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慈子です。

前回の続きです。

八木尾くんの舞台までの2週間ほど
SNSで自撮りを上げる釣りも欠かさず

この時の釣り果といえば
アカウント立ち上げて間もなかったので
いいねが100ほどついてるくらい。

その前に自分から色んな人にいいねしたり
フォローしたりしていたので
相互的な感じかなあ、というイメージ。

たまにコメントで
「素敵ですね!」とはついてましたが
釣れた、という感じではない。

でも悪くはないかなあという印象。
でもダイレクトメッセージは頻繁にきていました。

ただ、ロマンス詐欺笑

この辺もまた追々書くとして。

そんなこんなで

いよいよ当日になりました。

友人と待ち合わせして
お花を持参して…

劇場は200人ほど入る会場。
人はまばらで
大盛況!というには程遠い客入りでした。

八木尾くんが単体でやっていた舞台の方が沢山人が入っていたので
不思議な感じ。
劇団だから人数多いし
もっと人呼べるんじゃないかな?と単純に思いました。

まあ、それはいいとして

友人が先に客席を選んで
「慈子はここ!」と
最前列のど真ん中を指さしました。

ここ!?
いやー…気合入ってるって思われちゃうなあ…
渋々座りましたが…


席に着くと一気に緊張してきてしまいました。

ヤキモチ妬く内容ではないという
八木尾くん。
でも、なんとなく最近避けられてたかもしれない
という思い。

どんな顔で舞台を見ていたらいいんだろう。

…でも、そうだよね
役者さんだもん。
一生懸命今日の日までで練習してきたんだよね。


私はただ、今はファンとして
八木尾くんの演技を楽しめばいいよね。

それが一番なんだ。

そう思って気持ちが落ち着いてきたところに
開演しました。


始まってみると
ちょっとSFの入ったコメディのような物語。

登場人物が次々と現れ

そのたび八木尾くんが出てくるかと
ドキドキしてる自分がいました。

そしてとうとう現れた。

八木尾くんの役は
プレイボーイのようなキャラでした。

出てくるなり
下ネタのセリフ、、、

さらに女優さんに股間を凝視されるシーンがあり、、
(今日も女の子に手を出してきてないわよね!?と言われながら)

…おい!!股間見るなよ!!!

私は心の中で大きく突っ込みました。
それと同時に嫌な予感が足元からゾワゾワと
感じてきたんです。

話が展開していくと
あの、八木尾くんに抱きついていた画像の
女優さんが登場しました。

私が狂ってしまった原因の元カノ役!!

…出てくるなり
八木尾くんに腕を絡ませ

(心臓がドクン)

「大好き!!」と連呼して抱きつき

(心臓がぎゅーーーー!)

八木尾くんの顔を撫でまわし

(冷や汗)

しまいに
唇を指でなぞるというシーンまで!!

(白目)

八木尾くんの立ち位置としては
モテモテで
女性に奪い合いされてるモテ男。




おい八木尾

お前

ただのコメディって言ったよな?


ラブコメだろうがーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!


もう、殺意が湧いてました。

なんか、
全てに。

劇中、元カノ役の女優さんが
八木尾くんに復縁を迫り
カッターを振り回すシーンがありました。

奪い取って
私が振り回そうか?

あんたより今の私の方が
怪演できるよ。

ゲスト出演でーーす!!
とか言って
劇場を血の海に。

明日のトップニュースだろうな。


そんな妄想までして
怒りのボルテージマックス。


終わるまで地獄。
なんの仕打ちなんだろう?

ヤキモチ妬かない内容って言ったよね??

私がこれ見ても
ヤキモチ妬かないと思ったの??

なんで??
過去にもっと些細なことでも
私はヤキモチ妬いて

八木尾くんなだめてくれたよね?

どういうつもり?

私は頭が痛くなりました。


そして舞台が終わると同時に
友人に早くこの場を去りたいと伝え

ダッシュで出口まで行きました。

八木尾くんの顔見たくない!

怒りでどうにかなりそう!!

しかしすでに入り口には
出演者が勢揃いしていました

うわーーーー!!!
やだよーーー会いたくないよーーー!!

でもそこを通らないと帰れません。

後ろから客が押し寄せ
仕方なく通ると
一際背が大きな八木尾くんは

私を見つけ
「あっ」と言いました。


目があった私は
気持ちの切り替えができなくて

冷たい視線を向けたまま

軽く頭を下げ
小走りで通り抜けてしまいました

あ‥やった。
冷たい態度とっちゃった。


だって無理だもん。
今すっごく怒りに満ちているから。

終わりだ。
全て終わり。

八木尾くんは
私の気持ちを配慮する気なんてないんだ。

ヤキモチ妬かせたかったの?
…いや、私のことなんて

どうでもいいんだ


嫉妬に狂った私と

そこにもう一人の私


もう八木尾くんの

特別ではない私。



続く
☆☆
慈子

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