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母の似顔絵(その一:最初の母)


還暦をすぎて、ひとを好きになることが少なくなる。医学的には男性ホルモンのせいだ。


独身でとおすわたしだが性欲がないわけではない。ネットのポルノ映画では下半身が充血するし、気がむけばオナニーもする(ただし射精までは時間がかかりすぎて面倒くさい)(最近はかかりつけ医のところの看護師さんがアレなことが多い)。

スーパーのレジ嬢に横恋慕することもある。お目当てのレジ嬢のレジを、となりのレジが空いていて通過できないことに(武蔵とお通の)快楽をおぼえることもある。

結婚
好きな女性と暮らすことを夢みた。保育園児のころから。
大好きだったのぞみちゃんと、いちにち中、はだかんぼうで生活するのを夢想した。

結婚をあきらめていたわけではない。定期的にお見合いもした(させられた)(表向きには母に(裏からは父に)(たぶん))。
不惑の五十をすぎると、結婚にたいするやる気がなくなった。相手の家族、相手の嗜好、つまり相手の属性をひきうける気力がなくなった(のだと思う)。
なにもかも面倒くさいのである。まちがいない。

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