働くの実験室(仮)ができるまで 前編 「SmartHRメンバーの“働く”を聞いてみた話」
こんにちは!
「働くの実験室(仮)」室長のnakamari(@nakamaririri)です 🐈
プロジェクトの発表と、ティザーサイトの公開から1ヶ月。
最近は、ウェブサイト本公開の準備や、第一弾&第二弾の制作を進めています。
それぞれこの夏の間にはお披露目できる予定です。お楽しみに〜🙋♂️
■ 「働くの実験室(仮)」ティザーサイト
少し時間がある今のうちに、「働くの実験室(仮)」が生まれるまでのことを2回に分けてお届けしてみようと思います。
今日はこのプロジェクトが生まれるきっかけになったイベントのことと、その後の社内メンバーとのやりとりについて書いてみます。
きっかけになった「WORK and FES」
前回記事にも少し書いたのですが、「働くの実験室(仮)」を立ち上げるきっかけとなったのは、
昨年12月に企画したオンラインフェス「WORK and FES」でした。
「“働く"の未来を考える一日」をテーマにしたこのイベントでは、
これからの企業のあり方、オフィスの役割やチームづくり、個人の働き方など、
この先の働き方を紐解く9つのトークセッションと1つのコント(!)をお届けしました。
出演をお願いしたのは、ビジネス、政治、スポーツやエンタメなど、さまざまなフィールドで活躍する24名の方々。
時代の変化を的確にとらえながらも、それぞれの信念を持って活動を行うみなさんの現在進行形の話はとても興味深く、刺激的な時間でした。
初開催ながら1,500名を超える方々に参加いただいたこのイベントは、今年の冬に第2回の開催を予定しています。
(当日の様子は、一部レポートになっています)
WORK and FESを終えて参加者のみなさんからいただいた嬉しい感想を読み、ひと息ついた昨年末。
強く思ったのは、これからの働き方について考えるきっかけを、一日だけのイベントに限らず、もっと継続的につくっていきたいということでした。
そして同時に、それはイベントに限らず、日常の中でさまざまな形にしていくことができるはずだと、アイデアを膨らませました。
そして生まれたのが、これからの働き方や企業のあり方に焦点をあてたさまざまな取り組みを束ねる中長期プロジェクト「働くの実験室(仮)」の構想でした。
当時のメモ(という名の走り書き)には、こんなことが残っています。
当たり前が揺らぐ今必要なのは、全員に共通する”正解”を見つけようことではなく、それぞれの企業や人が自身にとってのよりよい方法を探し直すこと。
そのためには、たくさんの実例や、新たな価値観を知って視野を広げることが大切だし、いいなと思ったアイデアをフットワーク軽く試してみることが必要なのではないか。
失敗を恐れず、試行錯誤することがもっと当たり前になればいい。
挑戦ほど大げさなものではなく実験していくような感覚。
それぞれが、変化の糸口を掴むことのできるような場を作りたい。
社内メンバーに、それぞれの「働く」を聞いてみた
年が明けた今年の1月、私はチームメンバーとのミーティングに「働くの実験室(仮)」の原案を持っていきました。
打ち合わせでは、プロジェクトを立ち上げるという構想への感想だけではなく、「働く」というテーマについて日頃考えていることや、これまでの自身の経験についてそれぞれのメンバーが話をすることになり、盛り上がったことをよく覚えています。
そこで聞いたそれぞれの話が印象的だったので、一部紹介させてください。
・人生100年と言われる時代。まだこれから何十年も働かないといけないのに、転職活動で未経験職種を受けて落ちたり、面接でうーんという顔されるのがつらかった。
・SmartHR社のみんなの自己紹介を読んでいると、例えば前職での「子育て×キャリア」の幅が狭くてこの会社に来たという方も多いように感じた。もっとそれぞれが働き方を選び取れる社会にしていけたら。
・生きることに安定(=固定化)はないし、変化し続けていくもの。人の感情にも一貫性はないし、以前と変わったっていいと思う。個人の半径1.5kmの生活が良くなることが、社会をよくするのでは。そのためにそれぞれが自分の働くについて考える。そんな場がつくれればいい。
・今の社会にある働くことへのネガティブな印象を、もっとニュートラルに、ポジティブにしていきたい。労働という言葉に感じる、辛い取り組みの対価に金銭を得る作業、のようなイメージを変えていけたらいいな。
・これからの働くを考えることは、大層なことではなく、だれかが「これ!」という大正解をもっているわけでもないと思う。だからこそ、話して、聞いて、試して、共有して、みんなでポジティブに可能性を探っていくようなことがしたい。
・無理せずに働くってどうやって実現するんや、など実験するのもいいのかも。例えば、クリエイターは徹夜しても当たり前って時代じゃないはずだよね。そうならないための取り組みって何だろう?
・何かの価値観を押し付けることはしたくない。さまざまな人がいるけど、その中で 「こうあるべきだ」というのではなく、「自分ってどうしたいんだっけ?」を考えてもらえるようなきっかけ作りがしたい。
・社会人になる前に真剣に向き合う機会があまりない働くことについて、このプロジェクトが考えるきっかけになったらいいな。今後、そんな取り組みもできたらいい。
・働くことは、生きること。社会との繋がり。生活の一部を担うもの。個人の人格を形成する一部だと思う。そして、社会に合わせて、生活に合わせて、考え方に合わせて、気持ちに合わせて、その時々で変わっていくものでもあるはず。
・それぞれが許容できる幅を増やしていけたらいいのかもしれない。自分も、他人も、社会の変化も。たくさんの「個」が集まって社会が形成されていることに自覚をもちたい。自分の価値観とは違う、理解できない人がいることも含めて、まずは許容していくことができたら。
“働く”に宿る当事者性の強さ
普段から一緒に仕事をしていても、一人ひとりのチームメンバーの仕事観や問題意識を正面から知る機会は日々の中ではなかなかなく、この打ち合わせは私にとってもたくさんの発見がありました。
そして、改めてこのプロジェクトの価値を見つけたような気持ちになりました。
それは、"働く"というテーマのもつ強い当事者性です。
社会で生きている限り無関係ではいられず、一人ひとりが自分なりの価値観や考えを持っている”働く”というテーマだからこそ、他者と考えを共有し、これまでの当たり前の外にある考え方を知り、新たな兆しを見つけようとするこのプロジェクトの試みは、意味のあることだと感じたのです。
同じ"正解"を持とうとするのではなく、一人ひとりの個人の実感を社会に開くきっかけをつくり、たくさんの対話を生むこと。
このプロジェクトの取り組みを通じて、そんなことができたらと思っています。
続きは後編へ
前編はこのくらいで。
来週は後編として、「働くの実験室(仮)」というプロジェクトの中核となっているいくつかのキーワードについて、そして私たちがこの活動を通して後押ししたい世の中の変化について、書いてみようと思います。
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