インドの大学の授業、ダメです

カルナさんが出てくるサンスクリット文学を学ぶべく、僕はデリーにあるJawahalral Nelhu University(通称JNU)で交換留学生として六ヶ月間学ぶことになった。

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▲これがJNUのキャンパスだ!


だがこれが間違っていた。インド学をやるなら、意外かもしれないがドイツが一番だったのだ。

そもそも宗教学とかインド学とかその辺の分野に最初に手を付けたのはドイツ人であったし、今も質の良い授業や資料はドイツに揃っている。

インドにおいて、インド学はバラモンの息子だけどポンコツだったりする奴等が仕方なくやる分野であって、インド本国のインド学研究の質はあまり良くないらしい。今のご時世、本当に頭が良い人はIT系に行ってしまう。それもそうだ。

我がJNUのサンスクリット学科は、学士課程の授業数は7つしかなく、各授業には生徒も6人前後しか来ないという有様だ。(履修登録だけしておいて授業には来ず、テストだけ来る予定の生徒もかなり居るだろうが)

ちなみにJNUの授業は全部英語だと聞いて来たのに、サンスクリット学科の授業だけは全部ヒンディー語だった。ヒンディー語が一ミリも分からない僕はこの時点で詰んで色々と諦めた。景品表示法違反だぞ!

そんな事情もあり、なんやかんやあって僕は、

・英日翻訳(まとも)

・日英翻訳(まとも)

・ヒンディー語(虚無)

・サンスクリット文学入門(全部ヒンディー語)

の4つ、それぞれ週2コマずつ計8コマの授業を毎週受けることになった。

この中で一番ひどいのはヒンディー語だ。60分もかけて単語を数個紹介するだけの授業、やる気のない先生、度重なる休講……。文の作り方どころか動詞すら一つも扱わないのでいつまで経っても会話などできるようにはならず、それなのに授業では毎週「何かヒンディー語の文を作れ」と要求される。極めつけはこれだ。

「ゆくゆくはヒンディー語でプレゼンテーションをしてもらう。これは成績評価にカウントするぞ」

「ではプレゼンに使うための文法を教えてください」

「シラバスに無いので文法は教えない」

「? それでは私達はどうやって文を作れば良いのですか?」

「文の作り方はもう一つレベルが上の授業で扱う」

「では文法は他の人に教われということですか?」

「そういうことではない」

文法無しで文を作れと……? もしかしてこれは高度な哲学問答なのか……?そもそも授業で扱う単語も「六角形」「蓮」「ペン」とか明らかプレゼンで使わないような単語だ。分からない……この授業が何処を目指しているのか分からない……。

結果、現在我々はヒンディー語をほぼ独学で進めている状態である。

なんの実りもないヒンディー語の授業を週2時間、全部ヒンディー語だから一欠片も分からないサンスクリット学科の授業を週3時間、まあ英語の練習にはなるが非常に頻繁に休講になる翻訳の授業を週4時間受けて、僕の一週間は終わる。


日本の授業のレベルは高かったんだなぁ。

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