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7/14 ニュースなスペイン語 Mano roja:赤い手

レッド・ハンド・デー(Red Hand Day)という記念日(毎年2月12日)があり、これは「少年兵の徴募と使用の停止、および少年兵へのサポート」を目的とした国際デーを指し、今回の「赤い手」キャンペーンとは別のもの。

今月6日からナバラ州パンプローナで開催しているサンフェルミン祭り(San Fermín)は本日14日で終わるが、祭の開催中はどうしても牛追い(encierro)のインパクトある映像や、このイベントで負傷者が何人出たかというニュースが目立ってしまう。

まぁ、それはそれで良い。

ただ、7月1日の小欄や今回紹介するような記事がしっかりとした存在感を持っているところに、実は、サンフェルミンの闇があるのも事実。

「赤い手」キャンペーンのスローガンが「性被害のないパンプローナ(Pamplona libre de agresiones sexistas)」であることからも、想像は容易だが、サンフェルミンと女性たちの性被害の歴史は深い。

中でも、2016年の7月、パンプローナで起こった「マナダ事件(La Manada)」は、かつて小欄でも頻繁に取り上げた、通称「ハイはハイだけ法(ley del 'solo sí es sí)」の成立のきっかけとなった(「マナダ事件」については、2022年11月18日で取り上げた)。

しかし、幸い、2023年6月10日の小欄でも紹介したような有名人らが参加するキャンペーンや、今回のように役所(Ayuntamiento)が主導する啓発活動などを通じて、サンフェルミンは次第に変わってきているらしい。

中でも、祭の開催中、インフォメーションセンター(punto de información)が設置され、相談(consulta)や情報提供(ofrecer información)をスペイン語、バスク語、英語、フランス語の4ヶ国語で行っていることが功を奏しているという。

主なターゲット(especial atención)は14歳~30歳までの若い年齢層。

2022年に設置された時と比べ、昨年は、相談数は618件増え、1万7881件にまで膨れ上がり、実際、24件の暴行事件(incidentes)が発生してしまったが、しかし、特に若い層で事件の告発が増えたらしい(Parece que ha habido un aumento de denuncias, sobre todo en las franjas de edad más jóvenes)。

高い相談件数と暴行事件に驚くが、見方を変えば、インフォメーションセンターが、今まで、泣き寝入りしなければいけなかったような女性たちの声をすくい上げるのに一役買っているということでもある。

今年のサンフェルミンについて、負傷者の数だけでなく、インフォメーションセンターの総括が知りたい。

写真は「赤い手」キャンペーンのモニュメントとスタッフたち。

以下のように「スペイン語とバスク語(画面中央)」、「英語(同左)」、「フランス語(同右)」のそれぞれの言語で「性被害のないパンプローナ」と書かれたポスターもある。

はて? モニュメントとポスターの親指の向きが違うのが、ちょっと、気になるところ。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20240627/san-fermin-2024-pamplona-contra-agresiones-sexistas/16165215.shtml