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アフリカの論理

ロシアのウクライナ侵攻に対して、ケニアの国連大使がスピーチした内容を抜粋

豊島晋作のテレ東ワールドポリティクスの動画


国連でのケニアの国連大使のスピーチ(42分付近)

「アフリカ諸国の国境は自分で引いたものではない」
「ロンドン、パリ、リスボンなどの植民地を支配した国の首都で引かれた」
「引き裂かれた国々への配慮などない」
「今は全てのアフリカ諸国の国境を越えて深い歴史と文化、言語が共有された」
「独立国になったとき、民族や人種、宗教の同質性に固執していたら、戦争が数十年後の今でも続いていただろう」
「しかし、私たちはそうしなかった。受け継いだ国境を受け入れたのだ」
「政治的、経済的、法的な統合を目指すことにした」
「危険なノスタルジアに基づいて過去を振り返ってばかりの国を作らず、多くの国や人々がまだ知らない”もっと偉大なもの”を目指すと決めたのだ」
「アフリカ統一機構の規則や国連憲章に従うと決めたのだ」
「国境に満足しているからではなく”平和の中で生まれる偉大な何か”のために」
「かつての滅びた帝国に起源を持つ国々では人々が帝国時代を思い出して隣国との統合を求めて声を上げることがある。これは理解できる」
「かつての”兄弟たち”と一緒になって同じ目的を持ちたくない人などいない」
「しかし、ケニアは武力によってそうした願いを叶えることに反対する」
「私たちは人々を支配したり抑圧することはせず、滅びた帝国の残り火から自らの国を回復させなければならない」
「民族主義や自国拡張主義はいかなる場合でも拒否すべきだ」
「ケニアはドネツクとルガンスクの独立承認に重大な懸念と反対を表明する」
「そして過去数十年における”強国”の振る舞いも強く非難する」
「国際法を軽視し違反する安保理の国々も非難する」
「”多国間の協調主義”は今夜死の淵にある」
「この考え方は今日もずっと攻撃され過去も”強国”に攻撃されてきた」
「私たちは多国間主義を守る規範のもとに再び結集させるよう求めるにあたって私たちは国連事務総長を一致して支持するべきだ」
「そして平和的手段での問題解決に取り組みように求めるべきだ」
「ウクライナの国際的に承認された国境と領土的一体性尊重するように求める」


ケニア共和国マーティン・キマニ国連大使のスピーチにも賛否

ロシアはかつてロシア帝国として国境線を勝手に引く側の国。
これまでにポーランドを勝手に分割、フィンランドに侵略する側だった。
今回、21世紀になってもウクライナに侵略し国境線を書き換えようとしている。
そういった動きをキマニ大使は批難している。
ロシアだけではなく、他の安保理の国、おそらくアメリカや中国を念頭に批難している。

一方、ケニアのスピーチへの批判もある。
アフリカ諸国全体としてある種のきれい事を美談のようにできるのか?
実際のリアルはもっと違うのではないか?
ケニアも隣国ソマリアの国境に軍隊を送ったりと、ケニアとしてそんなことを言えるのか?


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