読む、 #ウェンホリ No.08-04「好きなことについて話す、もうそれだけでエンタメ」
<No.08-03から続く>
二人がハマっている『アンブレラ・アカデミー』
小沢:配信物とかは観てる?
ハマ:配信物、観ますよ。
小沢:なにを観てる?
ハマ:まあ、もう本当にプラットフォーム的に言うとNetflix、Amazonプライムビデオ、Hulu、dTVとかあのへんも、もうあらかた。やっぱり特色があるんでね。
小沢:『アンブレラ・アカデミー』、観てる? 俺、もうめちゃくちゃ好きなの、『アンブレラ・アカデミー』。
ハマ:面白かったですね。
小沢:もうシーズン3も終わった?
ハマ:はい。
小沢:俺、まだシーズン3の途中なの。
ハマ:ああ、全然それは言わないでおきます。
小沢:いや、もう本当に幸せなのよ。しかもあれはマイケミの人がつくったわけじゃん?
ハマ:そうみたいですね。
小沢:なんかすごいなと思ったね。天才だなって。で、シーズン3の最初の『Footloose』。あそこのシーン、めちゃくちゃワクワクしない? あれってなんなんだろうなと思ってさ。
ハマ:その相乗効果というか。でも、そういう才のある人ってここ近年、ああいう予算組みがある配信作品を手がけられるようになってから、ものすごく増えましたよね。
小沢:ちょっとごめん。どうしても話を……。
ハマ:小沢さん、めちゃめちゃ前のめりじゃないですか(笑)。
映画『ミックステープ』の話で鳥肌が立つ
小沢:Netflixの『ミックステープ』っていう映画、観た?
ハマ:あの、なんでしたっけ?
小沢:話したい、話したい! 聞いて?
ハマ:はい。
小沢:内容、喋っていい?
ハマ:ああ、いいですよ。もちろん。僕、そういうの、大丈夫なんで。
小沢:『ミックステープ』って、90年代の終わりのアメリカ。
ハマ:あっ、俺、これ観てないな。『ミックステープ: 伝えられずにいたこと』ですか?
小沢:そう。90年代終わりのアメリカ。女の子、中学生ぐらいかな? クラスじゃ目立たなくて、引っ込め思案。おばあちゃんと2人暮らし。若い頃、ご両親が亡くなっていて。そしたら家の……おばあちゃんって言っても、50ぐらいかな? と、その中学生ぐらいの女の子がその家のなかで片付けてをしていたら、カセットテープが1本、出てきて。そのカセットテープには、いろいろな曲のタイトルが書いてある。どういうことかっていうと、ミックステープ。俺らも若い頃、やったんだけど。好きな曲を順番にカセットテープに入れていくのよ。
ハマ:自分オリジナルのね。
小沢:自分のオリジナルテープをつくるのよ。そしたら、「どうやらこれはお父さんとお母さんが音楽を昔、やっていて。好きな曲を集めたテープだ」っていうことを知るわけ。「でも1個も聞いたことがないぞ?」ってなって。それで、その女の子は近所のレコード屋に行って「これがほしい」って言ってテープの曲のタイトルを見せると、「ずいぶんセンスのいい曲順じゃないか。誰がつくったんだ?」「お父さんとお母さん。この曲をください」って言うけど「ええっ? でも君、いくら持ってんの?」「いくらです」「全部はあげられないな。どれがほしい?」「どれでもいいです」って言ったらレコード屋の店長が言うの。
「こういうテープはつくった人のメッセージになってるんだから、1曲目から順番に聞かなきゃダメだ」って。で、まず1曲目から。そしたら彼女にとって人生ではじめてのロックンロールで。「うわっ、こんな音楽があるんだ!」ってなって。で、2曲目。日本の曲が入っている。アメリカの映画なのに。で、「歌詞もわかんないな。どういう意味だろう?」って。アメリカの学校だから日本人みたいな女の子も通ってると思って、話しかける。そしたら「私、日本人じゃないよ。中国人よ。でも面白そうね。私も協力するわ」って言って、どんどん友達が増えていって、女の子たちでバンドをやったりするの。
そうすると、いろんな曲をどんどん探していくうちに、お父さんとお母さんがどんな青春時代を送っていたのかがわかるの。何がすごいって今、言った2曲目の日本語の曲がブルーハーツの『リンダリンダ』なの。
ハマ:ええっ!
小沢:アメリカの映画で、2曲目に……。
ハマ:今、鳥肌立っちゃった(笑)。
小沢:今のはうまく決まったな!
ハマ:いやいや、「めちゃめちゃ面白そう!」って思って聞いてたら、まさかの……へー!
小沢:で、そのときに、その少女が『リンダリンダ』をはじめて聞いて「うわっ!」ってなって、踊り出しちゃうんだけど。俺も中2のときにブルーハーツをはじめて聞いたんだけど、「まったく一緒の体験してる!」と思って。
ハマ:追体験って感じですよね。小沢さんからしたら。
小沢:もう『ミックステープ』の話、ほぼしちゃったけど……観てくれる?
ハマ:いや、観ますよ。めちゃくちゃ面白そう!
小沢:めちゃくちゃいいよ。
ハマ:もう、メモりました。えっ、流れるんですか? じゃあ『リンダリンダ』が。
小沢:流れる。で、彼女は知らない曲だから、ローマ字で歌詞をメモっていくの。「Dobunezumi...」みたいな。
ハマ:ルビ振りみたいな。ローマ字読みのね。へー!
小沢:すごいいいよ。『リンダリンダ』ってだから、あの当時のアメリカでの若者たちにも刺さってたんだとか思って。
ハマ:たしかに。今はもう、だってヒップホップサンプリングされるのはあの時代のロックバンドだっていう風潮もどんどん出てきてて。やっぱり面白いっすね。ブラックミュージックじゃないんですってね。
小沢:ああ、そうなんだ。
ハマ:もう8ビートのガレージパンクとかをサンプリングして。それでラップを歌うんですって。それがいちばんかっこいい。若い間では。でもそれって、どっちも通ったわけじゃない小沢さんでも、やっぱりそういう……要はバンド。パンクとかにある意味、衝撃を受けた世代が今、そういう若いラッパーがそれをやるのがかっこいいって言ってるのって、すごい嬉しくないですか?
小沢:すごいことだよね。
飲みに来て喋っている感じが楽しい
ハマ:なんか、そうやってやっぱり新しくなっていくっていうか。そう。それは絶対観ますね。うん。最後、めっちゃ小沢さんに面白い映画をレコメンしてもらうっていう(笑)。
小沢:えっ、これってそういう回だよね? エンタメの。心地良いエンタメのね。
ハマ:そう。エンタメだから。面白そう。それ。
小沢:ありがとうございました。今回は「心地良い暮らしとエンタメの関係」というテーマでハマ・オカモトくんとお話させていただきました。どうでしたか、今日は?
ハマ:いや、とっても楽しかったですよ。なんていうか、大きいテーマはあれど、いちばん最初に言った、やっぱり「好きだから」っていうところがすごく表れてた気がします。2人とも。
小沢:ねえ(笑)。
ハマ:なんか好きなことについて話してることが、大きいテーマがエンターテイメントと生活って、これ以上ないことって……なんかやっぱり答えを出さなきゃいけないみたいなことになったりするじゃないですか。いざ、こういう時間もらうと。だからこれ、言い訳になっちゃいますけど。そうじゃない感じで喋れたのがすごい楽しかったです。
小沢:変な話、もうなんだろう? 飲みに来て喋ってるような感じだったもん。
ハマ:そうですね(笑)。本当に。めちゃめちゃ楽しかった。
小沢:面白かった。本当にありがとうございました。
ハマ:いやいや、こちらこそ。
小沢:さあ、ということでゲストはOKAMOTO'Sのハマ・オカモトくんでした。2回にわたって、ありがとうございました。
ハマ:ありがとうございました!
<書き起こし終わり>
文:みやーんZZ
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