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「すイエんサー」の体力テスト回に衝撃を受けた話

NHKの教育番組は、大人になってから見ると違った視点や「なぜこのような意図を持って伝えているのか?」が見えて非常に面白いですよね。かくいう私も「ストレッチマン」において伸ばす筋肉がどこであったりとか、その正式な名前が何であるかとか、というのがわかってくるとめちゃめちゃすげぇなぁと思って見ていました。

そんな中で私が今日とりわけ驚いたのはこれです。

「すイエんサー」という、一見ちょっと崩した化学関連のような番組。一時期はAKBグループがよく出ていたことでお馴染みですよね。この番組でで触れられた「体力テスト攻略法」がびっくりするほど分かりやすかったので、ちょっと今日は久々のスポーツネタとしてそんな話をしようと思います。

反復横跳びとはNANDA?!

「すイエんサー」における体力テストの攻略法の一つに、「反復横跳びは上半身を動かさないようにすると記録が伸びる」というものがあります。これは反復横跳びが全身や四肢の敏捷性(アジリティ)を測るものであり、身体移動や方向転換がいかに上手くできるか、いかに制御できるかを測っているという意図があり、それをハックするものとして出された結論であると感じました。

ここでちょっとさまざまなスポーツから、この運動測定がなぜ重要かについて触れておきましょう。スポーツにおいてアジリティとは「速く、正確に、縦横無尽に」という動きが重視されます。つまるところ「カービィのエアライド」におけるルインズスターみたいな動きです。これらはアメフトにおける3コーンドリルでも、サッカーの戦術なんかでもよく重要視されていますね。

これらは最も重要なもので「腓腹筋」と呼ばれるようなふくらはぎの筋肉を使いまくって対応しています。爪先立ちやジャンプ、地面キックなどに使われるサスペンションのようなものなので、衰えると大変なことになっちゃうというのがわかってくると思います。

すイエんサーはこの重要性を伝えるため、「上半身か下半身どちらかを強調したダンス」という比較手法をとっていました。視覚的にも分かりやすいし、使う筋肉の筋も通っていたんですね。身体操作という最大の目標を叶えるために、同じく、いやそれ以上に重要視しているダンスを用いて伝える。僕はこれを最初見た時に、思わずこう思ってしまいました。「私たちはなぜこれを、教えてもらえなかったのか?」と。

なぜから始まっても辿り着けない?

すイエんサーで教えられたことは「体力テストのライフハック」であり、日常的にどんな場面で使われているか、なぜ必要なのかは教えてくれません。それには恐らく、この番組の当初の目的であるこの文にあると思っています。

専門家や研究者などの協力で科学的に疑問を解決する様子を撮影したVTRを見ながら番組が進行する。
Wikipedia

この番組の主題はあくまで日常の疑問を科学で解決することで、そうあるがゆえにそれ以上のことは触れません。でもこれでいいのです。疑問を解決するために見るのであって、メカニクスをより深く知ろうという踏み込みまではしないのです。それがこの番組の使命であるとも感じます。

それを見て思い出したのは、このニュースでした。

このニュースはなぜ日本の人たちに数学が嫌いな人たちが多いかというのについて触れたどっかの週刊誌のニュースですが、いわゆる「体育嫌い」みたいな方が思ってるんじゃないかというのはまんまこの文なんです。

学ぶこと自体を好きになるには、今学んでいることが、生きていくために役立つと感じられるかも1つのポイントになるように思います。今の小学生の算数の教科書を見ると、社会と算数のつながりが意識的に入れられていると感じます。とても工夫されています。
宮本さおり

「なぜその運動は日常的に必要なのか?」というので見れば、体育がもっと面白くなるのではないか?そう感じずにはいられませんでした。それでも、何を伝え何を伝えないかというのは、これまで以上に重要になってくるお話しだと思うのです。

メカニクスヲタとは何か?

野球においてメカニクス研究とその共有が、この5年で急激に重要視されるのは、一つは情報化社会に取り残されるかもしれないという遅れと、もう一つは「選手生命における幸せ」を叶えたいのかな、というのを常に思っています。すイエんサーを見てもう一つ思ったのは、「わたしたちファンのメカニクス説明がどこまで選手に届けられているか?そしてそれは響いているのか?」というものでした。

やっぱりみんな幸せになりたくて、夢を叶えたくてここにきている。本当にそれだけだと思います。もう一度、どんな感じで行くか考えないといけないなぁと思ったこの頃でした。

体を動かすって、楽しいな。

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