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仮想通貨と現実通貨の違いについて 歴史編

 このノートでは仮想通貨と円やドル、ユーロや元など実際に使われている通貨(現実通貨と呼ぶことにします)についてどのように違うのかを、歴史的な面と技術的な面の2つの側面から見ていきたいと思います。前回のノートと似たような個所もありますが、そこはお目こぼしいただければと。

 まずは現実通貨の歴史をざっとおさらいしたうえで、仮想通貨の歴史に触れていければと思います。

現実通貨の歴史

 現実通貨が生まれるまでには様々な変遷が国ごとにありましたが、現在につながる流れとしては、物々交換→金【Gold】と交換できる紙幣→政府が発行した紙幣の流れです。物と物を交換することは明らかでわかりやすいですが、それではグローバルな社会となった現在ではついていけないことは明白です。また、お金の流通量がどんどん増えている現在、Goldと交換できるだけのお金というと発行枚数が限られてしまい政府にとっては不都合です。

 そのため現在では、政府が価値を保証しますよ、という前提の下でお金が日々刷られているわけです。もちろんのことながら、現実通貨の発行元は政府=国です。

仮想通貨の歴史

 一方で仮想通貨はどうでしょうか。仮想通貨のもととなったのは2009年に出された一本の論文です。サトシナカモトという日本人名で発表された論文で、そこに皆さんがご存じのブロックチェーンが記されていました。

 ブロックチェーンについての説明は別の回に譲るとして、このブロックチェーンから世界初の仮想通貨、ビットコインが生まれました。具体的な価格の推移については以下の記事が詳しいので、本記事ではざっくりと歴史を振り返ります。

 初めてビットコインが取引された時の価格は0.0025ドルでした。1ドル100円として日本円に直すと一枚当たり0.25円というところでしょうか。現在だとこの価格で買える、ちゃんと取引所に上場したコインを探すのは難しいくらいの価格です。2010年にピザ2枚(2500円)を購入するのに1万ビットコインが使用された、というのは界隈では有名な話です。
 ここから徐々に仮想通貨での支払いを受け付ける店がアメリカなどで登場し、投資家たちがビットコインに投資を行っていきます。2012年には一枚500円ほどに上がっています。

 そこから徐々に上がっていき、ビットコイン1枚あたり10000円を超えるようになっていきます。しかし2013年から2014年にかけて、中国政府がビットコイン取引を中止すると発表したり、当時最大手の取引所だったMtGox(マウントゴックス)から480億円相当のビットコインの流出があったりと 大きな壁に直面し、低迷期を迎えます。しかし2014年には現在のもう一つの基軸仮想通貨となっているイーサリアムが発表されていますので、悪いことばかりではなかったようです。

 そこから底値をさまよったビットコインはまた徐々に上昇していきます。2017年にはTime誌などで取り上げられたこともあり価格が急騰。この仮想通貨バブルにより仮想通貨のことを知った方も多いかもしれません。
 バブルとは当然はじけるもので、2018,2019年にかけて低迷期をさまよっています。

 2020年、2021年とどうなっていくかはまだわかりませんが、近年において流出事件などを起こしながらも歴史を積み上げている仮想通貨という分野です。これからさらなる飛躍が望まれることは間違いないと思っています。

 さて、現実通貨は発行元が政府、国である、ということは前述したとおりですが、仮想通貨は誰がどうやって発行しているのでしょうか。仮想通貨を発行しているのは、企業や団体です。個人でもがんばれば発行することはできますが、価値をつけるにはやはり団体化や起業化することを求められますので、企業や団体、という言葉が適切でしょう。
 世の中の国のあり方は基本的に政府主導で富を分配する共産主義と、民間がメインで富を分配する民主主義に分かれています。これは第二次世界大戦後から続くイデオロギーの対立で、この2つが入り混じることはなかなかありません。共産主義の代表的な国は中国、ロシアですが、やはりこの2国では仮想通貨への取り扱いを厳しく取り締まっています。一方でアメリカや日本などの民主主義国家では仮想通貨を推進していく方向にかじを取っているようです。ここらへんの詳細はまた別のノートに記せればと思っていますが、仮想通貨のあり方は極めて民主主義的な存在であることも注目されている理由の一つです。

ここまで書いていて、思ったより長くなったので技術的な違いについては、また別ノートに譲りたいと思います。

それでは、ありがとうございましたー。


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