渋谷区立幡ヶ谷公衆便所はトランスジェンダー優先トイレと発表しては?
今月初旬に話題になった渋谷区立幡ヶ谷公衆便所。記事にするタイミングを逸してしまいました。遅まきながらの紹介です。
この施設。ぱっと見はテレビ番組『大改造!!劇的ビフォーアフター』で建築家が暴走した家屋にありそうじゃないですか。
表題通り、公衆トイレでございます。昨今の公共施設、特に人権関係のハコモノはやたらエントランスが広くて吹き抜けを多用、展示物がしょぼいという傾向があります。
そんな行政イズムがたっぷり詰め込まれたトイレなのです。公開された図面からしても一目瞭然。渋谷区HPに掲載されたコンセプトを引用します。
「THE TOKYO TOILET」。なんとも意識高い系の人が好みそうなネーミングセンス。
渋谷区はもちろん人口が多いです。となると災害対策として公衆トイレを整備する必要があります。スペースを工夫してより多くの人が使用できる方がいいと思いますが、渋谷区立幡ヶ谷公衆便所は逆行。利便性よりも「啓発」を優先するこれまた行政イズムが注入されています。
全体の面積に対してわずか共用2、男性用2。だってユニバーサルデザインの公衆トイレは他にもありますが、もっと利便性はありますけどね。個人的には新幹線のトイレの方がよほど優れていると思いました。
トランスジェンダーを意識した設計
これはすでに指摘されていますが、女性専用トイレがないことです。
社会をみてみましょう。メディア、マーケティングにおいても女性重視のご時世。男性トイレの割合を増やすのは渋谷区様が放った強烈なアンチテーゼ、でしょうか。
もちろんありえません。単純にこのトイレはトランスジェンダーを意識したものです。渋谷区は公にしていませんが、もうミエミエですから(笑)。
加えて気になるのはアイコンです。
私が意識低いせいかこういう「トイレサイン」「アイコン」「ピトグラム」だとかいろいろな呼称があるけど、疎くて…。これも利便性よりも「啓発」ばかりが優先された印象です。
こういうアイコンは一目で判別がつく人はどれぐらいいるのでしょうか。現にアイコンの意味を公園課公園維持係に質問したところ、すぐに分からないから折り返すと言われました。職員もすぐには分からない、と。
まあこの通り説明はありますけどね。
目的を見失っていないでしょうか
全体を通して思ったのは先述した通り、とても行政的な発想で設置されたトイレだと思いました。
つまりバリアフリーやユニバーサルデザインに取り組んでいますよ、という仕事やってるアピール。もっといえば行政のパフォーマンストイレ。
「人種・性別・年齢・障がい」に配慮するとはこういうことでしょうか。共用トイレなんてなぜ三角形にするのか意図が分かりません。車椅子の人が入りにくいことこの上なし。
結局は「排せつ行為」だから利便性を追及すればこうはならないと思うんです。要は簡便な使用よりも「啓発」を優先した結果がこのザマ。「誰でもトイレ」のはずが月日が経てば、「誰でも不便トイレ」になることは間違いないと思いますよ。
なお幡ヶ谷公衆便所への批判に対して渋谷区はHP上でこう反論しています。
女性トイレをなくす方向性はないのは事実でしょう。ただ渋谷区は正直に言ったらいいですよ。
「このトイレはトランスジェンダーに配慮しました」
と。
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