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11/25 ニュースなスペイン語 Política de altura:一流の政治

ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)の第二期となる政府が動き出した。

サンチェスは「基本的には象徴的な性格(carácter esencialmente simbólico)」の外遊でイスラエルとパレスチナを訪問している。

象徴的な、と言えば、まぁ、聞こえは良いが、つまるところ、形だけの訪問。

何か実質的な審議や決定を取り付けるための外交ではなく、新首相になって初の外遊、という意味しかない。

とは言え、今回の外遊についても、どこかで触れておきたいこともある。

閑話休題。

スペイン社会労働党(PSOE) のかつての連立パートナーのポデモス(Podemos)は現在、ヨランダ・ディアス(Yolanda Díaz)率いるスマール連合(Sumar)の傘下にある。

そんなポデモスは22日の小欄でも触れたように、サンチェス新政権では大臣職をひとつも得ることができなかった。

かつて5つの大臣職が割り当てられていたことを思えば、その凋落ぶりは明白。

疑心暗鬼まみれのポデモス党首イオネ・ベララ(Ione Belarra)は、今度は、スマールによる国会党派(grupo parlamentario)からも排除されるのではないかと勘ぐっている。

しかし、スマールの国会担当の報道官(portavoz parlamentaria)であるマルタ・ロイス(Marta Lois(写真))は「我が党としては、ひとつの結束したグループを期待している(Desde Sumar seguimos apostando por la cohesión, por un grupo unido)」と述べ、ベララの懸念を否定した。

そして、「スマール連合の一部を成すことをどのようにお考えなのか、一回、聞いてみる必要がある(Hay que preguntarles cómo entienden entonces formar parte del grupo Sumar)」とも述べ、連合の意義を改めて確認する用意があることをほのめかした。

また、ロイスは、スマールには、相当数の勢力(un importante número de fuerzas)があり、意見の相違も多かれ少なかれある(pequeñas o grandes diferencias)が、対話によって合意に至る決定プロセスがある(procesos decisivos donde se dialoga )と強調。

最後に、複雑な党運営になるが、だからこそ、我々は一流の政治が必要だ(Hablamos de una legislatura compleja. Necesitamos una política de altura)とポデモスに注文を付けた。

ポデモスは22日でも紹介したように、公然とディアスのことを批判しているが、ロイスの発言はこうした動きを牽制したものと見られる。

写真は本文にもでてきた、スマールの国会担当の報道官ロイス。

ちなみに党全体の報道官はエスネスト・ウルタスン(Ernest Urtasun(写真))という人物。

今回、初入閣を果たし、文化大臣(ministro de Cultura)に任命された。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20231123/sumar-pide-politica-altura-podemos-cohesion-forman-parte-grupo-parlamentario/2461889.shtml