10/6 ニュースなスペイン語 IVE:妊娠の自発的中断
「Interrupción Voluntaria de Embarazo」の頭文字を取ったもので、より一般的な表現では「中絶(aborto)」とか「手術による中絶(aborto quirúrgico)」が使用される。
小欄では「人工妊娠中絶」または「中絶」を使うことにする。
2023年にスペインで実施された人工妊娠中絶が1万3097件で、前年比で4.8%増加したことが分かった。
2014年と比べると、8.7%の増加となっていることから、この10年間で、スペインの中絶観もずいぶん変わった。
以下のグラフは15歳〜44歳までの女性1000人あたりの中絶を経験した女性の数の推移を表したもの。
昨年度は1000人あたり12.22人の女性が中絶を行っていて、これは2011年の12.47人に次ぐ多さ。
自治州別に見ると、カタルーニャ州が1000人あたり14.92人で最も高い数字(la tasa más elevada)を示しているのに対して、最小値のアラゴン州では1000人あたり8.4人なので、顕著な差異(diferencias significativas)が見られたという。
中絶数は全ての年齢層で増加しているが、特に、19歳以下の女性(las chicas de 19 años y menos)での実施数が特に増えていたらしい。
また、高等学校(bachillerato)や専門学校(formación profecional;FP)、または
大学に在籍している女性たちの中絶率がわずかに増加した(incrementó ligeramente el porcentaje) ともある。
昨日の小欄の内容と決して無縁ではないわけだから、暗たんたる気持ちになる。
記事にはこの他にも、女性たちが妊娠何ヶ月(gestación)で中絶に踏み切ったとか、今回の前にも中絶を経験しているか、パートナーと同居しているかなどのプロフィールが紹介されている。
こうした事態を受けて、厚生省(Ministerio de Sanidad)は性教育(educación sexual y reproductiva)の促進や避妊のための方法の情報にアクセスしやすい環境づくり(acceso a métodos anticonceptivos)をしてゆくことで、望まない妊娠(embarazos no deseados)の数を減らしてゆく重要性を強調した。
スペインでも「胎児の命優先派(provida;pro-life)」と「女性の選択優先派(proelección;pro-choice)」の対立(2022年6月26日の小欄)や中絶への賛否(2023年1月17日の小欄)が激しいが、今回の数字は両立場からの見え方は全く違う。
写真は胎児の命優先派と女性の選択優先派のイメージ。
出典https://www.rtve.es/noticias/20240928/tasa-interrupciones-voluntarias-embarazo-espana-2023/16265642.shtml