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地底人 その3 “1秒間だけホログラム解除”

靖国神社の南門を出て、『大妻通り』を進む“奇妙な人?“(映画『マトリックス』に出てくるキアヌ・リーヴスを真似た“美輪明宏さん“という感じがする方)の後を追って付いて行ったのですが、着いた先というのが『千鳥ヶ淵戦没者墓苑』の緑道でした。その方は緑道を進み、『北の丸公園』を見渡すことのできる場所まで来ると、いきなり立ち止まり「ここで良いでしょう。ここは平日の昼間であれば、来る人がほとんどいませんから」と言ったのです。

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確かに平日の昼間、『千鳥ヶ淵戦没者墓苑』に来るような物数奇は希でしょうし、休むとしたら炎天下の緑道よりも周回道路に駐めた車の中で、エアコンをかけて休んだ方がましでしょうから。そう考えると、誰も好き好んで来る人はいないように思えてきて、人を避けるのであれば、絶好の場所であるように思えてきました。

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でも、何のためにここまで来たのか?話をするだけであれば、何もここまで来る必要はありませんし、出来るならエアコンの効いた喫茶店の方が良いのに、なぜここに連れて来られたのか?という疑問が湧いて来ました。その思いを察したかのように、その方は「今から1秒間だけホログラムを解除します。私の本当の姿を見せますので、瞬きして見逃さないようにしてくださいね」と言って、「3、2、1」とカウントダウンしたのです。​

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そしてその後、本当に1秒間だけその方の姿が変化したのです。その姿はまさしく“恐竜”で、今でもハッキリ覚えています。どちらかと言えばティラノサウルスに近いように思えたのですが、俊敏な印象からアメリカ版の初代のゴジラに似ているようにも感じられました。いずれも肉食恐竜なのですが、本人曰く「私はベジタリアンなので、あなたを襲うようなことはありません。どうぞご安心ください」とのことでした。

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私は恐る恐るその方に質問しました。「あなたはいったい何者なのですか?」と。

そうしたらその方は事も無げに「私はあなた方の表現を使えば地底人ということになります。正確には6,500万年前に隕石とその影響で噴火した火山を避けて生き延びるため、地下に潜った草食恐竜の末裔ですよ」と言ったのです。

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