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5/13 ニュースなスペイン語 Elecciones catalanas:カタルーニャ州議会選挙

昨日扱った「Argotismo verde(グリーンアルゴリズム)」の続編を予定していたが、昨日投票が行われたカタルーニャ州議会選挙の開票速報が出ているので、今回はこちらを紹介しておこう。

テレビも選挙特番を組んでいる。

まずは以下のグラフを見てみよう。

開票率(escurtado)が83.1%なので、まだ、戦況は分からないが、現在のところ、カタルーニャ州の独立を支持しない反対派(no independentistas)が73議席で、独立賛成派(independentistas)の62議席を、かろうじて、上回っている(小欄執筆時点での数値。以下同様)。

州議会の過半数(mayoría absoluta)が68議席なので、賛成・反対の両陣営の戦いはかなり肉薄している。

どの政党も単独での州政を掌握することは難しく、連立政権となる見込み。

同州の独立は各政党や国民の関心であることには違いないが、このイデオロギーだけで連立を組もうとすると、例えば、サルバドル・イジャ(Salvador Illa)率いるカタルーニャ社会労働党(PSC)、アレハンドロ・フェルナンデス(Alejandro Fernández)の国民党(PP)とイグナシオ・ガリガ(Ignacio Garriga)のボックス(Vox)という何ともいびつな連立政権が成立することになる。

しかし、中央政権では与党と野党でバチバチ火花を散らす関係でありながら、カタルーニャ州政権では連立を組むというのは、さすがに、節操がない。

それに、大まかに言えば、カ社会労働党は左(izquierda)、国民党は右(derecha)、ボックスは極右(ultraderecha)という路線なので、独立反対の理念だけではまとまるのはほぼ不可能だろうから、社・国・ボの連立は現実的ではない。

一方、今回参照した記事の先頭に上がっている連立の図式は、社会労働党が、ペラ・アラゴネス(Pere Aragonès)の共和主義左翼(ERC)とジェシカ・アルビアック(Jéssica Albiach)のクムンス・スマール(Comuns Sumar)と手を組む三党体制(tripartito)。

この三党政権だと過半数の68議席を得ることになるので、まぁ、イデオロギー的にも、政権的にも、安定しそう。

しかし、独立派の筆頭格のカルラス・プッチダモン(Carles Puigdemont)が率いるジュンツ(Junts+)の動き目が離せない。

もし、ジュンツが、前述の共和主義左翼を連立パートナーに取り込もうものなら、その議席数は72議席となり、数の上では、カタルーニャは一気に独立路線に舵を切ることになる。

もっとも、共和主義左翼は、ジュンツほど過激な独立派ではないので、一定の抑止力にはなるのかもしれない。

いずれにせよ、選挙結果が確定したら、また、報告しよう。

写真はカタルーニャ社会労働党のサルバドル・イジャ。

マスク(mascarilla)と韻を踏みやすいからか、イジャがマスクをしている写真がすごく多い。

このまま、順調にいけば、社会労働党は最多得票で選挙には勝つが、果たして、州政で実権を握れるか。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20240512/elecciones-catalanas-2024-directo-12m-resultado-ganador/16092419.shtml