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○○する手が止まらなくなった

慈子(あいこ)です。

チヤホヤ要員釣りをしている間に
10歳年下の八木尾くんとのことで
起ったことを書きたいと思います。

もうダメだと気持ちが決まっていたとはいえ

正直
すぐにスパッと
もういい、という気持ちにはなっていませんでした。

だからなんとも思わなくなるまで自然に任せようよと。

そうなるための釣りでもあります。

で、八木尾くんはというと
今年の2月くらいまでいつものように
カフェに顔を出し
話はしていたんですが

3月頃からなんとなくカフェへ来る回数が減ってきたんです。

理由は彼のSNSで知りましたが
俳優の仕事のほかにバイトを始めたらしくて
忙しいようでした。

さらに舞台の仕事も急に入ったというのも目にして

「忙しいのか、顔を見なくなれば少しずつ忘れられるかな」と
少しほっとした気持ちでいたんですが。

で、なんとなく彼が出演する予定の舞台の劇団を知って
そこのSNSを見てみました。

するとそこには女性たちに囲まれて
素敵な笑顔をしている八木尾くんのオフショットがありました。


その劇団、女性しかいないんです。

へー‥

楽しそうね。

お腹の方から何かムクムク湧いてくるものがありながらも
私はその劇団の投稿をスクロールする手が止まらなくなりました。

そして
手が止まった時には
心臓がグシャアと握り潰されるような感覚に陥っていました。

八木尾くんが女性に思い切り
抱きつかれている画像がそこにはありました。


‥うん
演技、演技。
お芝居。
仕事、、、、、


ぐえああああああああ!!!!!
なんで抱きつかれてるんじゃあああああ!!!!!

冷静になろうとしましたが
嫉妬で狂ってしまいました。

わかってます。
別に私彼女でもなんでもないし
もう二人の進展がないのはわかってる。

わかってる。
嫉妬する立場じゃないのもわかってる。

けど
私はもう簡単に彼に触れられないのに
どうしてこんなわけわかんねー女が簡単に
八木尾くんに抱きついてんの!?

ヤダヤダヤダ!!!!

で、八木尾くんも
なんで楽しそうにそこにいるの?
私を好きだったんだよね?
え?もう私のことどうでもいいの!??

勝手な気持ちが溢れて止まりません。
私は私で釣りとかしてるのに
めちゃくちゃ理不尽にキレてるのもわかってるんですが‥

「‥マジで気持ち悪いんですけど。
こんな仕事してる人無理だわ!!
しかもなんかイケテナイ劇団の女たちに囲まれて
嬉しそうにして!!!」

もういい。
八木尾くんとはどうなっても
仕事は応援しようと思ってたけど
無理。

ぜってーこんな舞台
観に行ってやんないからな!?

そう思って
やっと劇団のSNSを閉じました。

ああ、でもこれで踏ん切りがつく。
うん‥
彼はもう新しい道を歩んでるんだ。

嫉妬の怒りをそういう方向に向けないと
どうにもならなかったんです。

そして私はたまにあの画像を思い出しては
ムカムカししつつ
でも日常を送っていました。
彼もカフェにこない。

これはこれで平和だ。

そう思っていたある日
友人とチェーン店のドーナツ屋さんで
お茶をしていた時のことです。


「そういや八木尾くん舞台でるね。行くんでしょ?」
私と八木尾くんのことを知っている友人はそう言いました。

「‥いかなよ。」
「なんで?」

私は行きたくない経緯を友人に話しました。
「カフェにだってもう来なくなったし
私に興味ないんだよ!それにあんな抱きつくシーンのあるかもしれない
舞台なんか見たくないよ」


「えー?仕事じゃん!嫉妬するとこじゃないでしょ!
忙しくてカフェに行けないだけでしょー」

そうなのかな、、、

私、冷静じゃなくなってたから
もしかして
考えすぎ?
いや、でもこれを機に離れた方がいいと思ったし‥

友人の言葉でまた気持ちが揺れ出したんです。

そんな状態の私の目に
追い討ちをかけることが起きました。

目の前を八木尾くんが通っていたんです。

「え!?」

このタインミグで!?
友人も驚いて「ちょっと、こんな話していて本人登場って
どんだけご縁があるのよ!!!」

八木尾くんはレジに並び
コーヒーを持って席に座りました。
私たちに気づいていません。


「ほら、慈子!声かけといで!!」

友人に背中を押され
「確かに、声かけないのもおかしいしなあ、、」
そう思って
声をかけたのでした。

「八木尾くん」

八木尾くんは振り返り

「…慈子さん!?」
とものすごく驚いた表情をしたのでした。

続く
☆☆

慈子(あいこ)

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