実録!クシャトリヤvs冷水シャワー

前回の記事で書いた通り、僕の住んでいる寮のシャワーからはキンキンの冷水しか出ない。これは意地でも毎日シャワーを浴びたい僕と意地でも冷水しか出さないシャワーの果てなき戦いの記録である。

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まず、寮のシャワーはこんな感じである。そのまま写すとちょっと汚らしいのでfoodieでフィルターをかけさせてもらう。実際は映画SAWに出てくるような感じのシャワー室である。

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このギザという機械のスイッチをオンにするとタンクの水が温まり温水が使えるようになるという仕組みなのだが、これの電源が断たれているといった状況だ。

夏頃はまだ使えていた。ギザをオンにしたまま蛇口に触ると感電するという致命的な不具合はあったものの左の蛇口からはちゃんと熱湯が出ていた(シャワーの方は管が詰まっているのかそれでも冷水しか出なかった)。ともかく何故冬になった途端ギザを使えなくするのか……。というか夏場は逆に屋上のタンクが日光で暖められてシャワーから出る水は自然と温水になっていた。これではちぐはぐである。

灼熱の7〜9月あたりならまだ良かったものの、11月中旬ともなると流石のデリーでも朝晩割と寒くなるので、この状況はかなり厳しい。(ちなみにムンバイなどはまだ暖かい。この時期でもまだ海水浴が楽しめる。)

何故こんなにも温水シャワーが蔑ろにされているのか。聞いてみたところどうやらインドには「頭を温めるとよくない」という考えがあるらしい。成る程。なるほど……? だからといってギザを止める理由にはならないと思うのだが……?

暫くは我慢して冷水を浴びていた僕だが、最近シャワーが本当に苦痛になってきたので様々な対策を講じることにした。

①疎開
アパートを借りている人の家に避難。これが一番確実である。だがアパートはアパートで問題があり、水を使うには毎日朝晩屋上のタンクにバケツで水を溜めなければならず、それが大変な重労働であるためあまり長居はできない。根本的な解決にはならないのである。


②ケトル
大きなバケツに水を汲んで、そこに容量(1ℓ)いっぱいに沸かした熱湯をそそいでぬるま湯を作り、それを浴びて髪を洗ったりするという既に最終手段に近い方法である。

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だがこれは失敗。1ℓの熱湯程度ではバケツいっぱいの水をぬるくすることは叶わなかった。普通に常温の飲み水くらいの温度にしかならなかったのでこの方法は不採用となった。

③電熱棒
最終手段その2。JNUに勤めている先生から偶然借りられた電熱棒でバケツの水を温める戦法である。電熱棒とは電気の力で液体を温める原始的な温めツールである。ちなみに中国に居る人がこれの小さいやつで飲み物を温めている写真を見たことがある。

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▲これが我らの電熱棒「ヴァサヴィ・シャクティ」だ。太陽神の加護で水を温めてくれる。スーリヤよ照覧あれ。

まずシャワー室から水を汲み、部屋に運ぶ。満杯にすると重くてとてもじゃないが持てないので半分程度。

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これを電熱棒で温める。30分程度でお風呂のお湯くらいの熱さになるので、これをまたシャワー室に運ぶ。

シャワー室で水を満杯に。これでようやく、頭から浴びても寒くないバケツ一杯の水が完成した。これを手桶でちびちび浴びながらレッツシャワータイムだ。


どうやら世界にはこんな事をしなくても当然のように毎日シャワーから温水が出せる国もあるらしい。その上夏でもシャワーはぬるま湯にならず、しかも毎日タンクに水汲みもしなくても水が使えるそうだ。

そんな国が本当にあるなら行ってみたいものである。

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