汁なし担々麺風そうめん


隣のおじいちゃんが倒れた。


真っ昼間に救急車が家の前に止まったので、心がざわざわした。
その少し前に私の父親も救急車で運ばれそのまま亡くなったことを思い出して、足元からぞわっと嫌な痺れのような寒気を感じた。
救急車を見るだけで不安な気持ちが蘇る。
かといって、慌てて出て行き何があったのか見るのは野次馬根性丸出しで憚られ(そして救急隊員の邪魔でもある)、窓からまんじりと眺めた。
明確に誰が運ばれたかは分からないが、そこの家はおじいちゃんとおばあちゃんの二人暮らしなのでどちらかであろう。そして、おじいちゃんは先日まで入院していた。
暫く救急車は留まり(こういう時になぜ早く病院へ向かわないのだと毎度思うが、処置をしていることは明白だ。それでも不安が先立ち、理解しているのに焦る。)、しんとしていたがその内にサイレンを鳴らして立ち去っていった。


その日の晩、おじいちゃんの家は普段なら早く消えるはずの電気がいつまでも点いていた。
そうして、二日後の朝おじいちゃんの娘がゴミ出しをしているのに遭遇した。
そこでちらっと聞いたのは、やはり倒れたのはおじいちゃんで、娘は電話で知り、遠方から旦那と子供を置いて帰ってきたとのことだった。
おじいちゃんの娘は娘といっても五〇代で、そろそろ六〇歳になろうかという歳だ。
こっちは涼しいと言った娘は少し疲れていた。
おじいちゃんは少なくとも二ヶ月は入院が必要で、その後介護も必要になるとのことで、娘はこっちに帰ってくると思う、とお昼くらいにそうめんを持って再度挨拶に来た。
「ご苦労様です」
そう返すくらいしか出来ずにちょっと季節外れの木箱に入ったそうめんを抱えた。
翌日、コストコで買い冷凍しておいた鶏挽肉を使って、汁なし担々麺風そうめんにして食べた。


汁なし担々麺風そうめんレシピ

【肉味噌】3~4人分
<材料>
A
・長ネギ・・・・・・お好みの量を微塵切り
・塩・・・・・・小さじ1/2
・ごま油・・・・・・大さじ3
・ごま(黒、白)・・・・・・大さじ1ずつ(すりごまにする)
・ラー油・・・・・・お好み
・みそ・・・・・・大さじ1
・ニンニク・・・・・・1片(すりおろし)

B
・鶏挽肉・・・・・・150g
・出汁(水でも可)・・・・・・100cc
・醤油・・・・・・大さじ1

<作り方>
①Aを混ぜ合わせておく。
②鍋にBを入れ、鶏肉にしっかり火が通るまで混ぜながら火にかける。
※鶏ひき肉は火にかける前にほぐしておくと綺麗なそぼろになる。
③しっかり火が通ったら、Aを鍋に入れ水分がなくなるまで混ぜながら煮詰める。

肉味噌はサラダやごはん、豆腐に乗せて食べても美味しいので多めに作って保存容器に入れて冷蔵庫にあると便利です。


担々麺風そうめん(一人分)
<材料>
・そうめん・・・・・・二把
・肉味噌・・・・・・大さじ1
・ごま油・・・・・・小さじ1
・ラー油・・・・・・お好み
・塩、こしょう・・・・・・少々

・酢・・・・・・味変に

<作り方>
①器にごま油、ラー油、塩こしょうを入れておく
②茹でて冷水で締めたそうめんを入れ、その上に肉味噌を乗せる

食べる時によく混ぜながら食べてください。
味変でお酢入れるとまた美味しい。

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