日記:オランダで安易に寄付をするとこうなる。
このところ家計の見直しをしている。
時期的に光熱費の年間使用料を精算する時期であり、また引越しも控えているので、各種プロバイダーや保険の見直しもする予定。そして、そのついでに「寄付金」についても整理することにした。
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オランダは寄付の文化が庶民レベルで根付いている国だと思う。素晴らしいことだ。街角でもお揃いのジャンパーを着た若い慈善団体のスタッフが寄付の勧誘に精を出すのをよく見かけるし、電話もちょいちょいかかってくるし、更には自宅のドアベルを鳴らしてくる直撃タイプの募金活動も盛んだ。
だいたい家族が揃う夕飯の時間帯を狙ってやってくることが多い。
直撃とか、狙うとか、ネガティブなニュアンスを醸し出してしまったけれど、こうした勧誘スタッフはトレーニングを受けているのか、礼儀正しく、好感が持てるタイプの人が多い。
代表する慈善団体の意義を熱く語ってくれて、こちらが寄付をすることで、
どれだけ助かる人がいたり、環境が良くなるかなどを事細かに説明してくれる(大変に忍耐強く話し相手をしてくれるので、語学練習の会話パートナーとして最高だろう)。そうした前段を経て本題は、募金額の話しへと至る。「募金する額は自由に選べますが、できればワンオフではなく、持続的なサポートをして欲しいんです」、と仰る。
「20ユーロ、いや、10ユーロでもいいから、毎月定額でサポートして欲しい。持続的なサポートがあれば、こうした募金活動ではなく、本来の目的に集中できるんです」、と。
ここまでで、話しはじめから軽く5分。
一度話しを聞き始めてしまったら、もう簡単にはクロージングできない。私なんかのやんわりとした断り方では容易に引き下がってくれるはずもなく、結局、毎月の定額寄付に合意すること、今や合計5団体。
(要は、前段のやり取りを夫婦合わせて計5回やった)
それぞれに寄付したお金は有意義な形で使われるのだし、一団体あたりの寄付額も、5ユーロから25ユーロ(月額)、大騒ぎするほどの額でもない。
でも、年間にすると約600ユーロ、日本円で8万円ぐらい。
惰性で払うにはちょっと無視できない額だ。
と言うことで、一度仕切り直すことにした。
積極的に寄付したいと思わない団体については、
一旦、寄付は打ち切ろう!!
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はて、寄付の打ち切りはどうしたら良いのか。
寄付に同意した時にはだいたい「やめたくなったらいつでも簡単にストップできますよ」と言われるのだが(そりゃ、そう言うわな)、改めて手続きをしようとすると、言うほど簡単では無いことに気づく。
ネットで受け付けている団体もあるけれど、「電話」での受付、ってのも少なくない。仕方ないから、電話番号を調べて電話をする。
もちろん、通話はオランダ語である。
プルルル、プルル・・・しばらく待つこと、繋がる。
相手:「もしもし、本日はどうしたご用件で?」
私 :「あの、寄付をストップしたいんです」
相手:「なるほど。これまで支援をしてくださっていたんですね、
ありがとうございます。今回はそれを打ち切りたいと。
どういった理由でしょうか?」
私 :「え〜と、家計の事情です。」
相手:「なるほど、コロナは私たちの経済活動に大打撃を食らわしましたか
らね。でも、そんな時だからこそサポートが必要な人がいるんで
す。あなたの10ユーロが、例えば○○に住む子ども達の食事○日分
に当たります。」
私 :「それは、私も協力したい気持ちはあるんですが、
わが家はすでに5つも慈善団体に毎月寄付しているんです。
全ての活動に関わることはできません。」
相手:「なるほど、そうしましたら、これでどうでしょう。
毎月5ユーロ、いえ、3ユーロでも結構です。
その毎月3ユーロがあれば、・・・・(以下同文)」
私 :「・・・分かりました。
そしたら来月からは月額3ユーロに変更してください。」
相手:「かしこまりました、ご理解ありがとうございます!
では、良い1日を!」
読んでの通り、また丸め込まれてしまった。
相手からした楽勝だろうよ・・。ザ、敗北感。
と同時に「いや、7ユーロ下げたんだから悪くないじゃん」と言う、ほのかな達成感もある。もうこうなると、寄付がうんぬんと言う話しではない。
何かの攻略ゲームをやっている感覚になってくる。
暇人か。
ちなみにもう一団体については、ネットでの解除が可能で、すんなりと手続きが済んだ。残りはもう1つだ。そこは電話しなければならない。気が重い。とりあえず疲れたので、次の電話は気持ちを立て直して来週に繰り越すことにした。
なんか、しょうもない日記になった。
とりあえず、オランダで寄付をする時には打ち切るのが大変だから、よくよく考えて本当に納得できる団体のみにしたほうが良い。(当たり前か)
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