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政策提言「地方自治体は総務部しゃべり場課を創設すべし」

よく自治体に取材に行くのですが、特に関西地方の役所に行くとよく世捨て人のような住民が職員に何か怒鳴っています。あるいはおかしな演説とか。面白かったのは何やら熱弁をふるっていましたところ、女性職員が寄ってきて「ありがとうな、今日はこの辺で」といってなだめて追い返していました。なんてできた人だろうと感心したもの。

コロナ禍で鬱屈している人は多いと思います。上記のような●●な人はもちろんのこと。その刃はやはり公務員やエッセンシャルワーカーへ向けられます。スーパーやコンビニ店員、タクシー運転手などはまさに獲物。

しかも本来は市民の範となるべき国会議員の振る舞いがなんとも・・です。野党の場合は政策立案能力がないから「絶対に反論できない立場」である役人を吊るし上げて有権者にファイティングポーズを見せるしかない。人権団体、各種市民団体も同様。ただあれは仲間に向けたパフォーマンスにすぎません。●●な人とはまた異なる事情があります。

その一方で誰かに何かを訴えたい、しゃべりたい、聞いてほしい、こういう一般人はとても多いと思うのです。

「市の広報の配色が悪い」こんなことどうでもいいじゃないですか。だけど世の中、そんなことまでしてコミュニケーションを求める人は本当に多い。これは役所取材をやっている中で本当に痛感します。しかもこのような「行き場を失ったエネルギー」はかなり重たく、対応は想像以上に重労働なんです。相当な対人スキルが求められます。

SNSが使えるような人はまだいい。攻撃の矛先がいくらでもあるから。しかしリアルな場での会話に飢えている人を見逃してはなりません。いやSNSに依存する人も本来、実生活で会話がないからネットに逃げるかもしれない。やはり生身のコミュニケーションは重要です。

そこで各自治体に政策提言します。それが

総務部市民しゃべり場課

の創設です。

もちろん市民センター、隣保館などでこういう機能を有している場合もあります。しかしこうした職員も丁寧に聞いてくれるんだろうけど「会話」というより「慰撫」です。生きたトークではありません。それに現場職員たちに「活力あるトーク」を求めるのは酷というもの。

そこでコロナで職を失った接客業、サービス業、あるいは営業マンでもいい。対人スキルが高そうな職種だけど、生活の途を失った人たちを臨時職員として雇用します。そしてしゃべり場課職員として「会話難民」たちといろいろな話をしてもらいます。

意地悪な人は「公務員のくせに一日中、人と話しているだけか」とまた怒るかもしれません。しかし繰り返しますが想像以上に大変な仕事だと思いますよ。その点、民間で鍛えた人は公務員とはまた違った応対ができるのではないでしょうか。

もちろん本当におかしい人がきます。だから職務規定やある程度のマニュアルは必要ですが‥。また感染対策もしっかりしなければなりません。ただメリットはあります。

●コロナで失業した人の雇用対策にもなりまたここでの経験はその後の人生、仕事に役立つのではないか。

●会話難民たちの受け皿ができる。少しでも生のコミュニケーションに触れさせる。市民生活支援。

●民間のエッセンシャルワーカー、職員たちのストレス・負担軽減。

このようなメリットがあります。コロナによって仕事、会社を失った人で特に資格・キャリアはないけども対人能力は非常に高い人は必ずいるはず。こうした能力を放っておく手はありません。自治体で臨時採用を実施する場合、どうせやるならしゃべり場課にチャレンジしてみませんか。


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