2021夢日記 単細胞な盗難劇 ji-jyo 10月30日
僕は今年に入ってから毎日、夢日記を書いている。過去のものは月別にマガジンを作成してあります。
昨日の夢は呆れてしまう程バカげた展開だった。
始まりはいくつかのお店が立ち並んだ石畳の緩やかな坂道にいるところからだった。
電柱の影に身を潜めながら今から行われる作戦を熱心に話す仲間の背中を見ていた。その仲間というのはコロチキのナダルだった。
『ええか? あそこの店はいっつも店員が一人しかおらんねん。せやからお前がしっかり店員に話しかけて注意を引き付けといたら絶対バレへんから。これはな。ほんまにお前にかかってんねん!』
『あのさぁ、本当に盗むの? やめといたら?』
『何バカなこと言うとんねん! ほな俺の彼女の誕生日プレゼントどないすんねん!? 何もあげへんわけにはいかんやろ! お前頭おかしいんちゃうか?』
いや…。どっちかと言えば頭おかしいのは君の方だよと思ったが、もう何を言っても無駄のようだ。ここは仕方ないからこの盗難劇に付き合うしかなさそうだ。
『ええか? お前はメンズコーナーで適当に商品の質問して女の店員を引き付けとけ。その間に俺は目当てのワンピース盗るわ。』
『本当にうまくいくかな。まあわかったよ。』
『何を弱気になっとんねん! お前そんなんで大丈夫か!? ほな行くで!!』
いやいや。お前が大丈夫か?
そんなやり取りのあと僕らは小学生でも思いつきそうなあまりにも幼稚な作戦えを引っさげて店内に入って行った。
店内にはメンズコーナーは隅の方に少ししかなく、どう見てもレディースメインのお店だった。男二人で入るにはどうにも場違いな気は否めない。それによりにもよって男であるナダルが物色しているのはレディース売場だ。これは明らかに不審極まりないだろ。
まあ、とりあえず作戦通りに店員を呼んで何か会話をしなくちゃ。
『すみませーん。ちょっとこの服のサイズについてお聞きしたいんですけど。』
『いらっしゃいませ。こちらのアウターですね。』
しかし会話をしているうちに盗るって言ってたけど、予め目星もつけてないのか? 楽しそうに選んでる場合じゃないだろ。そんなに長く会話なんて続けられないよ。どんだけ適当な計画なんだ。
もう話すことが無くなって来たころようやくナダルが水色のワンピースを手に取りレジとは逆方向の入口付近にまで近づいたとき、店の奥から男性の怒号が飛んできた。
『おい! この万引犯!!』
あーあ。ばれちゃったよ。やっぱりな。そりゃそんなアホみたいな古典的な作戦じゃあうまくいかんよ。そう呆れて他人事のようにその様子を見ているとナダルは、
『お、おい! おい!!』
僕のほうを見ながら持っていたワンピースを投げ捨て店の外に逃げ出した。
『お知合いですか?』
『いいえ。知りません。』
僕はとぼけてその場をやり過ごし何事もなく店を後にした。
店から出てしばらく歩きながらナダルはどこに行ったのかとぼんやり考えていると、道端にあった大きなゴミ箱の蓋が突然開き、
『もーう! 失敗したやんけ! もういっぺん盗りにいかな!!』
とりあえず掴まることなく逃げ出し、そう息巻いているナダルを見てもうやめておけと思うところで目が覚めた。
面白かったけど。夢の中でもテレビで見るような残念な感じなんだなと感じる朝だった。
さて、明日も夢日記を書いていこう。
【2021 9月夢日記 ~ji-jyo~】
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