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「あなたは夢を見るか?」ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期11話感想

いやーーーーーーーーひたすら後頭部をぶん殴られ続けました。最高でした。ニジガクのみんなの未来がどうなっていくか、ということについて触れられたのは本当に初めてな気がします。それは初めてだからこそ響くものがあり、今まで触れられてこなかったからこそ、考えるきっかけにもなったと。

さて、さっそくそれぞれ触れていきましょう!

部を選ばなかった未来

部への昇格の提案をみんなで蹴っていった同好会のみんな。ブレてない。本当にブレてない。ブレてないからこそ、みんなが大事にしてきたものがダイレクトで伝わってきました。「同じものが好きな会」というのがここにきて繋がってきたのだと思うと、びっくりしすぎて3年とうげみたいに転がってます。

より大きな野心ではなく、みんなが好きなものを好きなだけ充実できる世界を選んだのは、まさしく彼女たちがこれまで叶えてきたものから生み出した答えであって、だからこそ次にやってくるイベントであろう「侑ちゃんの作曲コンクール」がひじょーに怖かったりするんですね。好きと夢の違いってなんだろう。そう思わずにはいられませんでした。

彼女たちは夢を自給自足できます。それはスクールアイドルの繋がりも、フェスティバルの運営も、もちろんパフォーマンスの切磋琢磨も含めてです。でもその中に、もし侑ちゃんが入っていなかったとしたら?もしその中から、侑ちゃんがこれから抜け落ちていったりしたら?というのは、次回に向けて大きな鍵になってくるのかもしれませんね。

テストに見る試練と思い出

シリーズにおいて「テスト」というイベントは、「スクールアイドルを続けるための試練」とも捉えることができます。穂乃果ちゃんとか昔の栞子りゃんみたいな直喩めいたものもあるにはあるのですが、今回のお話ではまた違った味付けになっていました。それは何を隠そう「思い出」です。

1000日の学校生活は、後になって振り返れば振り返るほど何気ない出来事すら思い出になって蘇ってきますよね。いいものでも、悪いものでも。テスト勉強さえも思い出に変えてゆくニジガクのみんなの姿を見ていて、自分自身ではどんなことがあったのだろうと振り返るきっかけにもなったと思います。

また、学年ごとのみんなの活動を見れたのも個人的にはとても嬉しかったです。ソロ、そして垣根を超えて合わさることの多いニジガクなので、ここで全学年それぞれの絡みが見れたのはものすごくキちゃいましたね。悩めるかすみんとそれを勇気付けていくたくましい姿が見られた1年生、「想うこと」の大事さをもう一度確認できた2年生、そしてそれぞれ残り少ない時間でものびのびと過ごす3年生。彼女たちと過ごす残り時間も少ない中、それを噛み締められたことこそも「思い出」になりました。

「業を卒する」とは何か?

果林先輩は「寂しい」という明確な感情を持って、エマちゃんや彼方ちゃん、そしてわたしたちにもこれからのことを伝えていきました。過ぎ去ってゆく時間と寂しさは表裏一体。改めて現実を突きつけられて僕自身めちゃめちゃ唖然としています。

卒業というものは、学校の全過程を修了するという意味だけでなく「これまで積み重ねた時間・関係が一度終わりを迎える」というのも内包しています。シリーズの中では浦の星女学院という「存在そのもの」に終止符を打ってゆく、というのもありましたね。名前を永遠に大会に残した彼女たちとはまた違ったアプローチというのは、かすみんの「これから同好会に入る人たちの為に」というセリフにも感じられるのですが、「終わるまで終わりじゃない」というより「終わっても終わりじゃない」という一種の決意表明のようだったようにも思えます。

「さみしくなっちゃったんだね。昨日までの時間が楽しすぎたから。でもね、果林ちゃん。昨日や明日のことで悩んでたら、楽しい今が過ぎちゃうよ。」
「そうだね。毎日今を全力で楽しんでいけば、きっとさみしいだけじゃない未来が来てくれると思うよ。」

今回のお話は、エマちゃんと彼方ちゃんのこの一言がすべてです。というのも、スクールアイドルとして「イマを全力で楽しむ」という永遠のテーマを、だれよりも深く切り込んで伝えていったメッセージだからです。まだまだ続いていくこの世界で、ひとりじゃない。ひとりではいられない。みんなだからこそ続いていくこの未来に向かって、イマを全力で楽しむ彼女たちは、どこまでいっても美しいのです。

未来ハーモニーが拓く「決意」

ニジガク史でも特殊な立ち位置にある楽曲、未来ハーモニー。走り出した瞬間にかかったこの曲を、ちょっとひも解いてみましょう。今日のキーワードはこの2つ。

いつか願った瞬間が
始まる…!って感じたんだ
こんな出会いもあるんだね
踏み出してね ほんと良かった!


気づけば涙
あふれちゃう時もある
そんな時は今日をね
想い出せばいいんだ!

今日を想い出すって歌詞、天才じゃないですか?????

今回かかった「未来ハーモニー」は、過去、未来、イマ。それぞれに向かって走り出す彼女たちのこれまでとこれからが詰まっている楽曲です。そして大事なのは「踏み出す」こと。お話の中では、かつてかなえることができなかったフェスではなく「同好会として」のライブを決意する重要なピースとして使われていました。思えば一番最初のお話、そして1期3話では、お互いを想いやり、先延ばしのない「決意」をすることがうまくいかなかったのがきっかけで、初代の同好会が空中分解していったということが語られていましたね。

踏み出すことの大切さ。侑ちゃんの「火入れ」でも、最初のお話でも、最も重要なピースになるアニガサキの最重要テーマだと個人的には感じます。それを最も直接的に伝えていったのがこの「未来ハーモニー」ではないかと私は思うのです。それを踏まえていくと、今後最大の山場としてやってくるだろう侑ちゃんが見かけた「コンクール」が、どうなるか本当に心配になってきてしまいます。

さあ、あなたならどうする?

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