コノートプレイスの客引きについて行ってみた

!注意!
筆者は類稀なる強運を持った馬鹿です!今これを読んでくれている良識ある知識人階級の方々は真似しないでください!

日曜日。暇を持て余した僕はコノートプレイスをぐるぐると散歩していた。

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▲大気汚染が酷い。

日曜だからか全然店開いてないな……と思いつつ道の端でgoogleマップを見ていると、僕に話しかけてくるインド人が現れた。
「ヘイ、何か探してんの?」
「いや、別に……。歩いてるだけ」
「この辺りの店は日曜だから閉まってるよ、向こうにNHBバザールって良い所があるからそっち行きなよ」

典型的な客引きである。常識的に考えればこの時点で断るべきだし、ここでホイホイ付いて行くのは危険ですらある。

しかし僕は常識を持たない人間なので、「暇だし一回くらい行ってみるか」とこいつの口車に乗ってみることにした。

奴は近くのオート(オートリクシャーの略。東南アジアのトゥクトゥクのようなもの)を捕まえると、「この人をNHBバザールに連れてってくれ!インド人料金の20ルピーでいいな?」と言い、オートのおっさんは「あのでっかいバザールかい?オッケー!乗りな!」と言ってきた。

な、なんとわざとらしい会話だ。と思いつつ、僕はそのオートに乗った。

「インドに来たのいつ?」「学生か!何勉強してるの?」「サンスクリット?Oh……」
などとお決まりの会話をしつつ、目的の場所に到着。

そこは工芸品の置物やストール、絵画などが置いてあるいかにも観光客向けの土産屋だった。

中にはインド人に付き添われたヨーロッパ人旅行客が何組かおり、僕も店に入って早々に話しかけてきた店員と店を一回りした。

言うまでもないが高い。普通にジャンパト通りのセントラルコテージ(超巨大な工芸品のデパート)やディリーハットの方が安い。お香が一箱200ルピー?ふざけているのか、ヴィレッジヴァンガードの方が安いぞ。(体感)

こんな所で買えるか、と15分も経たずにその店を後にした。

すると先程のオートが店の外で待っていた。そして、
「もういいの?高かった?」
「高かった。買えない。メトロ駅に戻る」
「じゃあ同じ品質でもっと安い店があるからそっちに行こう」
と、別の店に連れて行こうとしてきたのだ。

まあ時間はまだまだ余っていたので、あと何を勧められても絶対に何も買わず店を出られる自信があったので、僕はもう少し付き合ってやることにした。

二件目は先程の店と比べると少し小規模の店舗。品揃えはほぼ同じだが、500ルピーのズボンとかが売っている辺り低価格値の商品も揃えた店らしい。

ここで見つけたのが小さいダガー(短剣)。僕はクシャトリヤなので日本に帰る前にシク教徒の持つような短剣の一つでも買って帰ろうと思っていたのだ。(宗教の混線はわざとです)

だが先述したセントラルコテージで売っていた同じ短剣と比べてここは明らかに高い。となると、ここの店が「安い」というのは明らかに嘘だろう。

ここの店も早々に退散して、そろそろ本気で駅に戻ろうと店を出た。

まだ先程のオートが待機していた。

「ここも高かった?何が欲しいんだ?」
そもそも何か欲しいと物があるとは一言も言っていないんだが。

いい加減飽きてきた僕は、ここらでお土産マスターの知識を存分に振りかざすことにした。

「小さい短剣が欲しかったのだが、ここのは高い。ここで4100ルピーで売っている物がセントラルコテージでは3741ルピーだったぞ(本当)。ここで280ルピーで売っている紅茶も同じのがセントラルコテージやサンチャで安く売っていた(うろ覚え)。パシュミナもディリーハットの方が安かった(嘘)。ここは安い店じゃない。もう駅に帰る」

そうまくし立てると、オートのおっちゃんは「わかった。わかった。5分待っててくれ、店のオーナーと話してくる」と言って店の中に入っていった。

そして数分後戻ってきて、「セントラルコテージは仲介業者がいないから安い、ここは小売店だから店頭に並ぶまでの間に何人も人がいて……(まあつまりセントラルコテージより安くするのは不可能、と言いたいのだろう)」
というような事を言うと、諦めたのかようやく駅方向に向かってくれた。

その途中にも、「アグラに行った?」「アグラやジャイプールの情報が無料で手に入る所が……」と言われたが「アグラもジャイプールも行った(本当)、ムンバイもヴァラナシも行った(嘘、これから行く)」と言ったら何も言わなくなった。

そして最終的に1時間ほど時間を潰せて駅に戻ってきた。ここまでそこそこの距離を移動してきたので、どのくらいの運賃を要求されるか少し不安だったが、
「ここまでの料金はいくらだ? どのお店からもマージンが貰えないんで残念だったな」
と言うと「そっちの言い値でいい」と帰ってきた。僕は相場通りか、ちょっと多いかな?というくらいの額を置いてその場から立ち去った。


今回は僕の徳と強運のおかげで何も起こらずに済んだが、こういう客引きに捕まってヤバイ所に連れてかれそうになったりとか、オートで目的地と全然違う方向に連れていかれたりといった事件はあちこちで聞いているので、本当にくれぐれも真似しないように。

あとこの時期大気汚染が本当に酷いので、屋外をマスクもせずに2時間も3時間も出歩くのは本当は良くないと思う。これも真似しないように。


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