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【高校野球中継】NHKと民放の違い


NHKと民放
高校野球中継における最大の違い。

それは
「コマーシャルがあるか否か」である。


NHKの場合はコマーシャルがないが、民放の場合はイニング間にコマーシャルが入る。

そうなると民放の実況アナに求められるのが

「CM振り」である。


要するに、

そのイニング、表裏がどのような展開だったか

をコンパクトにまとめなければならない。


一番シンプルなのが

「◯回の表終了、◯対◯です。」

これが最低限必要な情報。

ただこれだけだと面白味がない。


そこで、どんなフレーズがあるとCM振りの内容が豊かになるか考察してみた。


例えば得点圏にランナーが進んだが、結果点数は入らなかった場合。

ここでポイントとなるのが目線である。

①両チームフラット
②攻撃目線
③守備目線

この3パターンの使い分けを見ていこう。

①両チームフラット
・試合がまだ序盤
・試合が均衡している
・点差が広がっていない

これらの状況では、攻守の立場をフラットにみて対比していく。

「◯◯高校、チャンスを作りましたが無得点に終わりました。しのいだのが⬜︎⬜︎高校、◯回終了◯対◯です。」

こんな感じになるだろうか。

もう少し白熱した展開で

強打者vsエースなら、

「この対決はエース⬜︎⬜︎の勝ち!4番の◯◯に一本は出ませんでした。」

と言った感じになるだろうか。

②攻撃目線
・攻撃チームが負けている

この場合は点数が入らなくても攻撃目線で締めることもある。

「その時はどんな形でチャンスをつくったのか」
「この試合の中で何回目のチャンスなのか」

を盛り込んでみよう。
例えば、

「なんとか下位打線がつないでチャンスを作りましたが、得点することはできず。」
「この試合初めて作ったチャンスでしたが得点とはなりませんでした。」
「再三チャンスは作りますが、◯◯の前にあと一本が出ず。」

こうすることでだいぶ短いコメントの中に奥行きが出てきて、このイニングがどんな内容だったのか、なんならこの試合がどんな展開なのかがなんとなくわかるようになってくる。

また、あくまで攻撃目線とはしているが割合は10:0から6:4まで様々。

基本的には片方のチームに寄りすぎず、5:5に違い比率でそれぞれの目線にちょっと傾きを待たせるのがいいのだろう。


さて、最後が

③守備目線
・守備チームが負けている・劣勢
・試合の流れがまだどちらにも傾いていない

点差が付いている場合、負けているチームが守りであれば
「ピンチをしのいだ!反撃の兆し!」

という状況を描きやすい。
守備の方をたたえてあげるのが視聴者目線でも違和感が少ないだろう。

また、書き進めて思ったのだが、この「得点圏で点数入らずパターン」は純粋に考えて「守備側が良い形」でイニングを終えている。

いいプレー、良い形の方をコメントしてあげよう!というスタンスで行くのであれば、自ずと「守備目線」のコメントになるはずだ。

なので、試合内容・展開として両チームがフラットでも、守備寄りのコメントになるのが自然かもしれない。

例えば、

「⬜︎⬜︎高校のエース・⬛︎⬛︎!落ち着いたピッチングです!」
「ピンチを救った⬛︎⬛︎のプレー!!!」
「ピンチしのいだ⬜︎⬜︎高校!反撃に向けて、クリーンナップからの好打順です!」

こんな感じだろうか。

さて、ここまではイニング締めの場合分けを3パターンで考えた。


ポイントは

「基本は両チームフラット」


その中で

「視聴者目線になった時にどっち側に立つと面白いか」

が鍵になってくる。

また限られたコメント尺の中で、いかにイニングの内容・試合全体の流れ・このイニングが試合の中でどんな影響を持ちそうか、などを盛り込むかが腕の見せ所になってくる。

次回は

イニング締めのコメントの中でいかに内容を充実させるか。


について考察していこうと思う。

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