2021夢日記  無表情な襲撃者  ji-jyo 12月7日


僕は今年に入ってから毎日、夢日記を書いている。過去のものは月別にマガジンを作成してあります。

昨日の夢は訳の分からない悲惨な展開だった。

始まりは仕事仲間の男と二人、デパート内のインテリアショップに来ているところからだった。

ソファーがたくさん置いてある一角に、一つのリビングルームが設置されているところで他の仲間が来るのを待っていた。

『なんだって会社の最後のお別れ会がこんな場所でなんだ? 普通居酒屋とかさぁ…。』

『まあまあ、いいじゃない。それよりお前お別れ会でのスピーチちゃんと考えてきたか? 今日の一番重要なシーンだぞ。』

『ん? ああ…。まあ。』

友人から心配されているスピーチは僕の担当だった。が、何かと忙しいことを言い訳に、スマホに打っていたスピーチの内容はまだ最初の挨拶の部分しか進んでいなかった。お別れ会の最中、スピーチの時間までには何とか作成しなくてはと思ったがどうもこういうものは苦手だ。

そうこうしている間にも会社の仲間たちが次々と集まり誰かの家のリビングルームのような一角はだいぶ賑わって来ていた。
特に始まりの合図などはなく、集まり出したその雰囲気のままお別れ会はいつの間にか始まっていた。

みんなが楽しくお酒を酌み交わしている間に僕は一人スマホの画面と向き合っていた。数行書いてはすぐ休み、またしばらくしてから数行入力する。そんなことを繰り返したいたがスピーチの内容は一向にまとまらない。

『なあ。やっぱり俺にスピーチなんて無理だよ。これ続きお前書いてくれよ。』

『おいおい。最後の仕事くらい投げ出さずやり切れよ。』

はあ。やっぱりダメか。もうスマホの画面すら見たくないと思ってきたころインテリアコーナーの入口に見知らぬ女が入って来たのが見えた。

誰だろう? 会社の人間ではなさそうだな。今日は何故かここは貸し切りのはずだから他の客がくるようなことはないはずなんだけど。

そのまま近づいて来る女は黒いロングのストレートヘアー、すらっとしたスレンダー体系。ぱっと見はとてもいい女という容姿ではあったが、何だろうあの不気味な雰囲気は。そうか。なんだか顔に一切表情が感じられない。全くと言っていい程に無表情だ。

『な、なあ。あの人誰か知ってるか?』

『あはは! そうそうそんでその時…。』

ダメだ。周りはもうすでに出来上がっていてまともに会話にならない。その間にも見知らぬ女はこっちに向かって来ているようだけど、近づくにつれ目の前にいる仲間たちの影になり女の姿が隠れて見えない。

見失った数秒後に突然、女性の叫び声がフロアに響き渡った。
何だ!? どうした!?

叫び声の後、仕事仲間たちは持っていたグラスや食べ物を投げ出し一斉に逃げ始める。ソファーに座っていた僕は未だに状況がよく掴めない。目の前にいる仲間の男が振り返った瞬間、口から真っ赤な血を吐き出すのを見てただ事じゃないことにようやく気付く。仲間がこちらに倒れてくるのを必死で支えながらようやく姿を捕えた。

無表情な女は手にアイスピックを持っていた。一体どれだけ大きな氷を削るためのものだと突っ込みたくなるくらい長いアイスピックを振りかざし次々と仲間のことを刺して回る。

何なんだコイツは!? 

頭の中はもうパニックそのものだ。ただ何とかしないとこのままでは殺される。とっさに倒れてきた仲間を使って女に目掛けて投げつける。
仲間をそんな扱いするなんてと言っている場合でもないようだ。

運よく仲間の頭が女の顔に直撃し一瞬ひるむ。その隙に何とか伸ばした右足で女の手を蹴り上げると持っていたアイスピックが宙を舞う。

『おい! それだ! それを奪って刺し返せ!』

まだ動けそうな仲間の男に向かってとんでもない指示を飛ばすと、宙に舞うアイスピックを見事に掴みそのまま女の胸に突き刺した。

あれほど無表情だった女の顔が怒りと悲しみに満ち溢れ、けたたましい叫び声が響き渡ったあたりで今日は目が覚めた。

何ておかしな夢だったのだろう。突っ込みどころ満載の疲れる展開だった。

さて、明日も夢日記を書いていこう。


【2021 11月夢日記 ~ji-jyo~】


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