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7/21 ニュースなスペイン語 Atún rojo atlántico:タイセイヨウクロマグロ

日本語ではクロマグロだけど、スペイン語は「atún rojo」つまり「赤いマグロ」と言う。

黒っぽい外見に焦点を当てたのが日本語、赤い身である中身に焦点を当てたのがスペイン語、ということか。

ちなみに英語では「bluefin tuna」というらしいから、こちらは見た目は見た目でも「青みがかったヒレ」に焦点を当てたか。

ひとつの個体のどこを切り取るかによって名称につく色が変わるのが面白い。

それはさておき、ムルシア州にある海洋研究所(Centro Oceanográfico)が、世界で初めて(por primera vez a nivel mundial)、タイセイヨウクロマグロ(学名:Thunnus thynnus)の地上(en cautividad en una instalación en tierra)での養殖(reproducción)に成功したという。

記事では日本はマグロの養殖でトップレベルの国(el país más adelantado en estos temas)と紹介されていて、クロマグロ(atún rojo de Pacífico;Thunnus orientalis)の地上(en tanques en tierra)での完全養殖にすでに成功しているとある。

こちらのクロマグロは、直訳すれば、タイヘイヨウクロマグロということになる(日本ではクロマグロと言えば、太平洋に生息しているものを指すから、わざわざタイヘイヨウと言わないのかな…)。

ムルシア海洋研究所は2016年にタイセイヨウクロマグロの完全養殖に成功している(El IEO ya consiguió el cierre del ciclo biológico de esta especie)が、当時は水中檻(jaulas flotantes en el mar)での養殖だった。

しかし、2016年に異例の暴風雨(un temporal excepcionalmente agresivo)によって、水中檻が壊滅状態になり、6年間の休業を余儀なくされた(se perdieron 6 años de trabajo)という。

そこで目を付けたのが、不測の気象条件に左右されない(sin depender de factores climatológicos incontrolables)陸上での養殖だったという。

日本以外にも、例えば、オーストラリアではミナミマグロ(atún del sur;Thunnus maccoyii)、そして、パナマではキハダマグロ(rabil;Thunnus albacares)の養殖が成功している。ただし、こちらの2例は幼魚(no desde juveniles)ではなく、成魚(adultos)をタンクに入れることで養殖させるタイプのようだ(スペインが今回成功した養殖は「幼魚」からのようで、これが大きなポイントみたい)。

マグロは随分安くなったなぁ!という実感はまだ無いが、タイヘイヨウだろうと、タイセイヨウだろうと、まぁ、正直言って、マグロ好きの小生には大差ない。

安くて美味いマグロを飽きる程喰らいたい。

写真はタイセイヨウクロマグロ。

ちなみに記事で「完全養殖」と訳した箇所は「consiguió el cierre del ciclo biológico de esta especie 」というスペイン語。

直訳すれば、「この種(クロマグロ)のライフスタイルを閉じることに成功した」ということ。

違和感は拭えないが、自然界での生活環を断ち切って、人工的にこれを再現した――

こんな発想か。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230719/cientificos-espanoles-consiguen-reproduccion-atun-rojo-atlantico-tierra/2452389.shtml