8/23 ニュースなスペイン語 Decisión de Felipe VI:フェリペ6世の決断
私を政府の長として任命下さった陛下のご決断に感謝申し上げます(Agradezco a S.M. el Rey su decisión de nombrarme candidato a la Presidencia del Gobierno)――。
こんな喜びのポストを、スペイン時間の23日深夜に発信したのは、国民党(PP)党首のアルベルト・ヌニェス・フェイホ(Alberto Núñez Feijóo)だった。
そして、ポストは次のように続く。
スペイン国民の権利を守る政府と共に、変化と安定、そして節度を願う1100万人を超える人々の声に応える時が来たのです(Daremos voz a los más de 11 millones de ciudadanos que quieren cambio, estabilidad y moderación con un Gobierno que defienda la igualdad de todos los españoles)。
今回参照した記事では、今現在(a día de hoy)の支持は、フェイホが172票(172 votos)、一方のペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)が152票となっているとある。
17日の小欄で紹介した段階では、両者ともに171票の支持票を取り付けているとのことだったが、その後、いろいろな駆け引きの結果、サンチェスがかなり票を減らしたことになる。
上の支持票が不動のものなら、下院で必要な過半数(176)までは、あと、4票(se quedaría a cuatro votos de la mayoría absoluta necesaria)なので、フェイホとしては、やや、苦しいものの、政権運営ができなくはない。
一方のサンチェス陣営もまったく諦めていない。
サンチェスは、スマール(Sumar)党首のヨランダ・ディアス(Yolanda Díaz)と共に、国王の決定に「敬意(resoeto)」は示すものの、「今回の首相就任は失敗する(una investidura fallida)」とし、次のように畳み掛ける。
フェイホは7月23日の総選挙で敗れ、下院の委員長戦でも負けた。来週からも失敗するだろう(Fue derrotado el 23 de julio, fue derrotado en la Constitución de la Mesa y volverá a serlo la semana próxima)。
こうした自信は、もし、地方政党の支持が確実なものとなれば、サンチェス陣営は過半数を超える178票を得ることになり、フェイホ政権を揺さぶるには十分な力を持てるとふんでいるからだろう。
8月28日に第15期内閣(XV Legislatura)の構成メンバー(listado de grupos parlamentarios)が正式決定する予定(certificará)。
どうやら、カタルーニャ州の地方政党である共和主義左翼(ERC)とジュンツ(Junts)の2党が国会の構成メンバーを成すための要件を満たしていない(no cumplen los requisitos que establece el Reglamento para su formalización)ようなので、28日の決定も先送りになるかも。
そして、早ければ30日に、首相就任のための論戦を踏まえた最初の投票(primera votación del debate de investidura)があるという。
ここが小生が理解していたのと違う点。
小生は、フェイホが国王の任命を受けて、首相就任が決定するものと思っていたのだが、どうやら、国王はフェイホとサンチェスのふたりの内からひとりを候補としてしぼり、最終的に、国会が、投票によって、了承する必要があるのか……な……。
まぁ、30日(まで)に何があるかを見守ろう。
で、もし、30日の投票で首相が決まらないとなると、新たな総選挙(unas nuevas elecciones generales)の可能性も浮上する。
早ければ12月17日。
そして、もし、様々な番狂わせなどで、首相就任のための投票が30日以降にずれ込むと、今度は、クリスマスの真っ只中(en plenas Navidades)の総選挙との予測もある。
写真は国王フェリペ6世(左)と握手を交わすフェイホ。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20230822/rey-propone-feijoo-investidura-gobierno/2454411.shtml