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「SHOCKWAVE FROM YUIGAOKA」ラブライブ!スーパースター!! 2期1話感想

とうとう始まりましたスーパースター2期。圧倒的な「つかみ」と、それを織りなす表情豊かなLiellaのみんな。これまでシリーズをおっかけたことがなくても、十分に魅力が伝わったんじゃないかなぁと思っています。今日、というよりこのシーズンを通して一番のメインになってくるんじゃないかというのが桜小路きな子ちゃんのこと。2期生の中では一番注目していたこともあり、どんな子なのかお会いするのがとても楽しみでした。さてさて、いったいどうなるのかな。

きな子ちゃんってどんな子?

北海道からやってきた女の子、桜小路きな子。公式のプロフィールでは、運動が苦手で勉強も普通。でもそんな彼女が先輩スクールアイドルのキラキラに心奪われ、門をたたく。このように書いておりますね。

彼女に関することでいちばん気になっているのは、やはりパーソナルカラーの「メイズイエロー」。メイズとはイギリス英語で「とうもろこし」のことを指します。とうもろこしは品種によって黄色であることもあれば、オレンジ色に近いものもあったりするので、このイエローは黄色ともオレンジ色とも扱われていることがよくあったりするのです。黄色、そしてオレンジ、とくればもうシリーズを長く追っかけてるあなただったら、そのことにピンと気が付くかもしれませんよね。

彼女がスクールアイドルの門をたたいたのは、やはり偶然の重なりと、運命に導かれた数々の出会いが後を押しているのだと私は感じます。ここまではシリーズでもよくいそうな女の子。だけどちょっと今までと違うのは、「彼女が運動が苦手だった証」として象徴的に描かれた「卒業アルバム」のことでしょう。ここでは明言を避けますが、彼女にとってコンプレックスだったあることが「カセ」のようになるのは、間違いなく避けては通れない道だと思っています。

また、個人的に気になってるのはかのんちゃんへの第一印象。「変わった人っすね」というのは、後々大きな意味を持つはずだと思っています。引っ張るカリスマ性というのもそうですが、「普通」であるきな子ちゃんが、この後のカフェを通じて人生を変えるきっかけにもなるのですから。

かのんちゃんに関する一つの疑問と仮説

今回のお話の最大の謎、それは「かのんちゃんはきな子ちゃんのどんなところに魅力を感じたか?」というものです。それがおそらく意図的に隠されている、いや、隠そうとしているような感じがしていて、ちょっと気になりました。今後どこかで明かされるかもしれませんが、というのも、かなり勧誘のお話がらみで気にされてる方々がいて、ちょっと急じゃない?なんて方もいるからです。突然の出会い、惹かれ、そして加入までの早さ。私も駆け足に感じましたが、後から物語を読み返すとそこに至るまでの道のりが、決して敷かれたレールの上ではなかったことが伺えます。

まず一つは、今回が「きな子ちゃんの視点から見た、現実と空想を織り交ぜた彼女の物語であること。例えるなら「MIRAI TICKET」のライブの前“彼女たちのこれまでとこれからの紹介”のようなもの、あとはワーゲンが空を飛んだ時のようなものを、一個人に当てはめてみたらどうだろう、という。「私を叶える物語」というのにとってはパーフェクトなスタートであるわけです。この曖昧さがラブライブ!シリーズを色づける「証書」としての役割を今回も持ち続けている、と。私はこれを「シアターアトラクション効果」と名づけていますが、いつぞやのFAN BOOKとかにもあったような”彼女たちのリアルとファンタジックを楽しむ“というという、一つのアトラクションになってるのがラブライブ!の面白いところでもあります。(むしろあまりそうではないニジガクが特殊、とも)

もう一つは「結いに理由はいらない」という仮説です。スクールアイドルが起こす波の伝播は、特に理由なく前触れもなく突如としてやってきます。例えば、UTXのモニター。例えば、偶然がきっかけで触れたダイバーシティでのライブ。現実だってそうです。ライブやら楽曲やらがきっかけとなり、その出会いはいつだって突然。そういうもんじゃないかなぁ。かのんちゃんがきな子ちゃんを誘ったのは、ただあなたとスクールアイドルがやりたい。それだけです。かつて可可ちゃんの熱い気持ちがそうだったように…

もし。もしあえて理由があるなら、ここ。

惹かれた輝きに
心奪われ
それの気づきが「波」になってゆく

冷静だったすみれちゃん(とみんな)

次の優勝候補とされるまで上り詰めたLiella。それが重荷となって、なかなか新入生が集まってきません。ただ、そうはいってもその前からりえらちゃんのみんなはどれだけスターになろうとも天狗にはならず、自分たちのことをことさら客観視していたような気がしていました。もちろんかのんちゃんの「先輩」がらみのお話はあるにはあるのですが、それでも基本的には冷静さを貫いていましたね。

特にその冷静さが顕著だったのはすみれちゃん。苦労した分、一番スターになって舞い上がりそうな感じだったのに、いざ輝く星になってみると「当然」とは言いつつも実際は今自分たちがおかれている状況を見て、こんな一言をつぶやいていましたね。

「でもそれって、自己満足になっちゃうんじゃないの。私、スクールアイドルってそういうのじゃないって聞いてたけど。」

これは、自らの置かれた状況を外から見ているとともに、自分たちも含めてスクールアイドルを通じて変わっていったのに、同じように変わろうとしている、変わるきっかけとなる門を閉ざしていいのか、というすみれちゃんの気持ちが込められていると個人的には思っています。芸能界も、スクールアイドルもシビアな世界であると知った彼女だからこそのこの言葉には一気に痺れてしまいました。

元々はサニパの紹介、そして大会でのパフォーマンスがキッカケで火がついたりえらちゃんの名声。しかしそれに甘んずることなくストイックに突き進む彼女たち。今はだいぶ余裕に見えるかもしれませんが、もしかしたらどこかで焦りを出すことがあるのかもしれませんよね。そうなった時、鍵になるのは…?

とてもポップな「僕らの世界」

新しい楽曲「Welcome to 僕らのセカイ」について。これは、きな子ちゃんの新しい世界の入り口であると同時に、わたしたちが「スクールアイドルに出会った時の気持ちを思い出すための楽曲」というものであると個人的には感じます。しかしながらここもりえらちゃん流。原宿文化真っ盛りのポップな世界でした。

それは紛れもなく、まだ名もないキモチだったりえらちゃんたちが、自分達の世界を持った瞬間でもあります。彼女たちが自分だけの色を持った瞬間であるのが、あの曲だと私は感じました。それが「彼女たち」に新しい波を起こしてゆく、そんな気がしますね。

これからのLiellaはどうなってゆく?

さて。最後に、これからのりえらちゃんについても触れておきましょう。さらなる新しいメンバーの加入もありますし、可可ちゃんの帰国問題も解決していません。私は、「音楽科と普通科」に代わる今期のテーマとして、1期生と2期生」という二つのグループの関わり合い方が大きくなってくるのではないかなぁと思っています。

先輩と後輩という概念は、世界にはない独自のものです。海外のカートゥーンなんかではあまり見ることがないこの関係性は、「先輩禁止」としてきた歴代のシリーズでもひときわ異彩を放っています。あんなに「先輩」というワードが強烈なラブライブ!は、見たことも聞いたこともありません。

対立の軸というものではないと思いますが、壁を乗り越えるための支え合いと導き。この所信表明演説が今回のお話だったのではないかとも思います。彼女たちの道の向こうには、変わってゆく道の向こうには、一体なにが待っているのでしょうね。

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