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4/1 ニュースなスペイン語 Doomscrolling:ドゥーム・スクローリング

ドゥーム・スクローリング――。まだ、この語を一語で表すことは、日本語でも、スペイン語でもできない。

スペイン語では「Búsqueda compulsiva de noticias negativas」、日本語では、これを翻訳した「ネガティブなニュースを衝動的に検索してしまうこと」となるか。

ドゥーム(doom)は英語で「悪い運命・宿命」とか、大文字で使うと「神による最後の審判」という意味にもなるようだ。

一方のスクローリング(scrolling)は「画面を指やマウスなどで移動させること」である。

このニュース自体は今年の1月あたりにネットに出回ったものなので、決して、旬の言葉ではない。が、先ごろ、スペインの国営放送(RTVE)の記事に取り上げられた(ということは、スペインでも真剣に向き合い始めたということだろう)。

ドゥーム・スクローリングという語は2018年頃にツィッター上に現れ、2020年のコロナ感染爆発(apogeo)を機に一気に世に知れ渡った(ganó popularidad)。

研究成果を発表したフロリダ大学の研究チームによると、このドゥーム・スクローリングは、政治的なイデオロギーに関係なく(つまり、右派(derecha)の人にも、左派(izquierda)の人にも)見られる、「唯一、かつ、新型の行動パタン(comportamiento único y nuevo)」という。

人は一日中ネットやSNSを使い、最新のニュース(últimas noticias)に接していると、衝動的に、悪いニュースを検索してしまうという。

何らかの危機的状況(crisis)に接した際、手元にスマホ(teléfono inteligente)があると、その危機に関するニュースが絶え間なく入って来る。すると、人はネガティブなニュースを見てしまう。

何がドゥーム・スクローリングの引き金になるのか(desencadena)は明らかになっていないが、今の時代(momento actual)に独特(específico)であるとのこと。原因のひとつが「何かを失うのではないかという恐怖(miedo a perderse algo)」という。

ドゥーム・スクローリングが不安(ansiedad)を引き起こすのか、それとも、不安がドゥーム・スクローリングを引き起こすのか――。まだ、不明な点が多いが、ふたつは互いに助長しあっている(se alimentan)らしい。

若い人(jóvenes)・男性(hombres)の方が年配の人(mayores)・女性(mujeres)よりドゥーム・スクローリングに陥りやすいとの結果も出た。

ニュースを発信する側は、このドゥーム・スクローリングについて、もっと認識すべきだと研究チームは警鐘を鳴らしている。一方で、ニュースを受け取る側も、ネガティブなニュースで気分が滅入る(sentir mal)場合は、ネット環境の遮断を選択するほうがよい(optar)ともアドバイスを送っている。

怖いもの見たさ――。日本語にはこんな表現があることからも分かるように、ドゥーム・スクローリングは、必ずしも、現代の申し子ではないのかもしれない。ずっと、ずっと、太古の時代から、危険なものから逃げるために、人はその魔物の情報を絶えず追い続けるというDNAを引き継いだんじゃないか…、とも思う。

出典
〈本文〉
https://www.swissinfo.ch/spa/eeuu-psicolog%C3%ADa_el--doomscrolling---atracarse-de-noticias-negativas--es-un-mal-nuevo-y-%C3%BAnico/47251844

〈写真〉
https://wired.jp/2020/08/05/stop-doomscrolling/