2021夢日記 便利屋としての再会 ji-jyo 7月2日

僕は今年に入ってから毎日、夢日記を書いている。過去のものは月別にマガジンを作成してあります。

昨日の夢は自分の意気地のなさにガッカリする展開だった。

始まりはすっかり日も暮れて、その日最後となる仕事が始まろうとしているところだった。

僕は青い作業服に身を包み、とある一軒家に、持ち主が処分する品物を回収しに来ていた。どうやら僕の仕事は便利屋のようなものだった。

チャイムを鳴らし迎えてくれたのは、気立ての良さそうな綺麗な奥様だった。

『夜分にごめんなさい。どうしても今日中に処分したくて。』

『いえいえ。こちらこそお仕事いただきまして助かります。』

あまりにも素敵な奥様に、僕は少し戸惑いと緊張を覚えたが、そんなことより早く仕事を片付けて撤収しなくてはと我に返った。

本日最後となるこの家は大した量の物はなく、仕事は順調に進んだ。最後に縛られたいくつかの段ボールを運び終えれば終了だ。

今日も無事仕事が終わりそうだ。今日の夜は何を食べよう。そんなことを考えながら最後の段ボールを持ち、玄関から出ようとしたとき、この家に住む女性が帰ってきた。

『お邪魔してます。』

すれ違いざまにそう声を掛け、何気なく見たその顏に僕の胸は高鳴った。

その女性は幼いころに恋心を抱いていた当時の同級生だった。

『こんばんは…。あれ? もしかして孝雄くん?』

『や、やあ。覚えててくれたんだね。祥子ちゃん。』

『久しぶりだね! ちょっと話そうよ!』

『あっ。えーと。そうだね。ちょうど仕事も終わるし。』

そんなやり取りの後、僕らは素敵な奥様から頂いた缶コーヒーを持って、近くの公園のベンチで語り合った。

昔話しに花が咲き、学生時代の思い出、その後どんな風に人生を生きてきたか、積もる話しはなかなか尽きることはなかった。

その中には当時、自分が恋心を抱いていたことも話題に上がった。どうやら彼女はそんなこと一つも感じていなかったようだけど。

『今は? お付き合いしている人はいないの?』

『うん。いないね。もうしばらく仕事が恋人みたいなもんだよ。』

『えー。淋しいね。なんて言ってる私も今はフリーなんだけどね。あはは。』

そうか…。今はフリーなのか。これはもしや。いやいやまさかな。そんなドラマティックな展開になるわけ…。

僕はまた1人胸の高鳴る今の気持ちを悟られないように、なるべく平然を装った。

『あ、あのさ。孝雄くん。もし今誰も気になる人とかいないなら...』

『あっ! もうこんな時間か! ごめん! 俺ちょっと戻って残ってる事務作業を片付けなきゃ。祥子ちゃんまた今度!』

そう捲し立てるように僕はその場から逃げ出したところで今日は目が覚めた。

何やってるんだ。相手からの最高のパスを自ら台無しにするとは。夢の中の自分…。僕は孝雄という名前ではないけれど、孝雄。君の肝心な場面からの逃亡には心底ガッカリしたよ。そんなことを思う朝だった。

さて、明日も夢日記を書いていこう。


【2021 6月夢日記 ~ji-jyo~】


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