いいプロデューサーてなんだ
【火曜更新・時間堂、年商1億プロジェクト10】時間堂P晴香です。ごきげんよう。掘りまくりスペシャルが終わって、思いのほか元気です。
行動の裏には感情があって、感情の奥には自己概念がある、と前の会社で教わったのだけど、自分の自分に対する認知が行動を左右して成果を揺るがしていることを、ようやくハラワタで思い知りました。必ずしも「いい認知」である必要はない。正直さ、誠実さ、率直さが重要。今なら、前職で優秀な営業パーソンになれる気がする(笑)
冗談はさておき。
自己概念への旅がある程度の終着を見たので、そろそろ浮き世に復帰することにしました。で、決めた途端にいいことばに出くわしたので本人の許可を得て抜粋転載します。太字は、私が強調したいことです。
われわれスタッフチームは(中略)プロなんで、仕事ができて当たり前です。(中略)美しい演劇の枠組みの上で、それを忘れさせるくらい思い切り良く生き抜く俳優たちと彼らが運ぶ物語が、観客の中に直接に届いてほしい。―――わたしにとってよい演出とは「演出が良かったとか悪かったとか、言われない演出」ですから。
時間堂の堂主、演出家の黒澤世莉ってひとのブログです。いいことおっしゃるわー。あ、身内か。
経営者としての資質とか思考とかいろいろ書いてきましたけど、プロデューサーの仕事も同じだと思ったんですよね。究極は、私の仕事に注目されない仕事がしたい。作品よりも前に出てしまうプロデュースは失敗だと思うのです。
作品を観てもらわないと何も始まらないから、観に来てもらうための仕掛けはいろいろ考えます。そして企画が褒められるのは喜ばしいことです。でもそれは、キモではないんだな。工夫を凝らしてイベントやら特典やらを考えるのは、それをきっかけに観に来てほしいからで、最終的には観た作品でぶっとばされてほしいのです。
昔、照明スタッフの大先輩が、たとえ褒め言葉でも、アンケートに書かれた時点で失敗だ、とおっしゃいました。飛び出てしまって作品を壊してしまったということ。以来、受付を褒められると複雑な気持ちになります。スペシャルな受付の印象が残ったとして、お客さんはまた演劇が観たいと思うでしょうか。あくまで、観劇に集中できる環境を演出するのが受付や場内係の役割であり、自己アピールの場ではないと思います。
いいプロデューサーってなんだ、を考えてみて、作品より先に企画がおもしろかったと言われて有頂天になるのは、私の承認欲求が満たされているだけなんだと思います。出発点を忘れることなく、意図的に手だてを打つ。これが大事なんじゃないかな。
上演だけが目的だったら、自費で好きなようにやったらいいんです。極端に言えばお客さんがいなくてもいいのかもしれません。でも、演劇で世界を変えるのが目的だったら、作品にちからがあることと、ひとりでも多くのお客さんに届けることの両方が重要です。そこに、プロデューサーの仕事がある。
私がいちばん言われたいのは、「この演劇が観られてよかった」なんだと思います。
その意味で、intro×時間堂のコラボ企画は我ながら秀逸だと思っています。思いついたのは私じゃないけどね、自分の手柄みたいに書いたけどね。コラボ企画をきっかけに興味を持っていただいたあなた、劇場で演劇すげー、ってなりましょう。introを教えてくれてありがとう、だったら大喜びで胸を張ります。時間堂をもっと観たい、だったら欣喜雀躍です。
■12月3日(木) intro『蒸発』上映会(プレ&アフタートーク付)
2015年12月3日(木)20:00~@toiroan 十色庵
参加費:1,000円(1ドリンク付)/ご予約:https://goo.gl/zou8oN
※会場にてintro『食卓全景』のチケットを特別販売いたします。ここでお買い求めの方に素敵なプレゼントを検討中です。続報をお待ちください★
■12月19日(土) intro『食卓全景』東京公演記念 時間堂『言祝ぎ』出前
2015年12月19日(土)14:00の回終演後15:30頃から(予定)@王子小劇場
出演:菅野貴夫、ヒザイミズキ、阿波屋鮎美
チケット:『言祝ぎ』は無料・ご予約不要/ご入場には、intro『食卓全景』のご予約が必要です(別ステージの予約も可/半券をお持ちになるか、土曜夜の回以降の前売券をお求めください)。
※intro『食卓全景』の半券を持って時間堂レパートリーシアタープレビューにご来場の方に、1ドリンクサービスを予定しています。
intro『食卓全景』公演情報は画像をクリック↓
余談。枠組みや運営が褒められて素直に喜ぶときもあります。それは主に同業(プロデューサーや制作者、団体主宰)やお仕事の発注元から言われた場合です。そりゃ、嬉しいですよ。
だから、褒めないでってことじゃないのでそこんところよろしくです。
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スキやフォローやシェアや投げ銭、大歓迎です。ご意見・ご感想・ご要望などもウェルカム。この記事を見て演劇や時間堂に興味関心を持つ方がいらっしゃることは、私の求めていることとマッチしています。はーintroたのしみだなー。
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