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"じもあい"を作れ! ~SCRAPの「体験する物語」の可能性、そしてイマジニアの未来~

わたしたちテーマパーク好きにとってもAqoursの10人目にとっても、衝撃的な企画がやってきました。「輝け! Aqoursぬまづフェスティバル in よみうりランド」、よみうりランドのスペースに沼津PRのための野外フェス、という名の「ラブライブ!サンシャイン!!」の世界を降臨させるというものです。沼津の再現ではなく、野外イベントという形で物語の世界を形作るのですが、東京ディズニーシーやユニバーサル・スタジオとは異なるコンセプト軸からの「物語再現」の挑戦ということでとてつもなく期待が高まっています。

かつて学校祭ライブや淡島を舞台とした謎解きで「そこにみんながいる」というのをがっちり生み出したSCRAPなのですが、より難度の高い挑戦ということもあってか固唾を飲んで見守っています。それはなぜかというと、「海外が生み出した過去の企画」から日本の集団がどのように「世界の降臨」を生み出すのかが楽しみであり、同時に心配でもあるからです。

でも彼ら、彼女たちなら大丈夫でしょう。きっとハードルなんかすぽーんと飛び越えていけるはず。というわけで今回は東京ディズニーシー、ユニバからは「妖怪ウォッチ・ザ・リアル」などのアトラクションから、「仮設スペースで世界観を降臨させることへのチャレンジ」について触れていきます!

じもあいをつくる

今回の舞台となるのは「よみうりランド内らんらんホール特設会場」。全編フルボイスと「彼女たちと会話ができる」という全く新しい試みで、わたしたちと触れ合います。おそらく正面の芝生でフェス会場作り、1000席のらんらんホール内でライブ、という形になると思っています。

仮設会場ということもあり、大きく参考になるのが、過去ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで行われた「妖怪ウォッチ・ザ・リアル」だとわたしは思っています。

ケータくんたちの住む「さくらニュータウン」を「ケータくんたち目線」で再現し、屋内に作り上げられたさくらニュータウンの世界で妖怪たちと仲良くなる、というユニバお得意の原作再現あふれる味付けになっていました。

ここで一つ勘案したいのは、「沼津の再現ではなく、野外フェスという形になったのはなぜか」ということです。わたしはそれについて、大きなテーマが「感謝」だからだと考えています。今回の時期設定が三年生の卒業間近ということなんですが、それは浦女がなくなってしまうのもごくごく近いということです。これまで支えてくれた浦女、ひいては沼津そのものへの感謝、そしてどれだけいろんなことを言われてもめげずについてきた「わたしたち」への感謝というのが込められたからこそ、あのような形になったのだと思います。

ケータくんたちの世界は、「友達を作る」という名の「セカイの再現」が非常に色濃く作られていました。それは何よりも、クルーや演者さんがいつも以上にフレンドリーだったことに現れています。困った時はわたしたちの手助けをしてくれたり、日常そのもののふれあいだったり、形はさまざまです。それを踏まえると、沼津フェスティバルは一歩踏み込んだ「想いの再現」がメインとなるだろうと私は予想しています。浦女のみんなと作っていくあの体験ができるのは、何よりも変え難い「イマ」なのですからね。

RotRの栄光を受け継ぐ日

さて。こんなnoteがありました。

SCRAPの本気度が伝わる、きださおりさんのnoteです。この中にこんな言葉がありました。

「あなたが物語の中で起こした「行動」が、物語に影響を与え、その後の物語に変化を生む。物語をただ受け取るだけでなく、行動した人の数だけ、それぞれの物語が生まれる」

ぼくはこれに大きな衝撃を受けています。なんならテーマパーク大好き人間として、です。これ、まんま「ライズ・オブ・ザ・レジスタンス2.0じゃねえか!」と。

以前TamifuruDさんと記事合わせをやった時にも書いたのですが、最新技術で「わたし」が主役となる物語というのが昨今の受け入れられているディズニーやユニバのアトラクションであるとわたしは考えています。ユニバにおいて支持されるエンタメには、ユニモンやウォーターワールドなどの「命をかけて吹き込むもの」もありますね。

きださおりさんの夢は、おそらくイマジニアやユニバーサル・クリエイティブのみなさまにも並ぶ、壮大な構想です。しかしながらこの夢が結実した時には、紛れもなく「RotRを超えるかもしれない」という確信があります。映像とプロップと最新技術の組み合わせなくとも、「わたしが主役のものがたり」を作ることができる。これは間違いなく「新しいエンタメ」だと思います。この発想が日本から出てきたことに、わたしは大きく驚くとともに、とても嬉しい気持ちになっています。

ものがたりが「現実」に近づく日

ディズニーパークにおいて「ものがたり」と「現実の歴史」を両方とも高い次元で再現したパークがあります。それは千葉県浦安市舞浜にあります。みなさんお馴染みの「東京ディズニーシー」です。

東京ディズニーシーの「ものがたり」という名の虚構の織り交ぜ方は本当にバケモンです。ただそれは上記の記事のように、あくまで「実在に基づくものを気づかないレベルで紛れ込ませている」という、ちょっとしたトリックあってのものだからとわたしは思います。Aqoursのみんなが絵の中ではなく、本当に生きている。生きている実感を得ることは沼津に行くとよーくわかります。まるで内浦がメディテレーニアンハーバーに見えるように。

仮設スペースにおいては、ものの再現はもちろんなのですが、短期間で「想い」を載せることは非常にチャレンジングだと思います。東京ディズニーシーが高い次元でそれを再現できたのは、「常設であったから」です。「ラブライブ!サンシャイン!!」が伝えたかったことは、「過ぎていく時・ものへの“あがき”」と「その中で日常を過ごすことへの感謝」だとわたしは思います。それの想いを載せて野外フェスを開催できることに、わたしは嬉しくて嬉しくて飛び上がりそうです。

叶えられなかった願いの、想いも込めて。

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