭い家だが、さぁ入りたまえ」
おりょう「はい。うわぁ、刀がたくさん」
小五郎「おりょう、実はワシも一目見たとき、お前を気になっていた」
おりょう「小五郎さん・・・」
  小五郎とおりょう、キスを交わす。そのとき、扉がガラーっと開いて、助治登場。
助治「あれ、これはいけない場面に遭遇した。失礼する」
小五郎「こら、待て、助治」
助治「へい。キスしてるところ、申し訳ありません。敵がすぐそこにいます。なんでも小五郎さんを斬りたいとか」
小五郎「分かった」
  小五郎、刀を持つ。
おりょう「待って、小五郎さん」
小五郎「大丈夫だ。ここで待っておれ」
  おりょう、涙を流す。
  チャキン、チャキン、外で斬りあう音が聞こえる。
  ズバー。誰かが倒れた音がする。
  おりょう、外に出る。
おりょう「小五郎さん、小五郎さん」
  小五郎、死す。

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