しっぽのない猫の話
道産子の猫
北海道から来た猫たちが四匹いる。
二匹は息子たちのところに、二匹は我が家にいる。
母親は「ニャンチ」といい、北海道から移住してきてすぐに親権を放棄して、行方をくらました。
写真の左が「ひめ」、右が「トラ」の、兄弟猫。
ひめは、媚びを売ることが大嫌い。抱こうとしただけで爪を出す。
トラは、何よりも人間が大好き。抱いてとおねだりをする。
そんな二匹だが、写真をよく見てみると、おかしなことに気が付く。
猫のトレードマークである、長い尻尾が無い。
兄弟そろって長い尻尾が無い。
さらに、なんと兄弟四匹みんな長い尻尾が無いのです。
母親のニャンチは、立派な尻尾があった。
父親は、どこのだれかは不明だが、あれだろうと、もっぱらの噂になり、一番疑われた猫にも長い尻尾があった。
なぜ子供たちには、長い尻尾がないのかわからない。
長い尻尾の代わりに、草鞋みたいな塊がついている。
長い尻尾はなくても、顔はふつうに可愛いし、暮らしに困ることもなく、非課税なうえに医療費自己負担なしの生活が生涯保障されている。目減りしていく年金生活者に比べて、じつにうらやましい。つい、ぐちがでる。
走ることも、飛ぶことも、爪とぎも、猫並みにできている。
長い尻尾のある猫も同居しているが、比べてみると動きが少し「どんくさい」気がする。これは、個体差の範囲かもしれない。
北海道から引っ越ししてきた時に、引っ越し屋のおじさんが「ごんぼねこ」と言った。その方の地域では、尻尾のない猫をそう言うらしい。
ごんぼとはごぼうらしいのだが、ごぼうは長いのになぜかなあ。
ネットを駆使して調べてみたが、ごんぼねこの由来も、なぜ長い尻尾のない猫が存在するのかや、どこから来たとか、特定などはできなかった。
岩合光昭さんのTVを見ても、なかなか尻尾のない猫は登場しない。
近所の飼い猫、野良猫風の猫を見ても、今のところ発見できていない。
ごくまれに、テレビのロケ番組などに、長い尻尾のない猫を発見すると、ばあさんと一緒に興奮してしまうが、世間では、猫の尻尾はどうでもよいことらしいので、話題になることはない。
場所が場所だけに、「おしりたんて」さんに謎を解き明かしてほしいが、連絡先がわからないので、「しつれいこかせていただきます」はみられない。
ついでだが、来春には「おしりたんてい」の映画が封切られるらしい。
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