2022夢日記  嘘つきマラソン  ji-jyo 1月16日

昨日の夢は人としてどうしよもない自分が登場する展開だった。

始まりは町内会のマラソンに参加して走っているところからだった。

マラソンと言うと大体は昼の時間帯に走るようなイメージなのに、何故か今回は空が真っ暗な夜の時間帯に開催されていた。それでもマラソンコースにはたくさんの提灯が飾られていて明るくとても賑やかな雰囲気だった。

僕はとにかく目標であるボックスティッシュ10箱という2位の人が受け取れる景品を獲得すべく無我夢中で走っていた。1位はどこかの旅行券らしいがそんなものに興味はない。とにかくボックスティッシュ、それ1択というわけのわからないこだわりようだった。

しかしマラソンに参加しているのは親の期待を一身に背負った町内の子供たちばかりだ。日頃、走り慣れていない僕はどうにも分が悪い。今のところ順位は10番手くらいと言ったところだろうか。このままでは目標のボックスティッシュどころか参加賞のポケットティッシュくらいしかもらえそうにない。ここは一つ奥の手で順位を上げて行くしかない。

何とかペースを上げて走っていると前方にようやく自分より上の順位を走る男の子たちを捉えた。

『おーい。おーい。ちょっと待って。はあはあ。あのさ、今日近所のあのおもちゃ屋あるじゃん? あそこ在庫処分でトレーディングカードのセールやってんの知ってる? 何かね、まあまあレアものも混ざってるって話だよ。』

『うっそ! まじかよ! えっ? でももうすぐお店しまっちゃうんじゃない?』

『そうそう。だから欲しいなら今から行けばまだ間に合うんじゃない?』

『やっべ! まじマラソンなんてしてる場合じゃねぇわ。おい行こうぜ!』

ふっふっふ。ちょろいもんだ。あのおもちゃはお爺さんがやっていてだいたい毎日が在庫処分セールなのだよ。まあこれで2つくらい順位が上がっただろ。まだまだ先は長そうだけど。

それからしばらく走り続けていると今度は近所に住むハナちゃんと言う女の子が一生懸命走っている。あの子は確か…。

『おーい。おーい。ちょっと待って。ハナちゃん今日タケちゃんのこと見かけた?』

『え? タケちゃん? 知らない。見てないよ。』

『そうかー。やっぱり。心配だね。タケちゃん風邪ひいて寝込んでるみたいでさ。あそこは共働きで親御さん帰り遅いし大丈夫かな…。』

『えっ? そうなの? 私…。ちょっと様子見に行ってあげようかな。』

『ああ。それがいいかもね。ハナちゃん来てくれたらきっと元気出ると思うよ。』

『うん! 私行ってくる。』

よし。またこれで1つ順位が上がったろ。ハナちゃんはタケちゃんが大好きなのがバレバレだからな。まあタケちゃんが風邪気味って言ってたのは昨日のことだけど。

でもまだ目標の2位までは全然届きそうもないな。

ダメだだいぶ疲れてきた。次に見えてきたのは…。うわ! 何だよ大人は自分くらいなものかと思っていたらもう一人幼馴染のあいつまで走っていたなんて。さすがにあいつには普通に走って抜き去るしか方法が…。

何とか幼馴染の裏まで駆け寄り食らいつく。が、なかなか抜き切れない状態でいると今度は逆に話しかけられる。

『あんたさぁ。またどうせ適当なホラでも吹いてみんなマラソンから辞退させてんでしょ? だっておかしいもん。いきなり後続の子たちが姿を消していくなんて。』

『人聞きが悪いんだよお前は。ホラは拭いてないよ。ただちょっとお得な情報を教えてあげたまでで。』

『あんたそんなにしてまで勝ちたいの? 人としてどうかと思うわ。まあ私にはそんな手は通用しないけどね。絶対旅行券は譲らない!』

いや…。僕はボックスティッシュ狙いだよ。そんなことを思ったところで今日は目が覚めた。

しかし今日の夢の中の自分はなんて小癪なやつなんだ。何とも情けない気持ちになる朝だった。

さて、明日も夢日記を書いていこう。

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